中国科学院大学(CASU)で行われた研究によって、地球史上でも最も寒く厳しい「最終氷期極大期」のさなかのチベット高原で、人類が暮らしていたという驚くべき事実が明らかになりました。
従来、この時期のチベット高原は、酸素の薄さと極度の寒冷・乾燥のため「居住不可能」と考えられていました。
ところが、約2万5000年前の骨や石器、さらには古代人が壁画などを描くときに使うことが知られている赤い岩石(オーカー)が南チベットの川谷に残されていることが確認されました。
いったい、古代の人々はなぜ「人が住めない」とされた過酷な環境を乗り越えることができたのでしょうか?
研究内容の詳細は『Quaternary Science Advances』にて発表されました。
目次
人類史の空白を生んだ最終氷期極大期最終氷期極大期を生き抜いたチベットの民はどこに行ったのか?
人類史の空白を生んだ最終氷期極大期
人類史の空白を生んだ最終氷期極大期 / 研究の舞台となったチベット/Credit:Wenli Li et al . Quaternary Science Advances (2025)
地球史上でも特に過酷な気候であった最終氷期極大期(約2万6500年前〜1万9000年前)です。
この時期は、極地や高山地帯を中心に巨大な氷床が拡大し、地球全体の平均気温が現在より4〜5℃も低く推移しました。
そのため、
...more多くの地域で動植物の生息域が大きく制限され、人類の活動痕跡が途絶えている例が少なくありません。
たとえば、北半球の高緯度・高地帯では、最終氷期極大期期に入ると遺跡そのものがほとんど確認されず、後の時代に再び出現するという「空白期間」が生じていると報告した研究もあります。
実際、中国においても寒冷化に伴う南方への移動が指摘され、青海や甘粛などの高標高地では最終氷期極大期期に当たる考古資料が見当たらない――というのが長らく通説でした。
なかでも標高が平均4500mを超えるチベット高原は、気温の低さに加えて酸素濃度も低く、現代人ですら長期滞在が困難とされる過酷な土地です。
こうした理由から「最終氷期極大期期にここで人類が暮らせるはずがない」という見方が支配的であり、これまでの発掘調査でも最終氷期極大期に相当するはっきりとした痕跡は確認されてきませんでした。
たとえ前後の時期には居住を示す証拠が見つかっても、最も寒さの厳しかった時期になると、姿をぱったりと消してしまう――いわば「活動痕跡の消失」という現象が高地帯で繰り返し観察されていたのです。
しかし近年、中国科学院大学(CASU)のウェンリ・リー氏らの研究チームが、南チベット高原の川の流域で、ちょうど最終氷期極大期期に当たると推定される骨や木炭、さらには古代人が使った石器や赤い岩石(オーカー)を複数見つけました。
オーカーとは、主に酸化鉄を含む天然の顔料であり、古代からその鮮やかな赤や黄色が人々の注目を集めてきました。
人類史の空白を生んだ最終氷期極大期 / 発見されたオーカーの粒子/Credit:Wenli Li et al . Quaternary Science Advances (2025)
先史時代の人類は、オーカーを単なる着色料としてだけでなく、儀式的な意味や象徴的な表現を担う素材として利用していました。
例えば、ヨーロッパの洞窟壁画や南アフリカの古代遺跡では、オーカーが動植物や狩猟の場面を描くために使われ、初期の芸術表現の一端を担っていたことが分かります。
また、オーカーは体を彩るための化粧や、部族間での地位やアイデンティティを示すための装飾品としても用いられ、社会的・宗教的な意味合いを持つ重要なアイテムでした。
さらに、実用面においては、石器の接着剤や保存剤、さらには食品の保存や処理に応用された可能性も示唆され、古代人の生活技術の一部として多面的な役割を果たしていました。
最近の研究によって、オーカーの化学組成や微細構造の分析が進むにつれて、古代の集団間での交易や文化交流の証拠が見出されるなど、その用途の広がりが明らかになりつつあります。
着色料であり、儀式の材料であり、装飾品であり、接着剤や保存料でもありと多岐にわたる用途があったオーカーは、石器と並び人類が存在した有力な証拠なのです。
しかし先にも述べたようにチベットは最終氷河期極大期には居住不可能なほど過酷な地域でした。
もし本当に、この“居住不可能”と思われていた時代と場所で人類が生存していたとすれば、従来の考えを根底から覆す発見となります。
そこで今回研究者たちは、新たに発掘された遺物(骨や木炭、石器など)を詳細に分析し、放射性炭素年代測定や気候復元など多角的な手法を用いて、この謎を解き明かすことにしました。
調査に当たってはまず、南チベット高原のPengbuwuqing(PBWQ)遺跡を徹底的に掘り下げ、骨・木炭・石器・赤い岩石(オーカー)など合計427点の遺物を回収しました。
これらの遺物は多くが土中に埋まっており、発掘時にはそれぞれの層の深さや位置関係を正確に記録していきました。
ここでのユニークな点は、ほかの高地考古調査に比べて細かい層位(地層の重なり)を丁寧に区分し、複数地点から試料を採取したことです。
こうすることで、出土品がどの年代に属し、どのような環境で使われていたかをより正確に推定できるようになりました。
次に、掘り出した木炭や骨に含まれる放射性炭素(^14C)を調べる「AMS(加速器質量分析)法」という年代測定技術を用いて、人類がいつごろここに住んでいたかを特定しました。
従来の放射性炭素年代測定より少量の試料で、かつ高精度に年代を割り出せるため、巨大な加速器を使った最先端の測定システムといえます。
その結果、約2万9200年前から2万3100年前にかけて、少なくとも3回にわたって人類が同じ場所で生活していたことが判明しました。
さらに、分析対象となった期間のうち2回は、地球上が最も寒冷化した最終氷期極大期に該当するという驚きの結果が得られたのです。
あわせて、石器の形状や作られ方(石を割り出す際の技術パターン)も入念に検証されました。
結果、寒冷地での狩猟や解体に適した「石刃(ブレイド)」技術が確認され、これが氷期の生存戦略に一役買っていた可能性が高いと示唆されました。
また、オーカーについてはラマン分光分析という方法を用い、ただの酸化鉄ではなく、古代人が意図的に運搬・加工していたことが裏付けられました。
これらの結果は「最も厳しい時期とされていた最終氷期極大期の高地で、人類が連続的に生存していた」ことを示しています。
従来、チベット高原ほどの高所は、この時代には“人の空白地帯”と考えられてきました。
しかし今回の発見は、地球規模の寒冷化をものともせず、川の流域というわずかな資源を頼りにした人々が存在していたことをはっきりと示しています。
この成果は、高度順応だけでなく、古代人類の環境適応力そのものを再評価する大きな契機となるでしょう。
最終氷期極大期を生き抜いたチベットの民はどこに行ったのか?
Credit:Wenli Li et al . Quaternary Science Advances (2025)
今回の研究から見えてきたのは、当時のチベット高原が「完全に居住不可能」だったわけではないという新たな視点です。
厳しい寒冷期にあっても、川の流域にはある程度の水資源や耐寒性の植物、そしてそれらを求めて集まる草食動物が生息可能な環境が残っていたと推測されます。
結果的に、人類にとってはそこが生存の拠点となり得たのです。
また、石刃(ブレイド)技術やオーカーの使用などから、寒冷地帯での狩猟や道具の維持管理、さらには装飾や意識的な表現行為といった高度な文化的側面がうかがえます。
つまり、氷期における人類の生活は「ただ寒さに耐えていた」だけでなく、環境に即した技術と文化を築いていたということです。
一方、最終的に彼らがこの地でどうなったのかについては、研究者たちは「H2寒冷事象」の到来によって急激な気候変化が起き、一度は居住が途絶えた可能性があると述べています。
H2寒冷事象(Heinrich Event 2)とは、最終氷期極大期に起きた一連の「ヘインリッヒ事象」のうちのひとつです。
ヘインリッヒ事象は、北半球の巨大氷床が崩壊した氷塊(icebergs)のように海へ流れ込んで、大量の氷塊が北大西洋に拡散した時期を指します。
氷塊が大量に海へ流れ出すと、塩分濃度や海流の流れが急激に変化し、結果として世界規模で気候に大きな影響がもたらされるのです。
...
北海道・知床半島沖や釧路沖では、毎年のようにシャチの姿が目撃されます。
観光船から見えるその黒白の体はおなじみに思えるかもしれませんが、実は長いあいだ「このシャチたちは、どんな集団に属しているのか」という基本的な情報は分かっていませんでした。
ところが今回、京都大学や北海道大学らの研究で、遺伝子を手がかりに調べた結果、北海道に来遊するシャチは2つの異なるタイプに分かれていることが明らかになりました。
研究の詳細は2025年12月17日付で科学雑誌『Marine Mammal Science』に掲載されています。
目次
シャチには「エコタイプ」がある遺伝子が示した「2つの系統」
シャチには「エコタイプ」がある
シャチは世界中の海に生息していますが、どこでも同じ暮らしをしているわけではありません。
利用するエサや行動様式、遺伝的な系統の違いを総合して、シャチは現在「エコタイプ」と呼ばれる複数のグループに分けられています。
とくに研究が進んでいる北太平洋東部では、主に3つのエコタイプが知られています。
・魚を中心に食べ、サケを主食とする「resident(レジデント)」
・アザラシやイルカなどの海棲哺乳類を捕食する「transient(トランジェント)」
・サメを食べる「offshore(オフショア)」
です。
一方、日本近海はシャチ研究の空白地帯でした。
北海道では毎年シャチが観
...more察されているにもかかわらず、彼らがどのエコタイプに属するのかは、はっきりしていなかったのです。
過去の観察や、ミトコンドリアDNAの一部を調べた研究から、哺乳類を食べるシャチがいる可能性は示されていましたが、魚食性の捕食行動は確認されておらず、部分的な遺伝解析ではエコタイプを判別できませんでした。
そこで研究チームは、より決定力のある方法として、ミトコンドリアDNAの全長配列を用いた解析に挑みました。
遺伝子が示した「2つの系統」
研究では、北海道周辺で得られたシャチ25個体の組織サンプルを用いました。
これには、海岸に座礁・漂着した個体の標本や、洋上で採取された生体サンプルが含まれています。
これらのサンプルからDNAを抽出し、ミトコンドリアDNA全体を次世代シーケンサーで解読しました。
得られた配列を北太平洋全域のシャチのデータと比較したところ、北海道のシャチはレジデントとトランジェントの2つのエコタイプに属することが分かりました。
北海道のシャチのエコタイプ/ Credit: 北海道大学(2026)
オフショアに該当する個体は、この研究のサンプルには含まれていませんでした。
さらに研究では、「ハプロタイプ」と呼ばれる、ミトコンドリアDNAの細かな配列の違いにも注目しています。
その結果、レジデントとトランジェントでは、ハプロタイプの多様性に大きな違いがあることも明らかになりました。
これは、同じ海域にいても、両者が異なる遺伝的背景を持つ集団であることを示しています。
北米の太平洋沿岸では、こうした違いを踏まえ、レジデントとトランジェントを別種として扱うべきだという議論も進んでいます。
北海道のシャチでも、今後生態的な違いが明確になれば、保全の単位を分けて考える必要が出てくるかもしれません。
全ての画像を見る参考文献北海道の海には2タイプのシャチがいる ―北海道の海に現れるシャチのエコタイプ解明―(PDF)https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/260122_pr2.pdf元論文Whole Mitochondrial Genome Analysis of Killer Whales Reveals the Presence of Resident and Transient Ecotypes Around Hokkaidohttps://doi.org/10.1111/mms.70107ライター千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。編集者ナゾロジー 編集部
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ルネサンス期を代表する芸術家で発明家、解剖学者でもあったレオナルド・ダビンチ。その天才の秘密に、遺伝子レベルで迫る研究が進められている。
だがひとつ問題がある。ダビンチが1519年に死去して500年あまりを経た今、本人のDNAを見つけることはほぼ不可能とされている。
ダビンチには子どもがいなかった。仏アンボワーズの聖フロランタン教会の墓は、1700年代末のフランス革命で破壊された。教会の跡地で見つかり再び埋...
アメリカのユタ大学(ユタ大学・University of Utah)で行われた研究によって、精子づくりの途中にある「品質検査システム」が、自分だけ子孫に多く残ろうとする“自己中な染色体”にハッキングされていることがわかってきました。
もともとこの検査システムは、DNAの詰め込みに失敗した精子などの「不良品」をはじく、安全装置のような仕組みだと考えられていますが、自己中な染色体はその仕組みを悪用し、自分が乗っていない精子だけを不合格にし、ほとんど自分だけが次の世代に受け継がれるようにしていました。
工場の検品係に賄賂を渡して、ライバルとなる製品を、次々と不良品として廃棄しているような状況です。
研究内容の詳細は2026年1月10日に『Nature Communications』にて発表されました。
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そもそも「精子の品質チェック」って何?精子工場の「検査官」遺伝子が、自己中染色体に乗っ取られていた
そもそも「精子の品質チェック」って何?
そもそも「精子の品質チェック」って何? / Credit:川勝康弘
私たちの体の中では、いろいろな場所で「品質チェック」が行われています。
傷んだ細胞は捨てられますし、コピーに失敗したDNAは修理されます。
オスの体の中で作られている精子も例外ではなく、「次の世代に渡してよいかどうか」をふるいにかけられているのではないか、と昔から考えられて
...moreきました。
精子は、一つの大きな細胞が何度も分裂して生まれた「もと」の細胞から、尾を伸ばし、核の中のDNAをぎゅうぎゅうに押し込めていく、という長い工程をたどります。
このどこかで失敗すると、見た目は精子でも中身はボロボロ、という危険な「不良品」ができてしまいます。
ショウジョウバエでは、精子形成のいちばん終わりにある精子が1本ずつに分かれる段階において、多くの精子が途中で脱落することが知られていました。
また脱落した精子を調べると、DNAの詰め込みに失敗した精子だけが選んで落とされているらしいという証拠も詰み上がってきました。
しかしいったいどんな仕組みが精子の検品を行っているかは長い間謎のままでした。
一方で、自然界には「ライバルを許さない」「競争を許さない」という過激で自己中心的な遺伝子が存在することが知られています。
私たちはふつう、「遺伝子は親から子へ、公平に半分ずつ伝わる」と習いますが、このタイプの遺伝子が存在すると、自分と同じ遺伝子を持っていない精子たちを競争が行われる前に(発射される前に)大量に殺してしまう現象が知られていました。
例えば、ある雑種ハエのオスはほとんど娘しかもうけないことが知られており、これはX染色体上の“利己的遺伝子”がライバルになるオスになる精子(Y染色体を持つ精子)だけを選んで死滅させるためだと考えられています。
(※XXでメス、XYでオスになりますが、XにとってはYがいないほうが自分の数を増やせます。そこでYを持つ精子を全て殺してしまうのです。)
またSegregation Distorter(SD:利己的な染色体の仕組み)と呼ばれる自己中心的な第2染色体は、特定の標的部位を持つ精子だけを狙って壊すことで、ほぼ自分と同じ遺伝子を持つ精子だけが製造されるようにしてしまいます。
しかし精子そのものにライバルを捕食したり破壊する能力は存在しません。
そのため研究者たちは「こうしたズルをする遺伝子たちは、オスの精子を検品する機能をハッキングしているのでは?」と考え確かめることにしました。
精子工場の「検査官」遺伝子が、自己中染色体に乗っ取られていた
精子工場の「検査官」遺伝子が、自己中染色体に乗っ取られていた / Credit:Canva
精子の検品システムがズルい遺伝子にハッキングされているのか?
謎を解明するため研究者たちはOvd という遺伝子に注目しました。
これまでの研究でOvd は「遺伝子のズル」に必要であると報告されていたものの、実際に何をしているかわかりませんでした。
そこでまず研究者たちはOvdが壊されたときに何が起こるかを調べてみました。
すると、さきほどの「ほとんどメスしか生まれない」偏った現象が停止されることが確認されました。
このオスの体内ではX染色体がライバルであるY染色体を持つ精子が排除してしまうために子供はメスしかうまれませんが、Ovdが壊されると、ちゃんとオスも生まれるようになったのです。
また、利己的な染色体の仕組み(SD)を第2染色体に持つショウジョウバエでは、Ovdを欠いたオスは子孫の数自体も増加し、無傷のOvdを持つオスに比べて多くの子どもを残せるようになりました。
さらに顕微鏡で精子の発達過程を詳しく調べると、その違いは一目瞭然でした。
Ovd遺伝子があるSDシステムを持つオス(利己的遺伝子を持つ)の場合、発達中の精子のうち半数ほどの核が細長く凝縮できずに崩れてしまいます。
いわば途中で「不合格」とされ処分される精子が大量に出るのです。
一方、Ovdを欠損させたオスではほとんどの精子の核が細長く伸びて成熟していました。
本来なら不良品として破棄されていた精子が、Ovdを取り除くことで見事に救われ子孫増加につながったわけです。
ただこれらの精子の中にはDNAの詰め込みが不十分な「異常な核」も多く含まれたままでした。
Ovdが削除されたことで、本当に排除しなければならない異常な精子も増えていたわけです。
この結果はOvd遺伝子こそが、精子の品質を見極める検査官を担うとともに、ズルをする遺伝子たちは何らかの方法でOvdを利用し、自分のライバル精子たちをオスの体内にいる段階で排除している可能性を示しています。
この状態を例えるならば、まずオスの体が会社で、様々な種類の製品(精子)が様々な企画部で作られている状況だとします。
しかしズルい企画部(ズルい遺伝子)は検品を行う検査官に賄賂を贈り、他の企画部が作った製品(精子)を全て不良品として破棄させていたわけです。
会社(オス)にとっては、優秀な精子を他の企画部がいくら作っても、検査官が買収されているため、ズルい企画部(ズルい遺伝子)の製品しか出荷(射精)できない状態と言えます。
オスにとってはいい迷惑と言えるでしょう。
論文でも研究者たちは「Ovdを介した生殖系列のチェックポイントは本来、異常な配偶子(精子)を淘汰する機能を果たしているが、それが利己的な染色体によって競合する精子を排除するために利用されている」と述べています。
精子は競争の勝者が受精を勝ち取る仕組みを採用していますが、競争は前向きな進化だけでなくオス自身にとっては不利益にもなるズルすらも生み出していたようです。
もし将来、人間など他の生物種でも似たような品質検査のハッキングが起きているかを調べることができれば、ズルい進化の理解も進むでしょう。
全ての画像を見る元論文Selfish chromosomes exploit a germline checkpoint to eliminate competing gameteshttps://doi.org/10.1038/s41467-025-68254-7ライター川勝康弘: ナゾロジー副編集長。
大学で研究生活を送ること10年と少し。
小説家としての活動履歴あり。
専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。
日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。
夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。編集者ナゾロジー 編集部...