プレスリリース
2025年5月12日
報道関係者各位
Johnson & Johnson
代表取締役社長交代のお知らせ
Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平)は、2025 年6月2日付でクリス・リーガーが医療用医薬品事業における日本法人の代表取締役社長に就任することをお知らせします。現代表取締役社長の關口修平は同日付で退任し、米国のグローバル事業開発部門におけるVice President, Strategic Assessmentsに就任します。
クリストファー・リーガー Johnson & Johnson Innovative Medicine Japan 代表取締役社長
クリス・リーガーは、2003年にJohnson & Johnson(J&J)に入社して以来、これまで20年以上にわたり、米国、日本、中国、シンガポールおよびブルネイなど幅広い地域において、Innovative Medicine(IM:医療用医薬品...more)およびMedTech(医療機器)事業における要職を歴任してきました。2021年以降は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニー(ジョンソン・エンド・ジョンソン メドテック)のサージェリー事業本部長として大規模な組織と人材育成をけん引し、日本の医療制度や医療従事者への造詣を深めながら、競争が激しい市場において毎年シェアを拡大するなど、力強いリーダーシップを発揮してきました。
IM事業においては、製品ライフサイクル全般に関わる経験を持つグローバルリーダーとして、精神・神経疾患、感染症、免疫疾患領域、さらには、複数の疾患領域にまたがるプロジェクトにおいてもリーダーシップ発揮してきました。また、抗精神病薬の米国における上市をリードし、免疫疾患ポートフォリオにおける革新的なライフサイクルマネジメント戦略にも貢献しました。リーガーは、経営者としての手腕も発揮してきており、これまで、シンガポールおよびブルネイのマネージングディレクターをはじめ、異なる文化や市場における組織をリードし、事業を成功裏に導いてきています。
リーガーは、ペンシルバニア大学でバイオエンジニアリングの理学士号、オックスフォード大学で理学修士号、デューク大学で経営学修士号を取得しています。
就任にあたり、リーガーは次のように述べています。
「少子超高齢化が進む日本において、医療が果たす役割と価値は、これまで以上に重要かつ大きくなっています。日本での事業発足からまもなく半世紀を迎える当社の歴史において、2025年は、記録に残る多くの上市を実現し、次の成長に向けた軌跡を確固たるものにする節目の年となります。革新的な医薬品は日本の未来を変革する、という信念のもと、当社は医療の未来を切り拓き、日本の患者さんとそのご家族に貢献して参ります。」
なお、リーガーの代表取締役社長就任に当たり、当社は、J&Jグループならびに日本の商習慣および法的責務に基づく手続きを進めて参ります。
Johnson & Johnson について
J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、および眼疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。
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”アジアのユニコーン(Asian Unicorn)”と称される幻の動物の遺伝子解析に成功しました。
デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)はこのほど、世界で最も希少な哺乳類の1つ「サオラ」のゲノム解析に史上初めて成功したと発表。
この知見はすでに絶滅の危機にさらされているサオラを救うことにつながると期待されています。
研究の詳細は2025年5月5日付で科学雑誌『Cell』に掲載されました。
目次
幻の動物「サオラ」とは?サオラはまだ生きている?保護のための良い知らせも
幻の動物「サオラ」とは?
サオラ/ Credit: ja.wikipedia
サオラは1992年にベトナムとラオスの国境に位置するアナミテ山脈で発見され、1993年に学術的に新種として記載されたウシ科の哺乳類です。
外見はシカやアンテロープに似ており、オス・メスともにまっすぐな2本の長い角を持ちます。
顔には白い模様があり、その独特な姿から「アジアのユニコーン」とも称されています。
生息地はベトナム北部からラオス中部に広がる熱帯モンスーン林のごく限られた地域で、人里離れた標高300~1800メートルの森林に生息しています。
サオラの生態は謎に包まれており、野生での生きた個体の観察記録は極めてわずかです。
主に草食性で、単独もしくは少数の群れで行動していると推測されてい...moreます。
国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種に指定されており、生息数はすでに数百頭くらいしか残っていないのではないかと推定されています。
また2013年以降は野生下での公式な確認例がありません。
森林伐採や密猟、生息地の分断などが主な脅威となっており、保護活動が急務となっています。
サオラはまだ生きている?保護のための良い知らせも
コペンハーゲン大学の研究チームは今回、1990年代から保管されていた31体のサオラの標本のうち、状態の良い26体からDNAを抽出し、全ゲノム解析を行いました。
これにより研究者たちはサオラの意外な進化の歴史を解明し、この種の保全にとって明るい兆しとなる可能性のある事実を見つけました。
まず悪い知らせとしては、サオラの遺伝的多様性は最後の氷期以来ずっと減少し続けてきたことがわかりました。
実際、研究チームによると、過去1万年の間にサオラの個体数は常に5,000頭を超えたことはなかったと推定されています。
しかし良い知らせとして、サオラには北部と南部の2つの遺伝的に異なる個体群が存在することが判明しました。
どちらの個体群も長期的に遺伝的多様性が減少してきましたが、失われた遺伝子領域は異なっており、これは回復のカギとなる可能性があります。
2つの遺伝子集団が残っている可能性が判明/ Credit: Genís Garcia-Erill et al., Cell(2025)
「サオラが2つの集団に分かれ、それぞれかなりの遺伝的違いがあることには非常に驚きました。この分岐は5,000~2万年前に起こったと考えられます」と、デンマーク・コペンハーゲン大学の生物学者ゲニス・ガルシア・エリル氏は語ります。
「それぞれの個体群で失われた遺伝子のバリエーションは互いに補完関係にあります。つまり両者を交配すれば、互いに欠けている部分を補うことができるのです」
科学者たちはすでにサオラの飼育繁殖プログラムの構築に取り組んできましたが、遺伝的多様性が十分かどうかは不明でした。
今回の2集団の発見は繁殖の成功に対する期待を高め、研究内で行われたさまざまな保全シナリオのシミュレーションでは、この方法が最も有望であることが示されています。
「もし最低でも12頭のサオラ(理想的には両個体群からの個体)を集め、将来の繁殖個体群の基盤とできれば、長期的な種の存続の可能性は十分にあると我々のモデルは示しています」と、同チームのラスムス・ヘラー氏は述べています。
もちろんそのためには、まず生きた個体を十分に見つけ出さなければなりません。
しかし最後に生きたサオラを見た時点からすでに12年が経っており、これは容易なことではありません。
ただし、今回の新しいゲノム解析は捜索に役立つ可能性があります。
全ての画像を見る参考文献Saving the Asian Unicorn – If It Still Existshttps://science.ku.dk/english/press/news/2025/saving-the-asian-unicorn--if-it-still-exists/Ultra-Rare ‘Asian Unicorn’ Has Genome Sequenced, And It Could Mean Everythinghttps://www.sciencealert.com/ultra-rare-asian-unicorn-has-genome-sequenced-and-it-could-mean-everything元論文Genomes of critically endangered saola are shaped by population structure and purginghttps://doi.org/10.1016/j.cell.2025.03.040ライター千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。編集者ナゾロジー 編集部...