記事のポイント
Googleが広告市場での違法独占を認定され、セルサイド広告技術の分割が議論されている。
Googleは判決に不服を唱え控訴する見込みだが、司法省は構造的救済を推進する構え。
業界は分割だけでなく、相互運用性やゼロクリック検索対策など行動是正も求めている。
Googleは1年以内に2度目の独占企業との判決を受けたが、業界は今、実際の結果が出るまでどれくらいの期間待たなければならないのか、実際に変化をもたらすにはどのような対策が必要なのか問われている。
レオニー・ブリンケマ判事は画期的な判決で、司法省が長年にわたってGoogleのアドテク事業に対して提訴してきた3つの市場のうち2つについて、独占禁止法違反の罪を認めた。
司法省は、支配的なWebブラウザであるChromeの強制売却を推進しており、そちらの動向も今後数カ月で大きく進展すると見られている。裁判所は具体的に、「Googleが広告主アドサーバー市場と広告取引所市場の両方を違法に独占しており、これら2つのサービスを違法に結びつけ、シャーマン法第1条と第2条に違反している」との判決を下したのだ。
しかし裁判所は、Googleが広告主アドネットワーク市場を独占しているとの主張を却下し、司法省がこの分野で明確な市場を定義することに失敗したと結論づけたことは、注目すべき事柄といえる。[▼会員登録をして続き...moreを読む▼]
The post 有罪判決を受けた Google は今後どうなるか? デジタル広告のエコシステムが根本的に変わる可能性 appeared first on DIGIDAY[日本版].
公正取引委員会は4月15日、IT大手の米グーグルに、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で排除措置命令を下した。自社の検索アプリをスマートフォンに初期搭載するよう端末メーカーに強要していた。公取委が巨大IT企業を対象に違反認定したのは初めて。
グーグルは、遅くとも20年7月以降、アンドロイド端末のスマホメーカーに対し、自社のアプリストア「グーグルプレイ」の搭載を認める条件として、検索アプリ「グーグルサーチ」や「グーグルクローム」の初期搭載や、目立つ位置に配置するよう求めていた。
端末メーカーとの取引では、「グーグルプレイ」の許諾に合わせて検索ブラウザ・アプリの初期搭載を求める許諾契約、グーグルの検索サービスの利用により得られた広告収益の一部を端末メーカーに分配する代わりに、自社の検索ブラウザ・アプリを初期搭載し、ほかの検索機能の利用推奨等を行わないといった条件を満たす収益分配契約を結んでいた。許諾契約は端末メーカー6社、収益分配契約は端末メーカー4社とキャリア1社に対して効力を発揮していた。これにより、ヤフーなど競合他社の検索ブラウザ・アプリを初期搭載しないよう求めていた。
公取委は、こうした行為が検索機能に関わる競合他社との取引を制限し、独占禁止法に違反するとして、違反行為の取り止めや従業員への周知を命じた。また、独立した第三者を通じ、今後5年間、履行状況を監視させる...moreこと、履行状況を公取委に報告することも命じた。
公取委は、23年10月にグーグルに対する審査開始を公表していた。調査では、海外の競争当局と情報交換を行いつつ進めた。グーグルは昨年4月、検索連動型広告の運用・取引に関する技術提供を制限する行為で、公取委が確約計画を認定した。
ほかにデジタル関連分野における監視は、宿泊予約サイトを運営するエクスペディア・ロッジング・パートナー・サービシーズ・サールに対する確約認定(22年)、同Booking.com B. V. に対する確約認定(同)、アプリケーション提供事業者の事業活動を制限している疑いでアップル・インクを審査(21年に審査終了)するなどしている。