タイガー魔法瓶は、土鍋炊飯器「ご泡火(ほうび)炊き」シリーズの新製品を6月21日に発売する。米価格の高騰や備蓄米の放出による一連の「米騒動」を背景に、より美味しいご飯を求めるニーズが高まっている。
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JR北海道、JR東日本、JR西日本、JR九州は2025年6月9日、「お米」に関する生活応援の取り組みを発表しました。
米価格の高騰を受け、JR東日本グループが新幹線を活用した物流サービス「はこビ
米価格の高騰が続くなか、政府が放出した「激安備蓄米」に小売業界が殺到。5kgあたり2000円台前半という異例の安値に、説明会当日に“秒”で入札した企業たちがいました。老舗スーパーが二の足を踏む中、誰
2024年にスーパーから米が消え、5キロ3000円を超えるという価格高騰が起こりました。突発的な要因の裏で長年見過ごされてきた日本のコメ流通と農政の構造的な歪みが一気に噴き出したような様相です。メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、米価安定を支えてきた仕組みとその終焉、そして農協(JA)や農水省が米市場をどうコントロールしているのかをデータと証言をもとに検証しています。
日本の米価高騰の全貌/農協・農水省・流通の裏側を徹底解剖
1.米不足が日本を揺るがす
2024年、日本の食卓を揺るがす危機が訪れた。スーパーから米が消え、5キロの米が3,000円を超える高値になった。普段当たり前に食べていたお米が、突然手の届かない存在になったのだ。この異常事態の裏には、気候変動、需要の急増、そして農協や農水省の政策が複雑に絡み合っている。
2.2024年までの米価安定の仕組み
まず、2024年まで、なぜ米の価格は安定していたのか。日本のお米は、長年、比較的安価で手に入った。5キロで1,500~2,000円が一般的な水準だ。この安定を支えたのは、以下の3つの要因である。
(1)減反政策の歴史
1つ目は、減反政策。1970年代、米の過剰生産で価格が暴落したことを受け、政府は米の生産量を抑える政策を始めた。農家に補助金を払い、米以外の作
...more 物を作るよう促したのだ。
2018年、この政策は公式に廃止されたが、農協や農林水産省は、依然として生産量を調整している。
2023年時点で、米の作付面積は約136万ヘクタールと、ピーク時の半分以下になっていた。これにより、供給過剰を防ぎ、価格は安定していた。
(2)需要の減少トレンド
2つ目は、需要の減少。日本の人口は減少し、食生活も変化した。米の消費量は、1960年代の1人当たり年間118キロから、2023年には約50キロにまで落ち込んでいる。年間約10万トンの需要減が、供給調整と相まって、価格を安定させていた。
(3)農協の流通支配
3つ目は、農協、JAの役割だ。JAは、日本の米流通の約80%を握っている。農家から米を買い取り、卸売業者や小売業者に供給するJAは、在庫量や販売タイミングをコントロールすることが可能だ。これにより、価格の急激な変動を抑えてきた。
2023年6月、60キロの玄米価格は15,865円で、11年ぶりの高値だったが、急騰ではなく、緩やかな上昇にとどまり、消費者への影響は限定的だった。
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3.2024年:米が消えた背景と高騰の要因
しかし、2024年、状況は一変する。スーパーの棚から米が消え、価格は前年比1.5~2倍以上に跳ね上がった。この危機を引き起こした要因を、4つに分けて詳しく見ていこう。
(1)2023年の異常気象
まず、2023年の異常気象。夏の記録的な猛暑が、米の生育に深刻な影響を与えた。特に、米の穂が出る7~8月の高温は、米粒の内部破損や白濁を引き起こし、品質を低下させる。2023年の収穫量は約670万トンと、前年比で約5%減少した。(ニッポンドットコム)
この不作が、2024年の供給不足の直接的な原因となった。
(2)急激な需要の増加
次に、需要の急増だ。2024年、訪日外国人観光客が過去最高の3,500万人に達し、飲食店での米消費が急増。さらに、8月に発令された南海トラフ地震の暫定情報が、パニック買いを誘発。スーパーでは、米の買い占めが相次ぎ、これにより、既に逼迫していた在庫が、さらに枯渇した。(ガーディアン)
(3)農協の独占体制とホーディング
3つ目は、農協の流通支配だ。JAは、米の買い取りから販売までを一手に担い、市場の約80%をコントロールしている。
2024年の供給不足の中、JAや卸売業者が在庫を抱え込む「ホーディング」を行ったとされている。これにより、市場に出る米は少なく、高値で販売された。実際、2024年8月の小売価格は、5キロで3,000円前後に達した。(毎日)
(4)農協の価格引き上げ
最後に、JAの価格戦略です。2024年の新米について、JAは農家への買取価格を前年比20~40%引き上げた。
肥料や燃料費の高騰が理由とされたが、専門家は、需要増を見越した戦略的判断だったと指摘している。
たとえば、新潟県のコシヒカリは、60キロで2万円を超える価格に設定され、これが店頭価格の高騰に直結した。(ニュースオンジャパン)
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4.政府の備蓄米放出とその失敗
この危機に対し、政府は2025年2月、緊急措置として備蓄米21万トンを放出した。これは、国内消費の約3%に相当する量で、通常は自然災害や作付不良時に限られる異例の対応だ。しかし、価格は下がらず、2025年1月の卸売価格は前年比69%上昇、過去最高を記録した。(ジャパンタイムス)
なぜ、この措置は失敗したのだろうか?」
(1)農協による流通管理
鍵は、農協の流通管理にある。政府の備蓄米は、JAや卸売業者を通じて市場に供給される。JAがこの入札に参加し、落札した米の供給量やタイミングを調整した結果、市場に十分な米が流れず、価格抑制効果はほとんどなかった。
農水省のデータによると、2024年末の民間在庫は約180万トンと、過去10年で最低水準。これに対し、備蓄米の放出は焼け石に水といえよう。(米国農務省海外農業局)
(2)放出量の限界
さらに、21万トンという放出量は、年間消費量約700万トンのわずか3%。供給不足を解消するには不十分だった。専門家は、少なくとも50万トン以上の放出が必要だったと指摘している。
また、JAが在庫を抑えたことで、放出米が市場に十分に流通しなかったことも、価格高騰の継続を招いた要因である。
5.農協と農水省:価格操作の疑惑を追う
ここで、核心的な疑問。米価高騰は、単なる需給の乱れなのか、それとも計画的な価格操作だったのか?
直接的な証拠は少ないものの、農協、農水省、流通業者の動きから、以下の点が注目されている。
(1)農協の価格設定力
JAは、農家への買取価格を決定し、これが消費者価格に直結します。2024年の買取価格引き上げは、生産コストの上昇、(肥料費は前年比20%増、労働費は10%増)だけでなく、需要増を背景にした戦略的判断だった可能性が高い。
たとえば、JA全農の報告では、2024年のコシヒカリの買取価格は、60キロで1万8,000円から2万2,000円に上昇。これが、市場価格を押し上げる要因となった。(毎日)
(2)備蓄米のコントロール
政府の備蓄米は、JAを通じて市場に供給される。2025年の放出では、JAが落札した米を段階的に市場に出すことで、価格を維持したと見られる。
農水省は「流通の問題」と主張しているが、JAの在庫管理が価格下落を防いだと指摘する声もある。(米国農務省海外農業局)
(3)流通業者のホーディング
卸売業者や小売業者も、価格上昇を見越して在庫を抱え込んだ。2024年秋、卸売市場での入札価格は、60キロで2万5,000円を超えるケースも出てきた。これが供給不足をさらに悪化させ、価格高騰を助長した。(豪グレイン セントラル誌)
(4)農水省の姿勢と批判
農水省は、供給不足を否定し、問題は「流通の非効率」にあると主張している。しかし、長年の減反政策やJAとの密接な関係から、農家保護を優先する姿勢が批判されている。東アジアフォーラムの分析では、農水省の政策は、消費者負担を軽視し、農家の所得維持に偏っていると指摘されている。
(5)価格操作の可能性
直接的な証拠はないが、JAの価格設定、備蓄米の管理、農水省の消極的な対応は、計画的な価格引き上げと維持を可能にした構造を示唆している。東京財団の研究では、JAの独占体制が市場競争を阻害し、価格操作の余地を生んでいると指摘している。
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6.消費者への影響と社会的波紋
米価高騰は、消費者、特に低所得者層に深刻な影響を与えた。2024年8月、5キロの米が3,000円前後に達し、食費の負担が増大。総務省の家計調査では、2024年の食料品支出が前年比10%増、特に米関連の支出が20%増と報告されている。(毎日)
社会的にも、米不足は大きな議論を呼んだ。SNSでは、「米が買えない」「農協が価格を吊り上げている」といった声が飛び交い、農協への不信感が高まった。一方、農家側は、生産コストの上昇や不作の影響を訴え、価格引き上げは不可避だったと主張。...