「第三章」とは?

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連載小説「午前0時のラジオSAGA」49 - 07月12日(金)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(21)「ゲロゲロ……」「汚いなー」「いや、これは心象表現ですよ。ゲロであってゲロでないというか」「じゃ、心が汚れてるのね」「あんたに言われたくないっ!」「あはは」 怪現象で驚き過ぎたのが逆に功を奏したのか、昇太の肩の力が大分抜けているようだ。スタジオ前に集まったギャラリーは、皆、笑いながらふたりのトークを聴いている。 アンジェリカが机上のA4用紙を手繰り寄せた。「では続いてのメッセージです。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」47 - 07月10日(水)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(19)  真純は、このラジオ局にまつわる怪談めいた噂(うわさ)が、学生たちを中心に流行(はや)っていることを思い出した。 実は新聞社宛てにも、いくつかメールが送られてきていて、中には調査を依頼するような内容もあった。 ――いや、でも、まさか……ねえ。 自分自身は幽霊やUFOなど、いわゆるオカルト的なことは全く信じていない。フィクションのネタとしては面白いと思うが、それはあくまで物語の中、作り物の世界の範疇(はんちゅう)だ。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」45 - 07月08日(月)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(17)  人は、自分の見たいものしか見ない、あるいは見えていない、ということは確かにあるような気がする。 言い方を変えると、『自分にとって不都合な物』や『理解出来ないもの』は、『存在しなかったことにする』という心理だろうか。その方が余計なことを考えなくて済むし、精神衛生上、楽だからだ。 考えてみたら歴史だって、時の権力者や民衆にとって都合の良い筋書きに、作り変えられるというし。それも意外と、人間心理の延長線上にあることなのかもしれない。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」43 - 07月06日(土)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(15)  サブの陽一がOKサインを出しつつ、トーク・バックで喋る。『タイトルは、正確には「帰って来たヨッパライ」だよ。訂正して』 アンジェリカは軽く頷いた。「では、音楽の準備が出来たので、お送りしましょう。ところでタイトルは『おらは死んじまっただ』じゃなくて、正しくは『帰って来たヨッパライ』だそうですよ。あたしも今知りました! ではでは。曲の後、二分間のコマーシャルを挟んで、またお会いしましょうね。約束だよ!」 音楽が始まり、陽一が拍手をしながらスタジオに入って来た。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」41 - 07月04日(木)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(13) 「徘徊霊さんに言われなくたって、この番組のリスナーのおよそ八割は、生きてる人なんだからね!」「残りの二割は幽霊かいっ!?」 今度は我慢できずに突っ込んでしまったが、アンジェリカは腹を抱えて笑った。「それそれ! サケちゃんの、そのツッコミを待ってたんだよ! 迷ったらダメなんだから。深夜ラジオなんだし、言ったもん勝ちだよ!」 彼女は、初心者DJの心理は何でもお見通しのようだ。笑いながら机を叩くと同時に、スタジオの明かりが点灯した。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」48 - 07月11日(木)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(20)  真純自身も、シューズを必ず左足から履くことに決めている長距離ランナーを、取材したことがある。 その女性ランナーは「もうやるべきことは全部やってきたんで、あとはジンクスくらいしか頼るものがないんですよ」と笑っていた。初めて優勝したマラソン大会に出た時、たまたま左足からシューズを履いたことが何となく印象に残っていて、以来、いつもそうしているとのことだった。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」46 - 07月09日(火)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(18)  一方、駅前広場で番組を見学していた新聞記者・寳田(たからだ)真純(ますみ)は、口を半開きにしたまま、ベンチの上で固まっていた。 ――今の、なに? この数分の間に、目の前で次々と奇妙な出来事が起きた。 ――いきなりスタジオの電気が消えたと思ったら、猫の声がして、天井から青白く光る紙が落ちて来て、メッセージを読み終わって電気が点いたら、その紙が消えた。 ――なんなの? 真純は、真っ暗なスタジオの中を白い光球が飛び回るのも見た。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」44 - 07月07日(日)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(16) 先月のことを思い返そうとして、昇太は、はたと気づいた。「ていうかさっきの、問題ないんですか?」「なんで?」 陽一とアンジェリカが同時に聞いた。傾(かし)げた首の角度まで同じだ。 ――このふたり、気が合い過ぎる……「いや、なんでって……電気が消えたり、猫の声が急に入ったり、これって放送事故とかじゃないんですか?」「あー。大丈夫だよ。放送は途切れてないし、ラジオを聴いてる人の大半は、心霊現象なんか信じてないから」「そうそう。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」42 - 07月05日(金)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(14)  少女は「サケちゃんは理屈っぽくて細かいなあ」と言いつつ、手を叩いて喜んでいる。 性格や喋りのテンポ的に、アンジェリカはツッコミ役かと思っていたが、どうやらボケに回って突っ込んでもらうのが好きなタイプのようだ。「ていうか……」 手を叩く少女を見ていた昇太が、はっとした顔つきになり、次に「ええっ!?」と驚いて立ち上がった。「なになに? どうしたの」「メッセージが消えてる……!?」 さっきまでアンジェリカが両手で持っていたファックス用紙が、いつの間にか無くなっていた。
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連載小説「午前0時のラジオSAGA」40 - 07月03日(水)00:00 

第三章「真夜中に鳴く」(12)  ――え。じゃあ、もしや……。「サケちゃん。ひょっとして、さっきからスタジオでニャアニャア聞こえるのって、ニャンタが鳴いてるのかな!?」 アンジェリカも同じことを考えていた。「ひょっとしなくても、そういう話の流れですよね……」「なんかワクワクするね!」「そうですか!?」 引きつった顔の昇太に、少女は「うんうん」と頷いた。「だってあたしも猫好きだしさ! 知ってる? 猫好きに悪い人はいないんだからね。きっと幽霊もそうだよ」 アンジェリカは思い切りドヤ顔をして見せた。
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