不動産投資家の中には、NISA投資を並行して行なっている方も少なくありません。NISAを通じて株や投資信託に投資することにより、自分の意向に沿った柔軟なポートフォリオの形成が可能です。
今回の記事では、不動産投資家の投資ポートフォリオの例を4つ紹介します。不動産と有価証券投資を組み合わせて投資を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
現行NISAの制度をおさらい
不動産投資とNISA投資を併用するメリット
2-1.税金負担を避けて効率よく投資ができる
2-2.柔軟にポートフォリオを組める
2-3.余剰資金を効率よく投資に回せる
不動産投資家のための4つのポートフォリオアイデア
3-1.株式投資で値上がり益を積極的に追求
3-2.為替差益を追求するなら海外資産多めに
3-3.リスク低減と金利収入の増加を追求
3-4.幅広い資産に投資してリスク分散を図る
NISAと不動産を組み合わせたポートフォリオの注意点
4-1.資産規模の捉え方を整理しておく
4-2.短期的な価格変動リスクは多くの場合で高まる
4-3.NISA対応銘柄に注意
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まとめ
1 現行NISAの制度をおさらい
2024年から始まったNISAの制度概要
※画像引用:金融庁「NISAを知る」
NISAは、金融庁が運営する、投資収益に対してかかる所得税20.315%が非課税となる制度です。
2024年に制度が拡充されて、いまは積立投資に活用されるつみたて投資枠とスポット投資・積立投資双方に使用できる成長投資枠を併用できます。二つの合計で、年間360万円、投資元本ベースで1,800万円までの投資が非課税でできる制度です。
非課税期間は恒久化され、保有し続けている限り非課税が適用されます。また、NISAで保有した証券を売却した場合には、翌年にその分の投資枠が復活します。所得税が免除されることにより、効率よく資産を増やしていけるのが、NISAの特徴です。
2 不動産投資とNISA投資を併用するメリット
不動産投資とNISA投資を併用するメリットは次の3点です。
税金負担を避けて効率よく投資ができる
柔軟にポートフォリオを組める
余剰資金を効率よく投資に回せる
それぞれのポイントについて、詳しく紹介します。
2-1 税金負担を避けて効率よく投資ができる
不動産投資では減価償却の経費計上などの他の投資には無い税制上のメリットがありますが、減価償却ができる期間は限定されているうえ、売却時に減価償却で計上した部分については取得費から差し引かれてしまいます。不動産所得や譲渡所得などの利益が出ていれば、所得税を支払わなければなりません。
不動産に関連する所得には原則として累進課税が適用されるため、高収入な方ほど税負担が重くなる傾向にあります。これに対してNISAは税金がかからないため、獲得した投資収益は100%獲得できます。それぞれの税制上のメリットを組み合わせることで、より効率的な資産形成が可能になります。
2-2 柔軟にポートフォリオを組める
NISAと不動産投資を組み合わせると、投資できる資産の範囲が大きく広がります。NISAでは投資信託や株式、REITなどに投資が可能です。
このうち投資信託は投資家から集めた資産をさまざまな資産に投資するファンドで、最終的な投資先は株、債券、REITやコモディティとさまざまです。そのため、投資信託の銘柄をうまく選ぶことで、不動産以外の幅広い資産への分散投資が可能となります。たとえば、値上がり益を積極的に追求したいなら株式へ投資するファンド、為替リスクをとって潤沢な金利収入と為替差益を狙うなら外国債券へ投資するファンドといったように、ファンド選びを通じて柔軟にポートフォリオを構築できます。
一方、不動産投資では実物資産への投資となり、金融資産にしか投資ができないNISAではカバーしづらい資産クラスへの投資が可能です。また、不動産投資は金融機関のローンを活用したレバレッジ効果や、賃貸契約に基づいた毎月の賃料収入など、NISAとは異なる分野に資産を分散することができます。
このような柔軟なポートフォリオを組めるという点もNISAと不動産投資を組み合わせるメリットと言えるでしょう。
2-3 余剰資金を効率よく投資に回せる
不動産だけで運用するよりも、余剰資金を効率よく投資できるのも特徴です。ある程度の収益性を追求する不動産投資では、しばしばまとまった金額の自己資金が必要です。たとえばアパート投資であれば、借入を積極的に活用するとしても数百万円〜1千万円前後の資金が必要となるケースが多いでしょう。そのため、投資資金が貯まるまでは投資を実行しづらいということになります。
NISAで投資できる有価証券は、証券会社によっては100円程度から購入可能な銘柄もあります。余剰資金ができたら、柔軟に投資に回せるのが特徴です。NISAを通じて余剰資金で株や投資信託などを購入することで、余剰資金を放置することなく、効率的な資産運用が実現します。NISA口座である程度資金が貯まったら、売却して不動産に再投資するのも一案です。
3 不動産投資家のための4つのポートフォリオアイデア
ここからは不動産とNISAをうまく取り入れたポートフォリオアイデアを4つ紹介します。NISAの活用法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
3-1 株式投資で値上がり益を積極的に追求
1つ目は株式投資を取り入れて、値上がり益を追求する方法です。個人の不動産投資では、多くの場合で賃料収入の獲得に主眼がおかれます。
株式を資産に組み入れると、NISAでは値上がり益を追求して、月々の現金収入は不動産で獲得を目指すと言ったように、資産をうまく役割分担できます。
株式を積極的に取り入れるポートフォリオの例
不動産:50%
日本株式:25%
海外株式:25%
ポートフォリオでは、半分を不動産に、残りを1/4ずつ日本株と海外株に割り当てています。株式投資は個別株に投資しても良いですが、それぞれの市場に投資する投資信託を保有すれば、手軽にポートフォリオを形成できるでしょう。
不動産と株式の組み合わせは、リスク分散の観点からも有効な選択肢の一つです。景気が拡大する局面では、株式の値上がり益を追求できます。景気悪化時には、株式は値下がりリスクが大きいものの、不動産による着実な賃料収入が資産全体の損失抑制に寄与するでしょう。
3-2 為替差益を追求するなら海外資産多めに
為替に着目したポートフォリオの構築も、一つのアイデアといえます。日本の不動産に投資していると、為替リスクは基本的にありません。
一見安全に思いがちですが、円資産に投資資金を集中させるのは、実はリスクを伴います。たとえば最近の例をあげると、2022年頃~2024年前半にかけては、円安の進行が日本国内の物価上昇をもたらしました。
このような状況下では、実は外貨建ての資産を所有しておくことで、為替変動によう物価高騰が進むタイミングで円安の恩恵を受けられます。
このように円安の影響から資産を守ること踏まえたポートフォリオは、次の通りです。
海外資産と組み合わせたポートフォリオの例
不動産:40%
海外債券:30%
海外株式:30%
海外資産は、為替ヘッジをかけなければ、円安が進行したときに資産が拡大します。円安による物価高騰のリスクが高まる局面で為替差益を獲得可能です。物価の変動まで含めた為替によるリスクから資産を守るうえでは、資金を海外資産に振り分けるのが有効な対策となります。
3-3 リスク低減と金利収入の増加を追求
不動産だけに投資するよりもリスクを軽減したいと考えるなら、資産の一部を債券に投資するのも一つの方法です。不動産は株式ほどではないにせよ、一定の価格変動リスクがあるため、ミドルリスクミドルリターンの投資の一つと考えられます。
投資家によっては「リスクが高い」と感じる方もいるでしょう。そのような投資家には、さらにリスクの低い債券に資産の一部を投資するのが選択肢の一つとなります。
債券投資と組み合わせたポートフォリオの例
不動産:50%
海外債券:25%
日本債券:25%
債券は企業や国、公共団体などが投資家から負債を調達するために発行する証券です。保有期間中は定期的に金利収入を獲得でき、満期には元本が償還さ...