2023年9月9日~10日、明治神宮外苑 聖徳記念絵画館で世界最大級のプロジェクションマッピング国際大会「1minute Projection Mapping Competition」(以下、国際大会)が開催されました。
この国際大会は、世界中の映像クリエイターが1分台の短いプロジェクションマッピング作品で世界一の称号と優勝賞金200万円を競うというもの。11回目を迎える今年、見事グランプリ(東京都知事賞)に輝いたのはルーマニアのVali Chincișan氏です。
今年のテーマ「LINK」に対し、AIを使用して古代文明が織り成す歴史を表現したアニメーション作品『Legacy Links』を発表し、現在と過去のつながりを表現しました。
古代文明が織り成す歴史を表現した『Legacy Links』
過去最多のエントリー数を記録した今年の国際大会におけるグランプリ受賞作品は、ルーマニアのVali Chincișan氏が制作した『Legacy Links』です。
同作品は、シュメール・エジプト・ギリシャなどの古代文明の織り成す歴史を鮮やかに描いたビデオマッピング・アニメーション。そのダイナミックなビジュアルを通して、相互の進化と現代社会への集団的な影響を強調しています。
アニメーションは過去と現在の架け橋であり、どの文明も孤立して発展したわけではないことを示唆しているそう。それぞれが他の
...more 文明に貢献し、影響を与えた…と表現しています。
『Legacy Links』は、祖先の協力的な精神を反映し、共通の歴史と相互のつながりを意識しながら、今日のグローバルな課題に取り組むよう呼びかけています。
準グランプリはブルガリアチームの『Touch』
準グランプリ(TOKYO LIGHTS賞)受賞作品は、ブルガリアチームElektrick.meが制作した『Touch』。
同チームは今年のテーマ「リンク」を別の方法で解釈し、全員がそれぞれのバリエーションを作り、最後にすべての作品をひとつの壮大なビジュアル・コラージュとしてリンクさせました。
その背景には「創造性は非常に広大で多様であるにもかかわらず、アートや表現を通して私たちを本質的に結びつけていることを表現したかった」という考えがあったようです。
この考えを具現化した『Touch』は、“タッチ”という言葉のあらゆる概念を探求した作品。
単なる物理的な意味とは別に、“タッチ”は創造的な追求においても見られるものであり、芸術は心に“タッチ”し、インスピレーションや感情、そして深い相互関係をもたらすことができる…という意味が込められているとのことです。
審査員特別賞はポーランドチームの『Human』
今年の国際大会では、審査員特別賞にポーランドチームAri Dykierの『Human』が選ばれました。
同作品は、「人間は、自然とテクノロジー、生物学と機械、動物とロボット、過去と未来をつなぐ存在だ。私たちは、いつか生物学的な機械やアンドロイドの形をした魂に直面することになるかもしれない。」というコンセプトの作品です。
Tokyo Tokyo賞は、ドイツチームUmbraの『Umbra』が受賞。集合精神を代表する“フクロウ”が登場する同作品では、AIと共に作曲したサウンドトラックを採用しています。
オーディエンス賞に選ばれたのは、ポーランドチームClockworkの『A Neon Owl Symphony』。歴史・創造性・テクノロジーを織り交ぜ、3Dマッピングの興味深いテイクの提供を目指す作品です。
参考元①:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000020452.html
参考元②:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000090122.html
(文・Haruka Isobe)
9月13日、支持率上昇を期待し内閣改造・党役員人事を行った岸田首相。その効果は得られなかったと言っても過言ではありませんが、見るべきポイントは多々あったようです。政治学者で立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんは今回、「岸田人事」の複数の注目点を挙げ各々について詳しく解説。さらに選対委員長に抜擢された小渕優子氏が日本初の女性首相を目指すべき理由を詳説しています。
プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。
支持率ダダ下がりの岸田政権「付け焼き刃の内閣改造」を斬る
岸田文雄首相は、内閣改造・党役員人事を断行した。党役員には、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長が留任。総務会長に森山裕選挙対策委員長が、選対委員長に小渕優子組織運動本部長が起用された。内閣人事では、松野博一官房長官、鈴木俊一財務相、西村康稔・経済産業相、河野太郎デジタル相、高市早苗経済安全保障担当相が留任した。また、経験豊富なベテランの新藤義孝・元総務相が経済再生相に起用された。連立を組む公明党からは、斉藤鉄夫国交相が続投となった。
岸田首相は、重要閣僚、党幹部
...more を派閥の会長や幹部で固めた。政権の基盤を安定させることを重視している。異次元の少子化対策、物価高対策など経済政策、そして防衛費の大幅増など歯止めのない歳出拡大の中での難しい財政運営、東京電力福島第一原発の処理水放出の対応、マイナンバー制度のトラブルを受けての「総点検」、経済安全保障体制の確立など、難しい舵取りを求められる懸案に、継続性や経験値を重視した人事を行ったのだ。
だが、各種世論調査で内閣支持率は横ばいか下落。不支持率は60%を超えている。人事の「刷新」による政権の浮揚効果は限定的だ。今回は、岸田人事が示す日本政治の現状と、今後の展望を考察したい。
私の考えだが、人事を安定させるための鉄則の1つは「敵は内側に、味方は外側に」配置することだと思う。自民党に当てはめれば、「敵は閣内に、味方は党に」ということになる。
例えば、小泉純一郎内閣時、ポスト小泉を狙い、郵政民営化に反対の麻生太郎氏を、その担当の総務相に起用し、「イエスマン」と呼ばれて首相に絶対の忠誠を誓った武部勤氏を幹事長に起用した。その武部氏も、小泉内閣発足時は構造改革に反対だった。首相が農相に一本釣りして重用して「イエスマン」に変えたのだ。
一方、第一次安倍晋三内閣は、官房長官に塩崎恭久氏、首相補佐官に世耕弘成氏、小池百合子氏、根本匠氏ら首相側近を起用し「お友達内閣」と呼ばれた。だが、族議員の大物などを閣外に置いた布陣は混乱を生み、内閣はわずか365日で瓦解した。
この反省から、第二次安倍政権では、潜在的に首相の座を争う最も強力な政敵だった麻生太郎元首相を副総理・財務相に起用し、最側近として重用した。それは、安倍政権が憲政史上最長の長期政権を築けた要因の1つとなった。
茂木敏充にはかけられなかった「財務相の呪い」
今回の岸田人事はどうか。まず、留任となった茂木幹事長だ。幹事長の続投は、人事の日程が迫ってきてもなかなか決まらなかった。首相に対抗しうる強大な権力を持つ幹事長に、「ポスト岸田」の有力候補である茂木氏を続投させることのリスクを、首相が自覚し、悩み続けたのだという。
実際、茂木氏は「ポスト岸田」への意欲を隠さない。岸田首相が打ち出した「異次元の少子化対策」について、茂木氏は児童手当の所得制限撤廃に踏み込む発言をした。また、8月に打ち出した経済対策で、首相が言及していない補正予算編成の考えを示した。いずれも、首相から主導権を奪おうとしたといわれても仕方がない言動だ。今後も、茂木氏の勝手な振る舞いが続けば、政権の基盤を揺るがすことになりかねない。
一方、茂木氏を財務相に起用するという案があった。将来の政敵になり得る者を閣内に取り込むという意味で有効な策だ。だが、それだけではない。財務相は、首相を狙う政治家にとって「鬼門」のポジションだからだ。
自民党で、財務相(および旧蔵相)から直接首相になった政治家は、戦後一人もいない。財務相は、常に族議員やその背後の業界からの予算獲得の圧力と、財政再建という難しい課題の間で板挟みとなる。そして、国民から不人気の増税を検討することになる。次期首相候補としての支持を失ってしまうのだ。
ただし、民主党政権の財務相、菅直人氏、野田佳彦氏は財務相から直接首相に就任した。それは、財源の確保に失敗して財政が悪化し、マニフェストの政策を撤回し、公約にない消費増税に取り組まねばならない混乱の中で財務相が首相に就任した例外的事例といえる。実際、菅、野田両氏は、どちらも消費増税が命取りになり短命政権に終わっている。要するに、財務相は政治生命を削る、難しい仕事だということだ。
今年8月末に各省庁の概算要求が締め切られた。その総額は約114兆円と過去最大を更新した。財政の膨張に歯止めがかからない状況だ。その一方で、岸田内閣は今年の「骨太の方針」に「歳出構造を平時に戻していく」と明記した。現状と真逆ともいえる方針を示しているのだ。
毎年1兆円ずつ増加するとされる社会保障関連予算や、国債の元利払いなど構造的な歳出増に加えて、異次元の少子化対策、物価高への対応、行政のデジタル化をはじめ幅広い分野で、予算が増加している。さらに、5年間で2倍近くに増やす方針の防衛費の増加がある。
コロナ禍で、さまざまな救済策が打たれて以降、財政のタガが外れてしまった。20年度以降、新規国債の発行は年50兆-100兆円に膨張した。その残高も1000兆円を超えた。歳出増の圧力は増える一方で、それを抑えることは政治的に困難だ。そうなると、増税で国民に負担させるしかなくなる。
茂木氏が財務相になれば、間違いなく国民からの批判に晒される。ポスト岸田としての支持も失ってしまうリスクが高い。岸田首相が茂木氏を内閣の運命と一蓮托生の存在に抑え込みたいならば、財務相起用は妙手だったかもしれないが、それはなかった。
麻生副総裁から岸田首相への進言があったという。岸田内閣は、第2-4派閥の領袖である麻生氏、茂木氏、首相の「三頭政治」によって、政権運営の方向性を決めてきた。政権基盤の安定には、その枠組みを維持したほうがいいという進言だ。
加えて、麻生副総裁が、財務省への強力な影響力を失いたくなかった。鈴木俊一財務相は、副総理の義弟だ。副総理は財務相在任3205日で戦後最長を誇る。鈴木財務相はお飾りで、麻生副総理が実質的な財務相にみえる。茂木氏に譲りたくなかったのではないだろうか。
要するに、岸田首相は政権基盤の安定を優先させて、茂木幹事長を留任させた。だが、自民党の人事の鉄則「政敵は閣内に、味方は党に」に反している。今後も、茂木幹事長が首相の見せ場を奪うスタンドプレイを続けるようだと、政権基盤が不安定化しかねない。
旧統一教会と関係のあった議員を積極的に起用した意図
岸田内閣を支えてきた「三頭政治」は継続となった。党内最大派閥である「安倍派」はどうか。安倍元首相暗殺事件後、安倍派の会長ポストは不在となっている。結局、萩生田政務調査会長、世耕参議院幹事長、松野官房長官、西村経済産業大臣、高木毅国会対策委員長の「5人衆」を中心とする15人の合議制では派閥を運営する体制となった。100人を超える大派閥をまとめるには、誰もが「帯に短したすきに長し」で力量不足ということだ。
「政敵は閣内に、味方は党に」の鉄則からいえば、閣内と党に5人組をバランスよく配置した。安倍派の5人衆は、統率力は疑問だが、実務能力は高く評価されてきた政治家だ。敵同士がそれぞれ実務で業績を挙げることを競い合う形で、結果として岸田首相に求心力が向く。逆にいえば、安倍派内では遠心力が働き、まとまりを欠いていく仕掛けだ。安倍派は今後、分裂の可能性も含めて、少しずつ衰退していくだろう。
安倍派の5人衆の中で、特に注目されるのが、萩生田政調会長の留任だ。安倍元首相の側近として、政策実現のために汚れ役も厭わない腕力の強さで叩き上げた政治家だ。
今回の人事では、官房長官就任が検討されたようだ。だが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い関係が厳しく批判されてきた。官房長官は連日記者会見がある。メディアから教団の問題を必ず追及されると懸念された。結局、政調会長への留任となった。
しかし、政調会長の留任も...
2023年9月21日
公益財団法人 自然エネルギー財団
気候変動対策に積極的に取り組む企業、自治体、NGOなど約800団体が参加する気候変動イニシアティブ(JCI)のビッグイベント「気候変動アクション日本サミット2023(JCAS2023)」(10月6日開催)の参加募集が始まりました!
世界の脱炭素投資をリードするPRIの議長、米国で自然エネ電力調達を進める大手企業420社の連合体CEBAの代表などをゲストにお招きするとともに、国内の先駆的企業、自治体、大学から最前線の取組みを報告し議論します。 (日英同時通訳あり)
また本年のJCASでは、4年ぶりに登壇者や来場者が直接交流できるレセプションも開催します。
気候変動に取り組む日本最大の非政府アクターの連合体、JCIが開催する、年に一度限り、必見のシンポジウムです。会場参加、またはオンラインでぜひご参加ください!
▶プログラム・参加登録はこちら(JCIサイト)
[日時]
2023年10月6日(金)14:00-18:00
[参加形式]
会場来場(六本木アカデミーヒルズ) または オンライン視聴
[参加費・参加登録]
無料・要事前Web登録
[主催]
気候変動イニ
...more シアティブ(JCI)
プログラムの見どころ
■ PRI議長 マーティン・スカンケ氏、Clean Energy Buyers Association(CEBA)マーク・ポーター氏による基調講演
世界の機関投資家のESG投資を組み込んだ投資判断を推進するPRI(責任投資原則)から、マーティン・スカンケ議長が登壇。これからの気候変動対策における機関投資家の役割、あり方をお話しします。また、自然エネルギーの需要企業が420以上集まる連合体CEBAからマーク・ポーター バイスプレジデントが登壇。気候危機の深刻化と、その解決策である自然エネルギー、特にPPAの可能性についてお話しします。
■ トップリーダーズセッション
本年は、各セクターの取り組みをリードし、政策関与にも積極的に取り組むJCIメンバーのトップが参加する「リーダーズサークル」を新たに立ち上げるキックオフの場として、過去最多6人のトップリーダーたちが登場します。モデレーターにジャーナリストの国谷裕子氏をお迎えします。パネリストには、空間情報を活用し防災・減災とともに環境・エネルギーに取り組む国際航業の呉文繍氏、印刷業を通じて社会的課題解決に実践的に取り組む大川印刷の大川哲郎氏、ESG投資を通じて気候変動を含む環境・社会課題に広く取り組むニッセイアセットマネジメントの大関洋氏、脱炭素先行地域のひとつとして2030年電力消費にともなうCO2排出量正味ゼロに取り組む京都市の門川大作氏、日本初の自然エネルギー100%大学を目指して先駆的に取り組む千葉商科大学の原科幸彦氏、地域に根差した持続可能なエネルギー利用の取り組みを進める、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議の鈴木悌介氏をお招きします。
■ パネルディスカッション 「気候変動アクション最前線2023」
<セッション1 脱炭素の加速>
2040年ネットゼロ目標を掲げSBTiからネットゼロ認定を取得した富士通、取り組み実践により目標前倒しで削減を進めているリコー、国連キャンペーンRace To Zeroに参加し大学のカーボンニュートラルの取り組みを加速する鳥取環境大学、気候変動のほかフォレスト・水セキュリティでも3年連続CDPAリスト入りを果たしている花王をお招きし、どのように1.5度目標の達成に向けて取組み進めているのかをお話いただきます。
<セッション2 脱炭素の共創・協働>
電動車、充電インフラや燃料の普及に向け企業や自治体などと連携する三菱自動車工業、若者が実現したい未来を企業や自治体と共に創るプロジェクトを進めるSWiTCH、機関投資家として投資先と共に脱炭素に取り組む第一生命ホールディングス、そして体制を強化し、企業・研究機関・金融機関と地域の脱炭素に取り組む浜松市にご登壇いただきます。
■ 国連COP28気候変動ハイレベルチャンピオン、ラザン・アル・ムバラク氏から日本へのメッセージ
JCAS冒頭には、世界の非政府アクターが参加するRace To Zeroの取り組みをリードするハイレベルチャンピオンのラザン・アル・ムバラク氏が登場します。ムバラク氏は、長きにわたり世界各地で先進的な環境保護と種の保存の活動をリードされ、2021年から国際自然保護連合(IUCN)の会長を務めています。COP28に向けて、日本に寄せられるメッセージにご注目ください。
■ 4年ぶり!登壇者や来場者と交流できるレセプション開催
2020年以降開催できていなかった交流レセプションが、今年は復活します。登壇者をはじめ、会場でJCASに参加される方はどなたでもご出席いただけます。セクターを超えた様々な方がつながれる場として、ぜひ交流レセプションを含めてJCASを丸ごとお楽しみください。
前回開催情報
気候変動アクション日本サミット2022(2022年10月14日) ※テキストレポートおよび動画
気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative:JCI)とは
パリ協定の実現に向け、気候変動対策に自ら積極的に取り組む企業や自治体、NPO/NGO など非政府アクターのネットワークです。 脱炭素社会の実現に向け、日本が世界の中でもっと大きな役割を担うべきことを国に求めています。2018年7月に105団体の参加で誕生したJCIには、788団体が参加しています(2023年9月21日現在)。設立宣言に賛同し、脱炭素社会の実現に向けた真剣な取り組みを進める全ての企業、自治体、NPO/NGO、大学・研究機関などに、参加を呼びかけています。
https://japanclimate.org/
事務局: CDP Worldwide-Japan、自然エネルギー財団、WWFジャパン...
世界最大級のゲームの展示会「東京ゲームショウ2023」が21日、幕張メッセ(千葉市)で開幕した。全館を利用しての開催は4年ぶり。ゲームの周辺機器などを展示する「ゲーミングハードウェアコーナー」や専用家具などを紹介する「ゲーミングライフスタイルコーナー」を新たに設置した。会期は24日まで。22日まで