沖縄県内のセルフ式ガソリンスタンド(GS)で、消費税抜きの価格表示が横行している問題で、県石油商業組合(県石商)は加盟する全てのGS運営事業者に対し、法令に基づき税込み価格表示を徹底するよう求める文書を送った。文書は29日付。県石商の担当者は「文書に強制力はないが、問題を放置しておくと業界不信につ
日本の消費者が、アプリストアを通じて海外の事業者が提供するゲームなどを購入した場合、事業者が受け取った消費税を納めていないケースが少なくない。政府は、アプリストアを運営するIT大手がこうした事業者に代わって消費税を納めるよう制度の改正を検討しているという(朝日新聞、NHK)。
この徴収制度について、政府・与党が50億円超の取引高があるプラットフォーム事業者を対象とすることを検討していることが分かった。納税義務はゲームなどを提供する事業者にあるが、日本国内に拠点を持たない海外ゲーム会社は捕捉が難しく、徴収のあり方が課題となっていた。これによって、国外のゲーム配信会社などがプラットフォームを通じて行うデジタルサービスの大部分を捕捉できる見込みだという。
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打ち出す政策すべてが国民の不興を買い、低支持率に沈む岸田政権。しかしながら野党サイドからは、政権交代を目指す積極的な動きが感じられないのが現状です。我が国の政治にはこの先も、有権者の声が反映されることはないのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野さんが、「岸田政権を葬る力」がどこから湧き上がってくるかを考察。有力候補として、元明石市長・泉房穂氏の名を挙げています。
自民党内からか、野党の側からか、既存の政界枠組の外からなのか。岸田政権を葬る力と設計図の出どころ
岸田政権の命脈はほとんど尽きようとしている。岸田文雄首相にとってせめてもの救いは、自民党内に積極的に「岸田下ろし」を仕掛けて取って代わろうとする派閥指導者が不在であり、党外を見ても今すぐにでも総選挙に持ち込んで政権交代を実現しようとする野党勢力が不在だということである。この政権がまだ続いているのは、岸田の強さの現れではなく、野党も含めた政界全体の無気力状態の裏返しに過ぎない。
あまりに低すぎる内閣支持率の要因
内閣支持率の下落が余りにも酷い。
■【NHK11/13】29%:前月比7ポ減で内閣発足以来最低、というより2012年12月の第2次安倍政権発足以降、21年8月の菅義偉内閣と並ぶ最低水準。不支持は52%で前月比8ポ増。 ■【読売11/19】24%:前月比10ポ減で内閣発足
...more以来最低。不支持は62%で前月比13ポ増。 ■【毎日11/20】21%:前月比4ポ減で、菅直人政権末期の11年8月以来の低さ。不支持は74%で、前月比6ポ増、麻生内閣時代の09年2月の73%に次ぐ高さ。 ■【朝日11/21】25%:前月比4ポ減で、2012年12月以来11年間で最低。不支持は65%で前月比5ポ増。 ■【日経11/26】30%:前月比3ポ減で、2012年12月以来最低。不支持は62%で、前月比3ポ増。
参院自民党のドンと言われた故・青木幹雄のいわゆる「青木の法則」、すなわち「内閣支持率+自民党支持率の合計が50%を切ると政権はどん詰まり」に照らせば、NHK66.7%ではまだまだ安泰だが、読売で52%、毎日で45%、朝日で52%と、既にギリギリの線に近づいている。
その大きな要因としては、経済政策の根本がどこにあるのか定まらず、最初に唱えた「新しい資本主義」はとっくに行方不明であるのに加えて、アベノミクスの「デフレ脱却」策をまだ続けるのか、円高を主因とする「物価高緩和」策に転じるのか、正反対の方向性を整理して説明することができないという痴呆状態に嵌まり込んでいることがある。
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「余りにも庶民的?な感覚のスガノミクス」の劣悪面の模倣
岸田としては、低迷する支持率を反転させる“決め手”として、物価高対応の所得税4万円減税と、低所得のため住民税を免除されている世帯への7万円給付とを9月末に打ち出し、10月20日召集の臨時国会を通じてこれを「成長の成果である税収増分を国民に還元する」と大いにアピールすることを狙ったのだろう。
これは、首相が唯一頼りにする知恵袋とされる木原誠二のアイデアだったに違いないが、その木原は妻の元夫の不審死についての「文春砲」報道で捜査当局が動き出すという事態の中、9月の人事改造で総理補佐官を外れて党幹事長代理・兼・政調会長特別補佐という前例のない奇妙なポストに退避せざるを得なくなった。
そのため、それでなくとも弱体と言われていた官邸の各省庁に対する根回しや振り付けの機能はますます不全状態に陥り、肝心の鈴木俊一財務相が11月8日の衆院財務金融委員会で、岸田が国民に還元すると説明した過去の税増収分は「既に政策的経費や国債の償還に充てられていて使用済み」と正直に言ってしまうという前代未聞の珍事が起きた。首相が減税すると見栄を切ったのに財務相が「そんな財源はどこにも存在しません」と言うのでは、国民は首相がその場限りの出まかせを言って騙そうとしていると受け止めて当然である。
そのため、NHK調査では、4万円減税と7万円給付について「評価する」が36%、「しない」が59%。毎日調査でも4万円減税を「評価する」22%に対し「しない」66%、7万円給付を「評価する」30%に対し「しない」60%という無惨な結果となった。
これは、既に本誌No.1231(11月6日号)でも指摘したように「小銭が転がり込むとちょっとお得で嬉しいでしょ」と言って媚びるような「卑しいとまでは言わないが、余りにも庶民的?な感覚のスガノミクス」の劣悪面の模倣であり、こんなことで国民を騙すことはできない。騙せるなら、菅義偉政権はもっと長続きし、岸田政権は生まれなかっただろう。
【関連】一億総「ハァ?」状態。経済オンチ岸田文雄は“支持率低下の原因”さえ理解していない
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小泉でも高市でもない、「消去法」で残る次期首相候補
各種調査で「首相に相応しい人は?」の問いに対する上位候補はほとんど決まっていて、今回の朝日調査で言えば、
小泉進次郎:16%
石破茂 :15%
河野太郎 :13%
高市早苗 :8%
岸田文雄 :7%
林芳正 :1%
茂木敏充 :1%
である。
小泉と河野は、若さとパフォーマンス上手のポピュリスト的人気で、以前からこの手の調査の上位常連だが、やや色褪せたかもしれない。高市は、安倍タカ派路線の継承者で、初の女性首相に最も近いかという期待も背負っていて、本人もその気で来秋総裁選を睨んで新たな勉強会など立ち上げているけれども、この朝日ランキングでむしろ新鮮なのは、その高市の人気がこれほどまでに不人気の岸田とほぼ同等だという現実である。そう見ると、勉強会の立ち上げはむしろ彼女の焦りの表現であると知れる。
ここで驚くのは、茂木が現政権No.2、派閥の人数でも旧安倍派に次ぐNo.2の旧竹下派の会長で、最も「次」に近い立場であるはずなのに支持率1%で、ほとんど選外にあるということ。権力志向のパワハラの塊で、党内はもちろん派内でも心から支える者が少ないと言われる欠陥人間だけに、それを超えて大衆的人気を得るには余程の努力が必要だということだろう。
さらにもう1つの驚きは、No.1派閥の旧安倍派から1人も候補が挙がらないことである。周知のように、同派では後継者がドングリの背比べで、無理に会長を決めようとすれば分裂騒ぎになりかねないことから、何と15人から成る常任幹事会による体制を採ったが、これでは党内や世間に向かっての政権獲得への執念を示すことにはならない。
そのように消去していくと、残るのは石破茂で、本誌の予感では来秋総裁選で岸田の全く無意味な再選を阻む可能性を持つのは彼だけではないか。彼自身、意欲を滲ませる発言をし始めているのに加えて、現在は非主流の立場にある菅義偉や二階俊博が蠢き出す場合には石破を軸に小泉や河野を巧く配した布陣を敷いて政局転換を図るのかもしれない。
石破がそれなりの政治哲学も政策基調も備えて「自分の言葉で語ることのできる政治家」であることは、例えば『月刊日本』12月号の彼に対するインタビューを読めば一目瞭然だろう。
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高まる元明石市長・泉房穂への期待
さて、野党の側からは岸田を引きずり下ろす動きは出てこないのだろうか。立憲民主党の泉健太代表は「5年後に政権奪還を目指す」などと牧歌的なことを言っていて、お話にならないが、小沢一郎はここで「最後の勝負」に出る腹を固めているようで、11月7日には新たな党内グループ「一清会」を立ち上げた。共産党を含む野党の候補者一本化で政権交代に迫るという彼の「日本版オリーブの木」戦略は理論的に正しく、私もその方向を支持する一人ではあるけれども、立憲民主党内でその流れを作っていけるのかどうかは未知数である。
いっそのこと、現在の野党陣営の枠外からのインパクトでこの政界の無気力状態を打破できないのか。1992年に細川護煕=前熊本県知事が「日本新党」を立ち上げて参院選に打って出、これがどん詰まりに来ていた「55年体制」の転覆の引き金になったのと同質なものを感じるのは、泉房穂=前明石市長の言動で、11月26日付東京新聞のインタビューに答えて「次期衆院選で『救民内閣』を」とメッセージを発している。
泉は今秋の立川市や所沢市の市長選で、劣勢と見られていた非自民の無所属候補を応援して当選させたことで注目を浴びた。その実績を踏まえて、岸田政権も酷いが野党も体たらくで「国民には選択肢がない」、これ以上の国民負担増はせず...