ロシアのSNS「テレグラム」の非公式のアカウントによれば、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者として知られるエフゲニー・プリゴジン氏の遺産や事業は、プリゴジン氏の遺志により、息子のパベル氏(25)に贈られた。
こうしたアカウントの一つである「Port」は、プリゴジン氏の遺言書のコピーを入手し、公開したと主張している。
プリゴジン氏は8月、搭乗していた民間機が墜落して死亡した。3月2日に公証人が...
ロシア大統領府は29日、プーチン大統領が民間軍事会社ワグネルの幹部だったトロシェフ元司令官と28日にモスクワの大統領府で会談したと発表した。プーチン氏はウクライナ侵攻に参加する義勇兵の組織化を指示。6月に反乱を起こしたワグネル創設者プリゴジン氏が8月に搭乗機墜落で死亡した後、残るワグネルのメンバー
以前ウクライナでロシア民間軍事会社ワグネルのために戦っていた戦闘員が、ウクライナ東部の戦場に戻っていることが分かった。ウクライナ軍が明らかにした。
ワグネルの傭兵(ようへい)は昨年5月、ウライナ東部バフムートから撤退。一帯の支配をロシア軍に明け渡した。
6月に起きたワグネルの反乱が失敗に終わった後、安全保障の専門家の間では、クレムリン(ロシア大統領府)がロシア軍へのワグネルのさらなる吸収を図る...
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ワグネル」です。戦争の形に変化。民間軍事会社の需要が増える世界。ワグネルとはロシアの民間軍事会社(プライベート・ミリタリー・カンパニー)です。創設者のプリゴジン氏はもともとレストランやケータリングの事業を行っていましたが、プーチン大統領と特別な関係を築くことに成功し、巨大な軍事組織グループを起こし急拡大しました。ワグネルはウクライナ侵攻の第一線で戦っていましたが、プーチン大統領に都合よく使われていることに対して反発。6月にモスクワに向けて進軍、途中で撤退しました。仲裁を担ったのはベラルーシのルカシェンコ大統領といわれています。ワグネルを配下に収めておくことで、有事に対処できる力を得ようとしました。しかし、8月にプリゴジン氏を乗せた飛行機が墜落し、死亡が確認されました。今年の3月の時点で、ロシアには民間軍事会社が37社あります。日本では作れませんが、世界にはこうした会社が増えています。ロシアはこれまで民間軍事会社を使って侵略行為や非人道的行為をしてきましたが、国家の正規軍ではないので、「国はやっていない」と言い逃れできたんですね。また、マリを筆頭に多くのアフリカ諸国がワグネルを雇っていました。気候変動や紛争により治安が悪くなり、正規の治安部隊だけでは対処できなくなったとき
...moreに民間軍事会社に頼るのです。それらの国は貧しいので、現金の代わりに鉱物資源の採掘権などを与え、ワグネルは巨大な資金源を得て、ますます力を持つようになっていきました。一方、今月にはイギリス政府はウクライナ侵攻での民間人の殺害などを理由に、ワグネルをテロ組織に指定する議案を議会に提出。所属したり支援することを禁じようとしています。現代の戦争は決して、国家と正規軍だけが行っているものではありません。兵器も民間のドローン技術や、スペースX社の「スターリンク」が通信を支えていたりします。戦争の形が、実戦とサイバー攻撃や認知戦のハイブリッドとなり、戦闘員が軍人なのか民間人なのか境界線がわからなくなってきています。世界の戦争の変化を私たちも知っておかないと、日本の安全保障を考えるのにピントのずれた議論をしてしまいかねません。ほり・じゅん ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年9月27日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子(by anan編集部)https://ananweb.jp/news/506401/