アパレル業界に、史上最大の“変革”が訪れるかもしれない──。「世界2位の汚染産業」と言われるほど、環境への負荷の大きい業界は、深刻化する環境問題や世界的な意識の変化を受け、近年は素材や製法などの様々な要素が見直され、少しずつ改善されているのはご存じのことだろう。ただ、根本であり、もっとも大きい要因である「供給ファースト」の生産体制はそのまま。そこに過剰生産・大量廃棄が続いている現状だ。こうした業界の体制を根本から覆すデジタルプリンターが登場した。これは、イスラエル発グローバル企業「Kornit Digital(以下Kornit)」が提供する「Atlas Max」。高品質かつ小ロット、しかも水を使用しない非常にサステナブルなデジタルプリンターで、同社はAtlas Maxを駆使して2026年までに余剰製品を11億着減らすことで温室効果ガスを172億kg、水使用量にいたっては4兆3千億Lまで削減することを目標に掲げている。水を使用しないだけでも革新的といえるが、驚くべきはそのプリント性能にある。というのも、Atlas Maxはいわゆる画像の印刷だけでなく、刺繍風のプリントや凹凸の質感を出すような立体プリントも可能なのだ。一見すれば、刺繍のように思える繊細なディテール。それがたった数分の印刷で実現できてしまう。しかも、プリントはTシャツのようなシンプルな構造から、複
...more雑なドレープ付きのドレスまで幅広く対応するというのだから驚かされる。ロンドンやLAでは、すでにAtlas Maxによるデジタルプリントを使ったコレクション発表会「Kornit Digital Week」が行われるほど、注目度は高い。また、プリントを高速(1時間に130枚の印刷が可能)かつ高精度に行うことで、あらゆるデザイナーのクリエイティビティを最大限に活かしながら、無駄のない生産体制がとれるというメリットも大きい。つまり、Atlas Maxを活用することで、ブランドやデザイナーは消費者からの受注を待ってアイテムを生産するオンデマンドな体制に移行でき、余剰生産や在庫不足も解消されるというわけだ。 この投稿をInstagramで見る YANKY & NATAF(@yankynataf)がシェアした投稿 © yankynataf/Instagramまた、プリントの元データはオンラインで一括管理され、発注や発送の情報をトラッキングするシステムも備えられている。オンラインを駆使した先進的なデザインプロセスを活かすことで、将来はメタバースやNFTと並行した、XRの分野へも発展させていけるだろう。さて、前途有望なその「Atlas Max」が、先月初めて日本に導入された。写真プリントビジネスの「プラザクリエイト」社がKornitと協働し、明治神宮前に展開する新たな店舗「CREATIVE PLAZA HATTO」に実機を設置。「HATTO」はカフェと制作スペースを融合したフィジカル空間で、コーヒーを飲みながらアイデアを交換したり、ポップアップや展示会を開催する目的で開かれた拠点だ。フィジカルの交流を楽しみながら最先端のプリント技術を体験することで、アパレル業界の人々を巻き込んでサステナブル・ミッションへの解を探っていく狙いがあるそう。筆者も出席したローンチイベント「FASHION THE FUTURE」で、彼らが目指す未来へのビジョンが語られた。写真プリントとアパレル。交わりを感じにくい事業だが、そもそもなぜプラザクリエイトはアパレル業界への参入を決定したのか? この疑問に興味深い応えが返ってきた。プラザクリエイトの答えは、「真逆の業界だから」。写真プリントは、顧客による受注を受けてから印刷をするオンデマンド形態のビジネス。この視点から、過剰生産を続けるアパレル産業に受注型の生産方式を提案しようというわけだ。たしかに写真印刷のように受注してからプリント(生産)すれば、余剰在庫はなくなるし、品切れや発注待ちといった状態も起こらなくなる。理想像とも思える新たな生産構造だが、Kornitと共にAtlas Maxを普及させることがあできれば、実現の可能性は十分にあるはずだ。ファストファッションに顕著な大量販売型のシステムであっても、Atlas Maxのプリントスピードなら対応できるし、eコマースの市場規模が拡大している日本では、なおさら現実的と言える。将来的には、ブランドやアパレル企業を巻き込んだtoB型のビジネスを展開し、eコマースを「在庫ゼロ、廃棄ゼロ」の業界に導いていきたいという。いっぽうで、デジタルやXRも含めたKornitのテクノロジーはZ世代のニーズとマッチしているという点で、toCの面においても有望だ。「すべての人がオーダーメイドを」Kornitが捉えるZ世代の特性は、「self expression=自己表現、人と被りたくない」、「SNSが購入体験と結びついている」、そして「サステナビリティへの関心が高い」の3点。これらを踏まえ彼らが描く未来は、同社の言葉を借りるなら「同じアイテムを大量に作る必要はない。一人一人が個性的なオリジナルを着られるようになる」というもの。要は、すべての人が「オーダーメイドの服を着ている」景色だ。さすがに極論的に感じるかもしれないが、Z世代である筆者は十分に納得がいくし、Atlas Maxの性能を目の当たりにするとその将来性にも期待が持てる。業界を先導するKornitがアジア最初の拠点に日本を選んだ理由を、アジア支部取締役Ilan Eladは「日本人の意識の高さと、その現実性を見越して」だと強調した。市場規模だけみれば中国やインドに分があるが、国民のサステナビリティへの意識や、その実現に向けた行動力という点において、日本に期待を寄せているのだろう。氏の言葉通り、日本はアジアを先導して「汚染産業」というアパレル産業の汚名を返上できるのか?「CREATIVE PLAZA HATTO」から、革新の波が広がることを願いたい。Top image: ©...
2022年8月16日H&Iグローバルリサーチ株式会社*****「世界のバーチャルプロダクション市場(~2027年):提供別(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)、種類別(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)、エンドユーザー別(映画、テレビシリーズ、商業広告、オンラインビデオ)、地域別」市場調査レポートを取扱開始 *****H&Iグローバルリサーチ株式会社(本社:東京都中央区)は、この度、MarketsandMarketsが調査・発行した「世界のバーチャルプロダクション市場(~2027年):提供別(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)、種類別(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)、エンドユーザー別(映画、テレビシリーズ、商業広告、オンラインビデオ)、地域別」市場調査レポートの販売を2022年8月16日にMarketReport.jpサイトで開始しました。バーチャルプロダクションの世界市場規模、市場動向、市場予測、関連企業情報などが含まれています。***** 調査レポートの概要 *****"世界のバーチャルプロダクション市場規模は2022年に26億米ドルと推定、2027年には予測期間中に14.5%のCAGRで51億米ドルに達する見込み"この市場は、いくつかの要因、OTTの採用の急増、LEDウォール技術の導入の増加、パンデミックによる需要の
...more増加により、有望な成長の可能性を持っています。バーチャル・プロダクションとは、撮影現場でのリアルタイムのやり取りを中心に、映画の構想から最終的なVFXまで、デジタルの世界を作り上げるプロセスです。バーチャルプロダクションは、実写とCGを同時に混在させ、リアルタイムにフィードバックを可能にし、VFXやアニメーションについて現場で決定する機能を備えています。"ソフトウェア:バーチャルプロダクション市場で最も成長率の高い分野(提供別)"2021年のバーチャルプロダクション市場では、ソフトウェア分野が最も大きなシェアを占めています。テクノロジーの登場と、機械学習(ML)、人工知能(AI)、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、拡張現実(XR)、深層学習など、さまざまな他の次世代技術がバーチャル制作とともに融合したことが成長を後押ししている。仮想生産エコシステムのプレーヤーが採用する継続的な有機および無機成長戦略は、市場の成長を強化しています。例えば、2022年2月、Mo-Sys Engineering Ltd.は、同社の精密カメラ追跡システム「StarTracker」がAssimilateのLive FXソフトウェアに完全にサポートされていると発表しました。"ポストプロダクション:バーチャルプロダクション市場最大のエンドユーザーセグメント"2021年、世界のバーチャルプロダクション市場において、ポストプロダクション部門が最大のシェアを占めています。バーチャルプロダクションは初期段階にあり、完全にバーチャルプロダクションで制作されている映画は非常に少ないというのが現状です。ハイブリッドプロダクションモデルでは、いくつかのショットはバーチャルプロダクションで撮影され、一部は完全にVFXに依存しているため、ポストプロダクションが重要な役割を担っていると言えます。"北米:バーチャルプロダクション市場最大の地域"2021年のバーチャルプロダクション市場は、北米がリードしています。北米のバーチャルプロダクション市場の成長を促進する主な要因は、映画制作における視覚効果の需要の高まりと、パンデミックによる制限のためにスタジオベースの制作の採用が増加していることです。さらに、エコシステムのプレイヤーのほとんどは、他の地域のものと比較して、北米地域で大きな市場シェアを占めています。***** 調査レポートの目次(一部抜粋) *****MarketsandMarkets社の最新調査レポートによると、世界のバーチャルプロダクション市場規模は、2022年26億ドルから2027年51億ドルまで年平均14.5%拡大すると見込まれています。当書ではバーチャルプロダクションの世界市場を総合的に調査・分析し、イントロダクション、調査手法、エグゼクティブサマリー、プレミアムインサイト、市場概要、提供別(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)分析、種類別(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)分析、エンドユーザー別(映画、テレビシリーズ、商業広告、オンラインビデオ、その他)分析、地域別分析、競争状況、企業情報など、以下の項目を掲載しています。・イントロダクション・調査手法・エグゼクティブサマリー・プレミアムインサイト・市場概要・世界のバーチャルプロダクション市場規模:提供別(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)・世界のバーチャルプロダクション市場規模:種類別(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)・世界のバーチャルプロダクション市場規模:エンドユーザー別(映画、テレビシリーズ、商業広告、オンラインビデオ、その他)・世界のバーチャルプロダクション市場規模:地域別・北米のバーチャルプロダクション市場規模・ヨーロッパのバーチャルプロダクション市場規模・アジア太平洋のバーチャルプロダクション市場規模・その他地域のバーチャルプロダクション市場規模・競争状況・企業情報・ADOBE INC.の企業情報・NVIDIA CORPORATIONの企業情報・ソニーグループの企業情報・AUTODESK, INC.の企業情報・TECHNICOLORの企業情報...※「世界のバーチャルプロダクション市場(~2027年):提供別(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)、種類別(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)、エンドユーザー別(映画、テレビシリーズ、商業広告、オンラインビデオ)、地域別」調査レポートの詳細紹介ページ⇒https://www.marketreport.jp/Virtual-Production-Market-Offering-Hardware-SE8136-22※その他、MarketsandMarkets社調査・発行の市場調査資料リスト⇒https://www.marketreport.jp/marketsandmarkets⇒https://www.marketreport.jp/marketsandmarkets-reports-list(H&Iグローバルリサーチ(株)はMarketsandMarkets社の日本での販売代理店です。MarketsandMarkets社発行の全てのレポートを取り扱っています。)***** H&Iグローバルリサーチ(株)会社概要 *****・本社所在地:〒104-0033 東京都中央区新川1-6-12・TEL:03-6555-2340 FAX:03-6869-4083 E-mail:info@globalresearch.co.jp・事業内容:市場調査レポート販売、委託調査サービス、情報コンテンツ企画、経営コンサルティング・ウェブサイト:https://www.globalresearch.co.jp***** 本件に関するお問い合わせ先 *****・H&Iグローバルリサーチ(株)マーケティング担当・TEL:03-6555-2340、E-mail:info@globalresearch.co.jp配信元企業:H&Iグローバルリサーチ株式会社プレスリリース詳細へドリームニューストップへ...
映画『トップガン マーヴェリック』が10億ドル以上の興行収入を上げるなか、作中でトム・クルーズが着用しているサングラス「アビエイター」の人気が、英国にて沸騰している。米国空軍がレンズメーカーである「ボシュロム」社に高度の高い戦闘において、紫外線に耐え得るサングラスの開発を要求したことからレイバン(Ray-Ban)ブランドが生まれ、代表するモデルに至った。1986年に公開された『トップガン』でも同様の現象は起きており、その人気は他のモデルの売上にも貢献するほどの過熱ぶりであった。 この投稿をInstagramで見る Ray-Ban(@rayban)がシェアした投稿 また、Z世代を中心とするY2K(Year 2000)スタイルの流行とともに、サングラス自体の需要が高まっている。へそ出し、ショート、厚底などを代表とする2000年前後のファッションは若者たちにとって、驚きと新鮮さがあるに違いない。Y2Kの特徴であるサイバーパンクやスポーティーな「バレンシアガ」や「オークリー」といったブランドが人気を集めている。夏が過ぎても、サングラス需要が好調を維持し続けるのかに注目したい。Top image: © Gareth Cattermole/Getty Images for Paramount Pictures