不動産投資は株やFXなどの投資方法と違い、土地や建物などの「現物」が手に入る魅力的な投資方法です。不動産投資の市場には個人投資家も多く、普通のサラリーマンから専業の不動産オーナーとまでなった方もいます。
しかし「投資」である以上、ポイントを間違えてしまうと大きな損失を被る可能性があります。そこでこの記事では、これから不動産投資を始める初心者向けに、気を付けるべき7つのポイントと、不動産投資で失敗してしまう初心者のよくある特徴をご紹介します。
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目次
不動産投資の仕組み、メリット・デメリット
1-1.不動産投資のメリット
1-2.不動産投資のデメリット、注意点
不動産投資の初心者が気をつけるべき7つのポイント
2-1.投資用不動産を取得する順番を考える
2-2.購入した物件を持ち続けるか、いずれ売却するのか
2-3.信用できる不動産投資会社を選ぶ
2-4.不正融資の誘いには乗らない
2-5.家族の同意は早めにとっておく
2-6.物件の印象ではなく、「数字」で判断する
2-7.不動産投資で生まれた収益の一部は「貯蓄」か「再投資」に充てる
不動産投資で失敗してしまう初心者の特徴
3-1.不動産の知識がなく、不動産営業マンの言うままに物件を購入
3-2.現金資産がなく、損切りすることが出来ない
3-3.不動産を取得したことで満足し、物
...more件のメンテナンスをしない
3-4.減価償却費のデメリットを知らなかった
3-5.空室リスクの高いエリアで不動産投資を始めてしまった
不動産投資の始め方・物件を取得するまでの流れ
4-1.不動産投資に関する情報収集(書籍・サイト・セミナーなど)
4-2.エリアの選定(都心か地方か、将来の開発計画など)
4-3.物件選び(新築か中古か、マンションかアパートか、現地視察)
4-4.収支シミュレーションの検討(自己資金、利回り、キャッシュフロー)
4-5.不動産投資ローンの事前審査(融資額、融資期間、金利交渉)
4-6.売り手との交渉(物件申込み、物件価格、支払い条件、引渡し時期)
4-7.契約手続き(ローン特約、契約解除、違約金・賠償範囲、契約不適合責任など)
4-8.決済・引渡し・登記手続き(不動産登記変更)
不動産投資を始める際に必要な初期費用・手数料・頭金・税金
不動産投資を始めるタイミング
6-1.不動産市場全体の動向
6-2.投資家(自身)の属性や資産状況
不動産投資の初心者・始め方に関するよくあるQ&A
7-1.初期投資額はどのくらい必要ですか?
7-2.どのようなエリア・場所で物件を購入すべきですか?
7-3.これから不動産投資を始めるには、どの種類の物件が良いですか?
7-4.リスクはどのように対応するべきですか?
まとめ
1.不動産投資の仕組み、メリット・デメリット
不動産投資はマンションやアパートなどの物件を購入し、賃貸経営によって賃料収入を得る投資方法です。不動産は高額なため、主には購入する不動産を担保に設定する不動産投資ローンを利用し、不動産運営によって得た賃料収入で徐々に返済していく仕組みとなっています。
1-1.不動産投資のメリット
不動産投資ローンによるレバレッジ効果がある
ミドルリスク・ミドルリターンの投資手法
低金利のためイールドギャップ(利回りと金利の差)を取りやすい
不動産は現物資産なのでインフレリスクにも強い
他の投資方法にはない不動産投資のメリットには、自己資金の少ない個人でも大きな資金を運用しやすいという点が挙げられます。不動産投資ローンを活用することで、サラリーマンの方でも数千万円~1億円規模の資産運用が可能になります。
FXや株式の信用取引でも自己資金以上の資産運用を行うことは可能ですが、値動きが激しく、証拠金以下になったタイミングでロスカット(強制的に決済)されてしまうデメリットがあります。一方、不動産投資でも不動産価値がローンの借入額以下になることはありますが、月々のローンの返済が行われている限り、不動産を差し押さえられるということはありません。
また、2023年2月時点の日本の政策金利は非常に低い水準に設定されており、低金利であることから、イールドギャップ(収益不動産の利回りと市場金利の差)を生み出しやすい状況です。低金利の環境であることから、利回りが低い物件でもキャッシュフローをプラスに推移させやすくなり、物件を取得するハードルが低くなっていることもメリットと言えるでしょう。
低金利の状態が続くと市場に流通する現金の総量が増え、物価が上昇するインフレの傾向になります。不動産は現物資産であるためインフレにも強く、激しいインフレが起きた際でもローンの返済元本は変動しないため間接的に資産を守れるメリットもあります。
不動産投資は、資産運用を経て得た賃料収入によって徐々にローンの返済を行い、不動産を純資産に変えていくことができるため、長期投資に適した投資方法と言えます。
1-2.不動産投資のデメリット、注意点
不動産投資ローンのレバレッジ効果に注意
不動産投資には空室リスクがある
短期間で大きな収益を得るのは難しい
住宅ローンなどを組みづらくなるケースもある
不動産投資はローンを活用できるということがメリットでもある反面、運用額が大きくなることで損失リスクが大きくなりやすいというデメリットがあります。
例えば、空室が起きた際にもローンの返済を行わなければならないため、運用額が大きいほど空室時の損失も大きくなるという相関関係にあります。
また、不動産投資の家賃収入による年間利回りは、一部の地方物件や築古物件などを除き、物件価格に対しておおよそ3~7%程度が目安となります。中程度のリスクを取るのであれば、短期間で大きな収益を得られる投資方法ではないという点もデメリットと言えるでしょう。
その他、不動産投資ローンの審査では借りる人の年収や属性などによって、それぞれ与信枠(融資利用可能額)が定められています。多額の不動産投資ローンを組んでしまうと、住宅ローンなどその他の融資を利用しづらくなったり、2つ目以降の物件購入に難航してしまう可能性もあります。
このような不動産投資のデメリットにも注意しながら、どのようにリスクを回避していくか、また不動産投資を介してどのような目的を達成していきたいのか、慎重に検討していくことが大切なポイントになってきます。
2.不動産投資の初心者が気を付けるべき7つのポイント
これから不動産投資を始める初心者は、取得までに不動産投資の知識取得、物件情報の獲得、不動産業者の選定、金融機関への融資相談、といくつかのハードルを乗り越えることになります。
この時、不動産の取得に焦ってしまい失敗したということにならないよう、ここでは初心者がまず気を付けるべき不動産投資の7つのポイントを挙げています。
不動産を取得する順番を考える
購入した物件を持ち続けるか、いずれ売却するのか
信用できる不動産投資会社を選ぶ
不動産投資会社・金融機関からの不正融資の誘いには乗らない
家族の同意は早めにとっておく
物件の印象ではなく、「数字」で判断する
不動産投資で生まれた収益の一部は「貯蓄」か「再投資」に充てる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.投資用不動産を取得する順番を考える
大きな資金が必要な不動産投資では銀行など金融機関からの融資が不可欠です。そのため今後も不動産を増やしていきたいと考えている場合には、取得する不動産の種類や借り入れをする金融機関を選定していかなければなりません。
もしも1回目の不動産投資で大きな借り入れがあると、2~3つ目の不動産を取得しようとしたときに与信(ローンの借り入れ枠)が足りず、金融機関から追加融資を受けられなくなる可能性があります。1回目の不動産投資から今後のプランも視野に入れつつ、慎重に選定するようにしましょう。
2-2.購入した物件を持ち続けるか、いずれ売却するのか
購入物件を持ち続けて「相続する」のか、どこかのタイミングで「売却をする」のか、目的と出口をあらかじめ考えておくべきでしょう。もしも売却を考えている場合には、最低でも物件の「法定耐用年数」と「周辺地域の路線価の推移」は調べておくことが大切です。
法定耐用年数:資産がどのくらいの年数使用することができるか、減価償却費の算定基準として財務省令で定められた年数
路線価:道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額のこと。相続税や贈与税を評価する場合に適用する
これらは、それぞれ政府が定めた「建物」と「土地」の評価基準です。こ...