参院選が投開票される20日、仙台市長選が告示される。選挙戦では大票田の市中心部で第一声を上げる候補者が多いが、公職選挙法は参院選の投票所付近での選挙演説などを禁じており、中心部の大半が「禁止ゾーン」に入る。市長選の立候補予定者らは「人通りの多い市中心部を狙いたいが投票所が無数にあり、街宣活動ができ
2025年夏の参議院選挙は、目先の支援策ばかりが注目される一方、社会保障や福祉といった本質的な議論がかすんでいるように感じられます。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』の著者でジャーナリストの引地達也さんが気になっているのは、候補者たちの発する「言葉」です。
世相が示す参院選の主張と想像力必要な真の言葉
参議院選挙の構図は自民、公明の「給付金」に対する野党の「減税」かの争点がクローズアップされ、物価高対策が喫緊の課題として社会も広く認識されているようで、直前の国会で議論となっていた社会保険料をはじめとする社会保障に関する議論は霞んでしまった印象がある。
景気対策や物価高対策は、予測不能な市場との駆け引きを伴う博打のようでもあり、正答を出せるものでもない。米国をわがもののように思いのままにしたいトランプ大統領でさえ市場をコントロールするのが難しいから、他国との関税という取引に活路を見出そうとしている。
経済対策は、そんな博打の要素も含み、将来得られるか分からない利益について論じることになるから、場合によっては空疎な議論になってしまうことになる。
この議論に終始し、社会保障に時間が割けなくなった今選挙を憂う。
社会保障費はある財源からどのように分配しようとの議論が必要ではあるものの、まずは人々が何に困っているか、を示し、そのために予算を配分するという説明が必要である。
説明の
...more機会である選挙で、社会保障が論じられないのは、先月の東京都議会議員選挙でも同様だった。
家に届いた選挙公報には候補者の主張に「福祉」「ケア」「障がい者」等の文言が著しく少なくなった。
さらに新しい勢力の伸長が、さらにこの議論を遠ざけているような気がしている。それは「保守勢力」とされる政党の主張である。
参政党の勢いがあるのは説明の分かりやすさも大きいのだろう。
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「高齢女性は子供を産めない」という第一声に対して大手メディアは一斉に取り上げた。
それを「切り取りだ」と非難するSNSの言動もあれば、その発言に違和感を唱える人もいる。
本人は「生物学的なことを言っただけ」との見解である。
この発言は自らの公約や考え方を強調するために言ったのだから、発言者は切り取られようが、主張であれば意に介することはないだろう。
その主張に賛同するのであれば、投票で支持すればよい。
ただ、ケアを追究する立場として私個人は違和感を覚える発言ではある。
その言葉によって、傷つく人が現実的にいることを想像してしまうからであり、傷つく人を増やす社会認識を助長してしまう発言と受け止めている。
産みたくても産めなかった人、もしくは産めないかもしれないと不安を抱えている人は、このような発言で社会認識が硬直化され、心理的圧迫が強化されていく。
国政政党として認識された公党の党首にはこの想像力を持っていてほしいと願う。
第一声でわざわざ「生物学的なこと」を発言する必要はないし、参政党の主張を説明するのに必然的な見解とも思えない。
障がい者雇用制度があるのは、障がい者を雇用するのに一定の枠を設けて、企業も障がい者も働きやすくするためだが、その前提を「障がい者はうまく働けない」と言ったら、傷つく人は多い。
同時に大きな批判となるはずだ。
この「うまく」は普遍的ではないし、先ほどの「高齢」も示す幅は広い。
政策を説明するのにあたって言うべきことは他にあるはずだ。
ケアの視点で見れば、想像力に欠ける発言は何も参政党だけではない。
党首討論や演説では、その一言一句に注目が集まる。
そこにはたくさんの乱暴な言葉が頻出している。
それが、マスメディアやSNSで「切り取られている」が、これは選挙期間の宿命であろう。
だからこそ、各党のリーダー、候補者には真の言葉が求められる。
発する言葉への反応を想像しながら、人を傷つけない言葉で、猛暑の選挙戦を務めあげてほしい。
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MAG2 NEWS
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