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ミラノ・ファッションウィークが若手デザイナーに門戸を開き、新たな才能を迎え入れる姿勢を強めている。
スーザン・ファンがD&Gの支援を受けてミラノでデビューし、新カテゴリーへと事業を拡大。韓国市場での成長も注目される。
ケーウェイは60周年を機にブランドの方向性を刷新し、ラグジュアリー市場への進出を強化。ミラノ全体もより多様性を受け入れる動きへとシフトしている。
スーザン・ファンのミラノデビュー
ミラノ・ファッションウィーク(Milan Fashion Week)が変革期を迎えている。その顔ぶれは長年、プラダ(Prada)やグッチ(Gucci)、フェンディ(Fendi)といった伝統的なラグジュアリーブランドが占めていた。これらはどれも、確かな仕立てとイタリアンクラフトマンシップというミラノの定評を礎とするブランドだ。ところが、2月25日~3月3日に開催された2025秋冬シーズンでは、ミラノの門戸は新進気鋭のブランドにも開かれていた。
スーザン・ファン(Susan Fang)にとって、ミラノ・ファッションウィークでのファッションショーの開催は、単に新天地の開拓を意味するものではない。同時にそこには、ビジネス戦略としての役割も課されている。空気のように軽いシルエットと手の込んだファブリックマニピュレーションを特徴とするスーザン・ファンは、その拠点で...moreあるロンドンでショーを数シーズン開催したのち、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana:以下、D&G)のメンターシッププログラムの後ろ盾で、3月2日にミラノデビューを果たした。
SUSAN FANG FW25 "Air•Memory" Show
「国際的な大舞台に立てる素晴らしい機会だった」と、同ブランドのデザイナーであるスーザン・ファンは語る。「ロンドンがスーザン・ファンに大きな露出の機会を与えてくれたことは確かだが、ヨーロッパとアジアのラグジュアリー市場への進出は私の念願だった。クラフトマンシップと芸術的手腕に対する審美眼が根付くミラノは、次のステップにうってつけだった」。
ファンは2024年7月、金銭的支援やD&Gのアトリエ、ミラノ・ファッションウィークでショーを開催する機会を新興デザイナーに提供するD&Gのメンターシッププログラムに選出された。マティ・ボバンもかつてこのプログラムに選出されたデザイナーのひとりで、2022年にこのプラグラムの支援制度を活用して、自身と同名のブランド、マティ・ボバン(Matty Bovan)を一躍スケールアップさせている。[続きを読む]
The post ミラノ・ ファッションウィーク が新章へ クラフトマンシップの街が多様性を受け入れる時 appeared first on DIGIDAY[日本版].