三田紀房の投資マンガ『インベスターZ』を題材に、経済コラムニストで元日経新聞編集委員の高井宏章が経済の仕組みをイチから解説する連載コラム「インベスターZで学ぶ経済教室」。第172回は、ピンチの時に役
2025年3月18日
公益社団法人 ACジャパン
「第21回ACジャパン広告学生賞」入賞作品決定
ー「テレビCM部門」グランプリは作品名『不満のバトン』
「新聞広告部門」グランプリは作品名『矢印の詐欺師』に決定ー
公益社団法人ACジャパン(理事長 鳥井信宏)は、「第21回ACジャパン広告学生賞」の入賞作品を下記の通り決定しました。
表彰式は、3月25日(火)にスクランブルホール(東京都渋谷区)にて行う予定です。
「ACジャパン広告学生賞」は、学生を対象に公共広告をテーマにした広告作品を募集・表彰し、公共広告への理解と社会に関わる「公」の意識を育むことを目的とした賞で、 今回で21回目を迎えます。「テレビCM部門」(30秒テレビCM)と「新聞広告部門」(15段新聞広告)の両部門で作品の募集を行い、今年度「テレビCM部門」では参加校45校から330作品の応募があり、「新聞広告部門」では参加校35校から734作品の応募がありました。
審査は「公共広告として優れており、人々に興味や気づきを感じさせる作品か」「学生ならではの感性や、オリジナリティ溢れるアイデア・テーマ性があるか」等を視点に行われました。
「テレビCM部門」は、「カスタマーハラスメント」をテーマにした『不満のバトン』(長岡造形大学、制作代表者:小山
...more 詩乃さん)が「グランプリ」を受賞しました。「準グランプリ」は、「リサイクル」をテーマにした『小さなゴミ箱?』(東京音楽大学、制作代表者:外立 真士さん)が受賞しました。
「新聞広告部門」は、「特殊詐欺」をテーマにした『矢印の詐欺師』(東北芸術工科大学、制作代表者:須藤 丈翔さん)が「グランプリ」を受賞しました。「準グランプリ」は、「地球温暖化」をテーマとした『冷やし中華、つづけます』(岡山県立大学、制作代表者:平田 理華さん)が受賞しました。
「テレビCM部門」の2作品(30秒)はBS民放11局で、「新聞広告部門」の2作品(全15段)は全国紙5紙にて、各々「ACジャパン広告学生賞受賞作品」として、2025年7月からの1年間の間に放送・掲載される予定です。
その他両部門で、「審査員特別賞」「優秀賞」「奨励賞」の各賞が決定しています。
記
「第21回ACジャパン広告学生賞」
1.主催:公益社団法人 ACジャパン
2.後援:BS日テレ、BS朝日、BS - TBS、BSテレ東、BSフジ、WOWOW、BS10 テン、
BS11 イレブン、BS12トゥエルビ、BS松竹東急、BSよしもと
朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、日本経済新聞社、産経新聞社(順不同)
3.受賞作品:
■「テレビCM部門」(30秒テレビCM)
・「グランプリ」1点
『不満のバトン』 テーマ: 「カスタマーハラスメント」 学校名: 長岡造形大学
制作代表者: 小山 詩乃
《企画意図》
「客」と「店員」という肩書きが変わるだけで態度が一変するのはなぜか。かつてバイト中に無理な要求を受けた経験から、この疑問を抱いた。誰もが「客」と「店員」の両立場を経験するはずだが、思いやりを失う人がいる。本作では立場の変化をリレー形式で表現し、カスタマーハラスメントの現状に問いを投げかける。
《審査員講評》
・カスタマーハラスメントが連鎖しているようなことが実際あるのでは、とハッとさせられた。
・演劇的な演出、劇を見ているようで判りやすかった。自分もそうなっていないかと気づくきっかけになっている。
・若者らしいクリエイティブ。夫々の設定が面白い。よく考えられている。
・「準グランプリ」1点
『小さなゴミ箱?』 テーマ: 「リサイクル」 学校名: 東京音楽大学
制作代表者: 外立 真士
《企画意図》
タバコの吸殻を空き缶に入れて捨てているのを、街でよく見かける。私達はリサイクル工場へ取材に行き、そういった吸殻の入った缶が1ヶ月当たり約4700缶も搬入されることを知った。空き容器に混入する異物により作業員は日々危険に晒されている。この広告を通して吸殻の処理について今一度考えてほしい。
《審査員講評》
・吸殻の処理問題に関する気づきにつながる作品である。ACジャパンのメッセージ、「気づきを、動きへ。」にもふさわしい作品。
・これまでの学生賞ではドキュメンタリー作品は少なく、表現として価値が高く、真実の力が強い。課題を想起させ、気づきをもらえた。
・自分で興味をもったテーマを実際に自分でリサーチして、真摯に伝えている姿を評価したい。完成度が高く役立つ広告である。
・「審査員特別賞」4点
『きゅうくつ篇』 テーマ: 「子どもへの過干渉」
学校名: 日本大学芸術学部
制作代表者: 打田 知永
『個性の穴』 テーマ: 「同調圧力、劣等感」
学校名: 長岡造形大学
制作代表者: 奥村 百絵
『あなたの空き家はいつ片付けますか』
テーマ: 「空き家増加問題」
学校名: 名古屋国際工科専門職大学
制作代表者: 犬塚 遥哉
『その投票用紙、捨てて大丈夫?』
テーマ: 「選挙」
学校名: 近畿大学
制作代表者: 西田 奈那美
・優秀賞 21点
・奨励賞 26点
■「新聞広告部門」(15段モノクロ新聞広告)
・「グランプリ」1点
『矢印の詐欺師』 テーマ: 「特殊詐欺」
学校名: 東北芸術工科大学
制作代表者: 須藤 丈翔
《企画意図》
矢印を詐欺師に見立て、指示はまず左下と明記されているが、矢印は右下を示している。偽善者に偽り、高齢者や若者から情報や財産を奪う事件が多発している現代で、簡単に、誤った情報や甘い誘惑に惑わされず、その情報は正しく、安全な情報かを判断する癖を付けて欲しいという思いをコンセプトに作成した。
《審査員講評》
・疑似体験させることで、自分が騙される当事者になりかねない事をうまく指摘させている。体験型新聞広告としてアイデアが優れている。
・自分自身が広告を見たときに、まんまとひっかかってしまった。新聞ならではの原稿でありながらインタラクティブ性がある。
・思わず右下を見てしまった。新聞ならではのシンプルなコピーで目をひくビジュアル。高く評価したい。
・「準グランプリ」1点
『冷やし中華、つづけます』 テーマ: 「地球温暖化」
学校名: 岡山県立大学
制作代表者: 平田 理華
《企画意図》
地球温暖化によって四季のそれぞれの長さが変わっていることを知り、それによって季節の代名詞ともいえるようなものがなくなってしまうのではないかという危機感を伝えたいと思いこの作品を制作しました。
《審査員講評》
・温暖化については、よくあるテーマで重い表現が多い中、身近なもので表現し気づきになっている。広告としてこういうユーモアがある表現は良い。
・身近に潜む変化、身近に感じる怖さを気づかせてくれた。大きなテーマと身近な課題のギャップが評価できる。
・細かい写真の演出から制作の背景、バックボーンが見える。その労力を評価したい。
・審査員...
キユーピーの「キユーピー マヨネーズ」は、2025年に発売100周年を迎えた。同社では、100周年を記念したキャンペーンを開始し、特設サイトをオープン。2月28日より「時間の旅」篇と題したCMを開始し、公式YouTubeでも公開した。また3月1日には、日経新聞・読売新聞・朝日新聞に15段の新聞広告を出稿している。
The post 秋山晶氏とTUGBOATがタッグを組んで制作、キユーピー マヨネーズ100周年CM first appeared on AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議.
株式会社ティ―トックレコーズ(本社:東京都渋谷区/代表取締役:金野貴明)は、2025年3月12日(水)、ヴァイオリニスト鈴木舞とピアニスト福原彰美の新結成デュオ『レ・ゼール』による「レ・ゼール/翼」を全国リリースいたします。ヴァイオリニスト鈴木舞とピアニスト福原彰美が満を持して録音!フランクとルクーの傑作ヴァイオリンソナタ2曲を、新結成デュオ Les Ailes (レ・ゼール)の記念として、長年磨き上げた渾身の演奏で届ける!192KHz / 32bit 高解像度レコーディング。さらに特典として192KHz / 24bitハイレゾ音源2曲が楽しめるダウンロード用QRコード付き!レ・ゼール /「翼」鈴木舞 / ヴァイオリン福原彰美/ ピアノ発売日 2025年3月12日制作・発売元 : ティートックレコーズ販売元 : ディスクユニオン価格 : 3300 円税込品番 : TTOC-0084メンバー鈴木舞 / ヴァイオリン福原彰美/ ピアノプロデュース & トータルエンジニア / 金野貴明録音:2024年11月28日、29日T-TOC スタジオCésar Franck Sonata Pour Piano et Violon en La majeurセザール・フランク作曲 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調01第一楽章 Allegretto moderato02第二楽章 Allegro
...more 03第三楽章 Moderato - Recitativo - Fantasia04第四楽章 Allegretto poco mossoGuillaume Lekeu Sonata Pour Piano et Violon en Sol majeurギヨーム・ルクー作曲 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調05第一楽章 Très modéré - Vif et passionné06第二楽章 Très lent07第三楽章 Très animéCécile Chaminade セシル・シャミナード作曲08カプリッチョ 作品18Capriccio Op.1809スペイン風セレナーデ 作品150Sérénade espagnole Op.150【特典ハイレゾ音源】・セザール・フランク作曲ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調第二楽章・ギヨーム・ルクー作曲ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調第一楽章【アルバム紹介】若手実力派ヴァイオリニストの筆頭、鈴木舞。そして、国内外の名立たる巨匠たちとの共演で高く評価されるピアニスト、福原彰美。世界を股にかけて活躍する2人が、新たにデュオ「Les Ailes」(レ・ゼール)を結成!今回ついに、その名を冠した記念すべきファーストアルバムが、ティートックレコーズより誕生した!デュオ名でありアルバム名でもある「Les Ailes」は、音楽専門ラジオ OTTAVA のリスナーの想いによって名付けられ、フランス語では「翼」を意味する。そこには、音楽が翼となり、人々の心を自由に解き放ち、どこまでも羽ばたいていくようにそんな願いが込められている。そして、この翼を高く舞い上がらせるのが「風」、すなわち聴く人の存在。演奏者と観客が響き合い、音楽が生きる瞬間を共に創る。そんなライブ感を大切にした演奏が、このアルバムには息づいている。収録曲には、ヴァイオリン・ソナタの最高峰として知られるセザール・フランクとギヨーム・ルクーの二大ソナタを中心に、19世紀フランス音楽の洗練されたロマンと詩情を堪能できる名作を厳選。フランクのソナタでは、緻密に構築されたモチーフが変化し、壮大な人生の物語へと結実していく過程を、二人の卓越したアンサンブルが鮮やかに描き出す。一方、ルクーのソナタでは、わずか24年という短い生涯を駆け抜けた作曲家の情熱と葛藤が、甘美な旋律と深い叙情に昇華され、若き作曲家の瑞々しい感性が切なくも力強く響き渡る。さらに、セシル・シャミナード作曲の優美な「カプリッチョ」、そして、陽光降り注ぐ楽園を思わせる「スペイン風セレナード」が、アルバムに瑞々しい彩りを添えている。鈴木舞と福原彰美、国内外で活躍する注目の2人の間で長年にわたり育まれてきた信頼と共鳴が、これらの名作に新たな命を吹き込んだ!音楽が生み出す「翼」が、聴く人の心をどこまでも自由に解き放つ。そんな願いが込められた、極上の一枚だ。鈴木舞(ヴァイオリン)東京藝大附属高校、同大学卒業。スイス・ローザンヌ音楽院、オーストリア・モーツァルテウム音楽院、ドイツ・ミュンヘン音楽大学にて研鑽を積み、ディプロマ、ドイツ国家演奏家資格を取得。清水高師、ピエール・アモイヤル、インゴルフ・トゥルバン各師に師事。ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)第1位、オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位他、多くの国際コンクールで優勝、入賞を重ね、ソリストとして欧州、アジア、南米等でツアーを行う等、世界各地でリサイタルやオーケストラに招かれる。国内では、宮内庁主催皇居桃華楽堂での御前演奏会に出演、シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選出された他、サントリーホール、王子ホール等の主要なホールで公演を重ねている。これまでに、ヨルマ・パヌラ、イヴァン・レプシッチ、ニコラス・ミルトン、フィリップ・ベラン等の指揮で、スイス・ローザンヌ室内管、フィンランド・クオピオ響、ドイツ・ホーフ響、チェコ・モラヴィアフィル、読売日響、東響、日本フィル等と協奏曲を共演している。フランスや日本の作品によるアルバム「Mai favorite」が2021年「ルドン、ロートレック展」(三菱一号館美術館)のオーディオガイドに採用され、日経ミュージックセレクションCDでは東響とベートーヴェン、マスネを収録した。使用楽器は1683年製ニコロ・アマティ。福原彰美(ピアノ)卓越した技術と繊細な音楽性を兼ね備え、ソロ、室内楽、現代音楽の分野で幅広く活躍する。室内楽奏者として国内外の著名アーティストから信頼を集め、クリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ)、ナサニエル・ローゼン(チェロ)、ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)各氏と共演を重ねる。近年はブラームス研究にも注力し、音楽書『ブラームスを演奏する』(音楽之友社)の翻訳に携わるなど、19世紀ロマン派のピアノ演奏習慣や楽曲解釈に関する深い洞察を培う。2017年リリースの3rdソロアルバム『ブラームス:ピアノ小品集』は、レコード芸術誌で準特選盤、オーディオアクセサリー誌で特選盤に選出。これまでに東京交響楽団(指揮:秋山和慶)、パシフィックフィルハーモニー東京(指揮:山下康介)と共演、サンフランシスコ交響楽団室内楽シリーズ、メトロポリス・アンサンブル(NY)企画等に出演。ニューヨーク・タイムズ、サンフランシスコ・クロニクル、日経新聞などで好評を博す。15歳で単身渡米し、サンフランシスコ音楽院を経てジュリアード音楽院修士課程で研鑽を積んだ。2011年度CHANELピグマリオン・デイズ・アーティスト。多胡まきゑ、故・松岡三恵、マック・マックレイ、シャロン・マン、ヨヘイヴェド・カプリンスキー各氏に師事。お問い合わせ:ティ―トックレコーズTEL:03-5789-5354担当:齋藤URL:https://www.t-tocrecords.net/E-mail:info@t-tocrecords.net配信元企業:株式会社ティートックレコーズプレスリリース詳細へドリームニューストップへ...
石破首相と財務省がまんまと潰した、国民民主党の「103万円の壁」撤廃案。本稿では元全国紙社会部記者の新 恭氏が、財務省主導の「減税潰し」と、それに抗議する「財務省解体デモ」のポイントを解説する。いまYouTubeをはじめとするネットでは、「財務省解体」を訴える1000人規模のデモが“人気コンテンツ”化している。さらに30代の支持率で、「消費税ゼロ」を掲げるれいわ新選組が自民党を逆転した。これらは「現役世代の反乱」が本格化しつつあることを示している。(メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』より)※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「減税」を拒む財務省への不満はついに「解体デモ」へ
財務省主導の減税潰しに国民から怨嗟の声
2025年度予算案の修正協議は、財務省のプラン通りに運んだ。
石破政権が少数与党となって野党の協力なしには予算案が成立しないため、財務省は能登半島地震に備えた前年と同額の1兆円を予備費として計上していた。そのていどの枠内でおさめるのが、裏で自公政権をコントロールするにあたっての至上命題だった。
結果として、国民民主党が「178万円」を掲げて求めた「103万円の壁」案は自民税調に拒否され、それにかえて与党修正案(公明案)がひねり出された。この案だと、恒久的な減税額はだいたい1兆円を下回るとみられる。
昨年の衆議院選挙で国民民主党の政策
...more にスポットライトが当たって以来、「減税」を求める声が巷にあふれている。
「消費税ゼロ」を掲げるれいわ新選組の政党支持率が劇的に上昇しているし、参政党や日本保守党も消費税減税を訴えて関心を呼び込んでいる。立憲民主党にも、食料品の消費税ゼロを主張する江田憲司氏らのグループがあり、自民党でもまた積極財政派の議員から「減税」論が湧き上がっている。
「30代支持率」でれいわ新選組が自民を逆転
もちろん、れいわ新選組の「消費税ゼロ」は、財務省にハナから相手にされていない。だが、一途にこの政策を訴えているうちに、れいわの主張が少しずつ世間に浸透し、さらに今の時流にも乗って侮れない存在になってきた。
とくに目立つのは30代の支持率で、2月22、23日のフジ産経調査によると、昨年11月は2・5%に過ぎなかったが、1月に7・0%、2月には14・4%まで急伸、自民党の30代支持率11・2%を上まわった。
れいわは、24年の衆院選で公示前の3議席から9議席に伸び、8議席の共産党を抜いた。自公政権に批判的なリベラル層の受け皿となり、立憲や共産からも支持者を奪っているようだ。日経新聞の調査では、夏の参院選の投票先として、れいわを選んだ人は8%で、維新の7%をこえた。
長年、この国の政治は高齢者層が大きな影響力を持ってきたが、ここにきて「若い世代の反乱」といえる変化が生まれている。
彼らが求めているのは、自分たちの生活を現状より少しでも豊かにするための実質的な経済対策だ。「消費税ゼロ」が支持を集めるのも、それゆえだろう。
もう無視できない「財務省解体デモ」に人々が集まる理由
にもかかわらず、財務省は「われ関せず」で、まったく聞く耳を持たない。
財務省に対する不満の声が日に日に大きくなっているのも道理で、ついには「財務省解体デモ」なるものまで登場した。霞が関の財務省前に1000人もの参加者が集結する日さえあるといい、若者の姿も少なくない。なぜか人気ユーチューバーが現地でレポートするほどの盛り上がりだ。
この動きは、財務省の「財政健全化」というお題目に懐疑的な見方が世間に広がってきていることを示している。
この30年余り、政府は「財政健全化」の名のもとに緊縮路線を続けてきた。社会保障の財源にと消費税を徐々に引き上げ、輸出大企業が多額の還付を受ける一方で、国内需要は低迷し中小企業は次々と倒産した。
国民のフトコロは寂しくなって生活は苦しくなるばかり。「これじゃ本末転倒じゃないか」と怒る人々が増えているのも無理はない。
政府が「財政健全化」を志向すると、自然、税収に見合った歳出をめざすため、予算は緊縮型になる。
かつての経済成長期には、人口増加と成長に支えられて自然に資金が循環していたが、この30年間のデフレ下では、政府の支出抑制が国内の資金不足を引き起こし、経済の低迷を長引かせている。
「減税」「積極財政」ネット中心に支持拡大
こうした状況を変えるための「減税」「積極財政」を訴えてきたのはれいわ新選組だけではない。
オールドメディアではほとんど聞かれない財務省批判が、ユーチューブなどネット世界で、主として保守系の学者や評論家らから発信されてきた。その代表的な論客は三橋貴明氏(評論家)や藤井聡氏(京都大学大学院工学研究科教授)だ。
彼らが主張するのは、「日本政府は自国通貨を発行できるのだから、国債を増発しても問題ない」という考え方だ。政府の債務が膨らんでも、国債の多くは日本銀行が保有しており、政府が子会社に借金をしているようなもの。ゆえに日本は財政破綻しないというのがこの理論の核心である。家計と国家財政は異なる。ユーロを発行できないギリシャが債務危機に陥ったのとは次元が違うというわけだ。
また、経済評論家の故・森永卓郎氏による著書「ザイム真理教」も、反財務省の動きを後押しする要素の一つとなっている。
同書は、財務省の「財政健全化」政策が経済成長を阻害してきたと批判する。そして、財務省の主張が「宗教のように盲目的に信じられている」とし、それを「ザイム真理教」と揶揄することで、国民に疑問を投げかけている。
自民 旧安倍派も財務省の緊縮志向に厳しい視線
いわゆる岩盤保守層や自民党の「積極財政派」議員のなかにも、財務省に厳しい目を向ける人々が多い。
彼らに影響を与えているのは、なんといっても故・安倍晋三元首相だろう。
安倍氏は財務省との暗闘の末、二度にわたって消費増税を延期した。民主党・野田内閣時代に民主、自民、公明3党で合意した「社会保障と税の一体改革」により消費税率は2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げることになっていた。
当時の安倍首相はマイナス成長下であることを考慮し、10%への引き上げについて、14年の衆院選と16年の参院選の前に見送りを決めた。
そのさい、財務省がめぐらしていた様々な策謀について、安倍氏は「安倍晋三回顧録」(安倍晋三、橋本五郎、尾山宏著)で語っている。
「財務官僚は、私が増税見送りを表明する直前の(14年)11月、私が外遊から帰国する際の政府専用機に、麻生副総理兼財務相に同乗してもらって、私を説得しようとした」
「この時、財務官僚は、麻生さんによる説得という手段に加えて、谷垣禎一幹事長を担いで安倍政権批判を展開し、私を引きずり下ろそうと画策した」
歴代の首相は財務省(旧大蔵省)と良好な関係を築いて政権を運営してきたが、安倍内閣は異質だった。そう問われて、安倍氏は次のように述懐した。
「内閣支持率が落ちると、財務官僚は、自分たちが主導する新政権の準備を始めるわけです。『目先の政権維持しか興味がない政治家は愚かだ。やはり国の財政をあずかっている自分たちが、一番偉い』という考え方なのでしょうね。国が滅びても、財政規律が保たれてさえいれば、満足なんです」
「従来の経済政策ではもうダメ」が国民の共通認識
もっとも、安倍元首相が財務省と本気で喧嘩したわけではない。
今回、自公と維新が政策合意に達した「高校授業料無償化」は、もともと民主党政権で実現していた政策だ。
それを「バラマキ」だとして政権交代後、所得制限の付く現在の形にしたのは財務省の論理に従った当時の安倍首相だったはずである。
予算編成権は内閣にあるが、実質的にそれを主導するのは財務省だ。高い専門性を有する財務官僚の協力がなければ、政治家だけでどうすることもできない。いつものように「財政規律」の論理で政権にプレッシャーをかけ、財務省のペースに持ち込んだのが、今回の自公国予算修正協議といえる。
だが、このまま石破首相が「減税」にそっぽを向き続ければ、その影響は夏の参院選や東京都議選に波及するだろう。都市部を中心として、「減税」を掲げる政党が支持を伸ばすに違いないからだ。
国民は「従来の経済政策ではもうダメだ」と感じている。
成長戦略や財政健全化といったお題目を並べ立ててもどうにもならなかった。低所得層だけではなく、中間層ですら生活苦を感じているのが現状だ。「減税」を期待するシンプルな庶民感情が政治の風向きを変えつつあるように思える。
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