遠距離恋愛支援システムやローカル環境でのAR(拡張現実)、
自己位置推定ロボット、交差点における交通量調査の自動化など
「Japan Robot Week 2024」に情報工学科 中沢 実研究室が出展。
2024年9月18日(水)から20日(金)まで東京ビッグサイトで
金沢工業大学情報工学科 中沢 実研究室(専門:パターン認識、ロボット)では、2024年9月18日(水)から20日(金)まで東京ビッグサイト 東4~6ホールで開催される「Japan Robot Week 2024」(主催:一般社団法人 日本ロボット工業会/日刊工業新聞社)に出展します。
【予定されている出展内容】
・遠距離恋愛支援システム
・災害時でも稼働できるLocation-based AR基盤の構築
・自己位置推定ロボット”i2labot”
・交差点における交通量調査の自動化
・人流計測システム
Japan Robot Week 2024に出展する中沢実研究室のみなさん。
写真右から
市村 凌久さん※
奥瀬 皓也さん※
田和 広大さん※
坂下 水彩さん※
中沢 実教授
※学生はいずれも情報工学科4年
【各展示内容の概略】
■遠距離恋愛支援システム
人型の抱き枕で相手の心拍・体温・ハグ動作を再現するシステム
...moreです。相手の心拍は腕に装着したウエアラブル端末で、そして体温はサーマルカメラ(熱検知カメラ)で検出し、クラウドに送信します(心拍は過去10分間分の心拍数を抽出し、送信)。さらに人型抱き枕をハグした場合も、センサーで捉え、クラウド経由で受信側に送信します。
受信側は抱き枕に装着したスマートフォンのWebアプリで相手側の心拍を再現し、相手の体温も抱き枕に装着した電気ヒーターで再現します。ハグした情報は通信機能が搭載されたマイコン・ボード (EPS-WROOM-32)で相手の抱き枕に内蔵された腕機構を動かします。
2023年11月29日(水)から12月2日(土)に東京ビッグサイトで開催された「国際ロボット博」でも話題を集めたロボットです。
▶デモンストレーション動画(YouTube)
https://youtu.be/rwvQriaJZxc
■災害時でも稼働できるLocation-based AR基盤の構築
近年、現実世界の風景にバーチャルな情報を重ね合わせるAR(拡張現実)技術を活用したサービスが増え、観光や教育、ゲームなど、様々な分野で活用されています。このARの手法の一つに、スマートフォン等の位置情報に基づいてARオブジェクトを描画するLocation-based ARがありますが、Location-based ARを利用するためには、ARオブジェクトをダウンロードするためのインターネット接続と、クライアントの位置情報を把握するためのGPS接続が必要となります。
中沢研究室では、災害時や電波の届かない屋内といったインターネットやGPSが使用できない環境でも、場所に紐づくARオブジェクトが描画できる新たなLocation-based ARの基盤システムを提案しました。
具体的には、空間を一定範囲ごとに区切り、空間ひとつひとつにクライアント(スマートフォン)とARオブジェクトのやりとりを行う中間サーバーをシングルボードコンピューターであるRaspberry Pi4で構築。それぞれのサーバーには位置情報が保持されており、中間サーバーの通信範囲内に存在するクライアントから要求があった場合、対応するARオブジェクトを配信します。 すべてのARオブジェクトは中間サーバーが接続可能な親サーバーで管理されています。
研究室の空間にARオブジェクトとして発表ポスターを描画した例
▶デモンストレーション動画(YouTube)
https://youtube.com/shorts/6P2Jw_pAuyw
■自己位置推定ロボット”i2labot” (自己位置推定にUltra Wide Band=超広帯域無線通信規格を利用)
現状の自律移動ロボットでは障害物回避や環境地図作成、自己位置推定、経路計画などのナビゲーションにレーザー光を使った測域センサ(LiDARライダー)を利用しています。ところが外界の状況により測位精度が悪くなる点が課題になっています。これに対してUltra Wide Band(超広帯域無線通信規格)は従来の無線の数百KHzや、Wifiの20MHzと比べて、帯域幅は7,500MHzとかなり広く、またテレビやパソコン等の電子機器が出す電磁波に比べても非常に小さな出力で通信します。また障害物の影響を受けにくいといった特徴から高精度の測位・測距センサーとして注目されています。
自己位置推定ロボット”i2labot”は、ロボットに取り付けられた複数の”タグ”が発信する電波を室内などに取り付けられたアンカー(受信機)が受信することで、ロボットの姿勢(角度)や相対位置を特定しながら自律走行できます。
この手法は地図なしでの走行や即席での経路変更ができるほか、製品としての実装が容易であるため、掃除ロボットの自己位置推定の一手法として確立が期待されています。
”i2labot”は自律走行とコントローラによる操縦が可能です。デモストレーション動画では、衝突防止のため、自律走行中であっても担当者がコントローラによる操縦可能の状態で待機しています。
▶デモンストレーション動画(YouTube)
https://youtu.be/jxjFDfRI6lo
■交差点における交通量調査の自動化
交通量調査は高速道路では97%が自動化されているのに対して地方の一般道では自動化は約3%に留まっています。
交差点では複数のカメラを設置し、各カメラで得た車両軌跡の位置情報を俯瞰図に統合して車両計測の精度を向上させることができますが、実際問題として交差点を管轄する自治体によってはカメラの設置位置の高さが制限されるだけでなく、低位置から十分な画角を確保するため広角カメラが用いられ、俯瞰図への変換が困難な場合があります。
中沢研究室では、低い位置に設置された広角カメラによって生じるカメラの歪みを除去するとともに、複数の視点を利用して物体の軌跡を補完することで、車両同士が重なることで生じる精度の低下を低減することができる鳥瞰図(BEV)変換手法を提案しました。
国内の2つの交差点で収集した実交通量調査データを用いて、提案手法の有効性を評価したところ、単一視点による自動計数よりも3%精度が向上していることがわかりました。
■人流計測システム
▶デモンストレーション動画(YouTube)
https://youtu.be/LFDHwCgrb3U...
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自宅の照明調整や空調制御、テレビ・オーディオ機器の操作などを専用のデバイスやスマホで行う“スマートホーム化”が広がりつつある近年。こうしたIoT技術の需要は家庭のみならず、教育やビジネスといった領域でも高まっている。
なかでも教育機関では、施設の安全性の向上や運営コストの削減などを目的にIoT製品を導入する事例も増え、昨今の現場ではそれらの管理方法にも視線が向いている。
こうしたなか、台湾を拠点に空間管理ソリューションを展開するQbic Technologyは、スマートホーム向けのコントロールデバイス「Helinx 8」を発表した。
同製品は応答性に優れたタッチスクリーンディスプレイを備え、照明や空調など最大1,000のデータポイントを簡単に管理可能。KNX対応のスマートホーム製品とシームレスに統合することができ、住宅市場と教育市場の両方をターゲットにしている。
スマートホームコントロールデバイス「Helinx 8」
Helinx 8は照明や空調、セキュリティ、エンターテインメントシステムなどを簡単に管理できる8インチのコントロールデバイス。
Wi-Fi 6とBluetooth 5によるワイヤレス接続のほか、多用途の接続ポートも備え、有線環境と無線環境の両方で優れた柔軟性を発揮する。
LED照明や室温の調整、エネルギー節約も可能
Image Credits:Helinx 8Heli
...morenx 8は、あらゆる生活空間の雰囲気を高めるように設計されている。True Color LEDのアンビエント照明を調整することで、集中して仕事をするときや自宅でくつろぐ夜など、あらゆる場面に最適な雰囲気を作り出せる。また、帰宅前に室温を調整するといった操作も可能だ。
低エネルギーARMプロセッサーを搭載した“エコフレンドリーな”デバイスであることも、Helinx 8の魅力。高度なセンサーで明るさを調整すれば、エネルギーを節約してバッテリーの寿命を延ばせる。
受賞歴のあるテクノロジーで強固なセキュリティを実現
Helinx 8はAndroid 13を搭載しているだけでなく、受賞歴のあるQbicのFortify+テクノロジーで保護されており、強固なセキュリティで潜在的な脅威からユーザーを守る。
Image Credits:Helinx 8このFortify+テクノロジーは、データの保護、アクセス制御、ハードウェアデバイス(エンタープライズ レベル)の動作環境の保護を実現するソリューション。昨年、サイバーセキュリティをリードする企業・製品を表彰する「Fortress Cyber Security Awards」のデータ保護部門で受賞を果たした製品だ。
こうした技術により、ユーザーはスマートホームシステムを管理し、安心してセキュリティ設定を制御することができる。
エンジニアたちによって設立されたQbic Technology
2014年設立のQbic Technologyは、よりスマートで環境に優しいテクノロジーで現代の環境における接続性、生産性、コラボレーションを強化する空間管理ソリューションを提供している企業。モバイルノートPC、サーバー、制御からスマートシステムまで、幅広い産業に携わるエンジニアたちによって設立された。
Qbic Technologyでは機械、電子、ソフトウェア、工業デザインに至るまで、社内の研究開発によって製品をゼロから設計・開発している。台北証券取引所(6825.TW)に上場しているほか、ISOやIATFなどの国際規格を取得しており、最高レベルの品質を保証しているという。
参考・引用元:
Helinx 8
EIN Presswire
(文・Haruka Isobe)