* ESR1遺伝子変異は、ER陽性、HER2陰性進行性または転移性乳がん患者のうち、最大で40%に認められる。 * 標準的な内分泌療法に対する抵抗性の原因となることで、ESR1遺伝子変異の治療は、これまで困難とされていた。 * ORSERDUは、アンメットニーズの高いESR1遺伝子変異に特化した、20年以上ぶりとなる内分泌療法の画期的な治療薬である。 フィレンツェ(イタリア)およびニューヨーク, 2023年2月1日 -- イタリアの大手製薬・診断薬企業であるMenarini Group(メナリーニ・グループ;以下、「Menarini」)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、ER陽性、HER2陰性、ESR1 変異の進行・転移性乳がんで、少なくとも1種類の内分泌療法後に疾患が進行した閉経後女性または成人男性の治療としてORSERDUを承認したことを発表しました。 ORSERDUは、Menarini Groupの100%子会社であるStemline Therapeutics(ステムライン・セラピューティクス、本社:ニューヨーク、以下「Stemline」)より、米国内で販売される予定です。Menarini GroupのCEOであるElcin Barker Ergun氏は、次のように語りました。「ORSERDUのFDA承認は、ESR1 遺伝子変異を有するER陽性、HER2陰性進行性または転
...more移性乳がん患者向けの初の治療薬です。この大きなアンメットニーズに応える標的療法を提供できることを大変誇りに感じています。 そして、この素晴らしいイノベーションを実現した臨床試験に参加いただいた患者さん、治験担当医師、および治験に携わった全ての医療スタッフの方々に深く感謝します。」 ORSERDUは、登録制の第III相試験であるEMERALD試験の結果に基づいて、FDAの優先審査およびファストトラック指定を受けて承認されました。この試験では、エラセストラントとSOC内分泌単剤療法(フルベストラント、レトロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン)の間で、全患者および ESR1変異を有する腫瘍のある患者で両方の主要エンドポイントを達成し、無増悪生存期間が統計的に有意であることが実証されています。ESR1遺伝子変異を有する患者群において、エラセストラントは、SOCと比較して、進行または死亡リスクを45%減少させる効果が確認されました(PFS HR=0.55, 95% CI: 0.39, 0.77)。2022年12月のサンアントニオ乳癌シンポジウム(San Antonio Breast Cancer Symposium;英文略称SABCS)において、CDK4/6i阻害剤(CDK4/6i)の先行使用期間に基づくPFS結果の事後解析が発表されました。 腫瘍に ESR1 遺伝子変異があり、CDK4/6iによる治療を12カ月以上受けていた患者群におけるPFS中央値は、エラセストラントの8.6カ月に対してSOCの1.9カ月でした。 安全性データは、他の内分泌療法と一致しています。 吐き気や筋骨格系疼痛を含むほとんどの有害事象(AE)はグレード1および2でした。 血液学的な安全性シグナルは認められず、2つの治療群のいずれにおいても洞性頻脈を示した患者は見られませんでした。Mass General Cancer Center乳がん部門所属のリサーチディレクター、ハーバード大学医学部准教授、およびEMERALD試験の主任研究員を兼務するAditya Bardia医師(医学博士、薬学博士)は、次のようにコメントしました。「内分泌療法による前治療を受けた進行性または転移性ER陽性、HER2陰性乳がんは、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの領域です。 最後に承認された内分泌療法は約20年前で、この患者集団にとって有効な内分泌療法の選択肢が必要とされています。 ESR1 遺伝子変異は、標準的な内分泌療法に対する抵抗性の原因と考えられており、これまでのところ、治療が困難とされてきました。エラセストラントの承認は、ER陽性、HER2陰性転移性乳がんの患者さんに新しい選択肢を提供するものであり、歓迎すべきものです。本療法は、転移性乳がんの ESR1遺伝子変異を標的とし、1日1回の経口投与という利便性も備えています。」MetavivorのCEOであるSonya Negley氏は、次のようにコメントしました。「米国では毎年30万人が乳がんと診断され、そのうち43,000人以上が転移性乳がんによって亡くなっています。 転移性乳がんの患者さんの命を守り、治療効果を高めるためには、より優れた新しい治療法が早急に必要です。 ER陽性、HER2陰性、または転移性乳がんの40%に見られるESR1変異を有する腫瘍患者に対して、新しい経口内分泌療法であるORSERDUが承認されたことに、私たちはとても嬉しく思っています。 私たちは、患者さんに、転移性乳がん治療の過程で、ESR1遺伝子変異の検査を受け、医療チームが患者さんの病態に応じて適切な治療法を特定できるようにアドバイスしています。」ORSERDUは、間もなく米国内で販売される予定です。 Stemlineは、患者がORSERDUを使用できるよう支援し、使用への障壁を取り除くためのサービスを提供する予定です。 患者向けサポートプログラムであるStemline ARCは、教育情報の提供から、保険適用範囲の理解や可能性のある財政支援オプションの確認まで、治療を開始するための様々な側面から対象患者をガイドするために利用できます。 患者および医療従事者向けの詳しい情報は、1-833-4-STEMLINE (1-833-478-3654) にお問い合わせください。Menarini Groupは、EMERALD試験を実施したRadius Health社から2020年7月にエラセストラントのグローバルライセンス権を取得しました。今回の承認により、Radius社は、マイルストーン支払いと商業販売によるロイヤルティを受け取ることを可能にします。 Menarini Groupは、今後、エラセストラントのグローバルな登録、商業化、およびさらなる開発活動を全面的に展開する予定です。EMERALD 第III相臨床試験(NCT03778931)について EMARALD第III相試験は、ER陽性、HER2陰性進行性あるいは転移性乳がん患者を対象に、エラセストラントの二次あるいは三次単剤療法を評価する無作為化、非盲検実薬対照試験です。本試験では、CDK4/6阻害剤を含む第一次または第二次内分泌療法による治療歴のある患者478名が登録されました。患者はエラセストラントまたは治験責任医師が選択した承認済みホルモン剤のいずれかに無作為に割り付けられました。主要評価項目は、全患者群とエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)変異患者群における無増悪生存期間(PFS)でした。ORSERDU(エラセストラント)について 米国食品医薬品局(FDA)は、ORSERDUを、ER陽性、HER2陰性、ESR1遺伝子変異の進行性あるいは転移性乳がんで、少なくとも1種類の内分泌療法後に病勢進行した閉経後女性あるいは成人男性に対する治療薬として承認しました。 現在、欧州医薬品庁(EMA)において、販売許可申請の審査が行われています。また、エラセストラントは、転移性乳がんを対象とした複数の臨床試験において、単独または他の治療法との併用で検討されています: ELEVATE(エレベート: NCT05563220 ); ELECTRA(エレクトラ: NCT05386108 );ELONA(エローナ NCT05618613 );ELCIN(エルシン NCT05596409 ) また、エラセストラントは、乳がんの初期ステージにおいても評価を行う予定です。処方情報の全文は、www.orserdu.com をご覧ください。重要な安全性情報警告および注意事項脂質異常症: ORSERDUを服用した患者で、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症がそれぞれ30%および27%の発現率で認められました。 また、グレード3および4の高コレステロール血症および高トリグリセリド血症の発現率はそれぞれ0.9%および2.2%でした。 ORSERDUの投与開始前および投与中は定期的に脂質プロファイルを測定してください。胚・胎児毒性 : 動物における所見とその作用機序から、ORSERDUを妊婦に投与した場合、胎児に害を及ぼす可能性があります。 妊娠中の女性および妊娠の可能性のある女性...
エーザイとバイオジェン・インクは1月30日、アルツハイマー病(AD)治療薬の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体lecanemabの日本における製造販売承認申請について、厚生労働省より優先審査品目に指定された…
昨年より医学会で、コロナワクチン接種後の免疫機能低下による「ワクチン後症候群」が疑われる結核や帯状疱疹などの報告が増えているようです。また、ワクチン接種後に急激に症状が進行するという「ターボ癌」の概念も一部で関心を集めています。これらを臨床の現場に立つ専門家はどう見ているのでしょうか。メルマガ『長尾和宏の「痛くない死に方」』より、現役医師である長尾先生の見解をご紹介します。
長尾和宏(ながお・かずひろ)プロフィール:町医者、「長尾クリニック」名誉院長。1958年香川県生まれ。高校時代に実の父親が自死をしたことをきっかけに医者を目指すことを決意し、苦学して東京医科大学に入学。学生時代に無医地区活動に邁進したことから、地域医療に目覚める。1984年、大阪大学第二内科入局。1995年、尼崎に「長尾クリニック」を開業。町医者という名前に誇りを持ち、外来と在宅医療に邁進。『平穏死10の条件』『痛くない死に方』等ベストセラー多数。
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昨年から増え始めている「ワクチン後症候群」の報告例
現時点(2022年秋)でいろんな医学会でワクチン後症候群的な臨床報告例が約200題あまり集積されています。
その大半が神経内科学的な異常。あるいは免疫的な異常。あるいは内分泌学的な異常、が指摘されています。大きくいうなら、自己免疫疾患増加、免疫機能低下による感染
...more症の増加。昨年あたりから、結核患者が増えていると実感しています。
そして、皆さんにもよく知られているのが帯状疱疹(ヘルペス)の増加ですね。免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達して、赤い発疹を生じます。
人によっては、神経痛のような痛みに襲われて、痛くていてもたってもいられなくなります。身体の奥がチクチクするため、ただの神経痛だと考えて病院に行かない人も多くいます。痛みが先にあって、その数日後くらいから発疹が出ることがほとんどです。
高齢者の疾患だった帯状疱疹が30~40代にも増加
水ぼうそうは多くの高齢者は子供の時に一度かかっています。そのウイルスがずっと脊髄神経に潜んでいて免疫能が低下した時に帯状疱疹として出ます。ワクチンを打たれた人の中には、短期間に二度も三度も、帯状疱疹になる人がいます。
また、帯状疱疹が悪化することによって、角膜炎や結膜炎など目にも炎症が起きたり、あるいは、耳にも炎症が起きて難聴になってしまう人もいるのです。発疹が消えた後でもこうした神経痛や、目や耳の異常だけが長く続く人も稀ではありません。
帯状疱疹は、これまではほとんど高齢者に見られる疾患でしたが、ワクチン禍になってからは、30代や40代の人でも多く見られるようになりました。
帯状疱疹の治療薬、特効薬とされる抗ヘルペス薬が品薄になるくらい、例年になく帯状疱疹が増加していること。
……帯状疱疹は、私の場合はワクチン後遺症には含めず、「ワクチン後症候群」と呼んでいますが、免疫機能低下を示す一例だと思っています。
ワクチンがもたらしたコロナ第8波
そして免疫機能低下に伴い、コロナ感染が増加しています。え?と思う人がいるでしょう。でもワクチンによって免疫機能が低下してしまうと、かえってコロナにも感染しやすくなる。それが第8波です。
そして自己免疫性疾患が増加する。関節リウマチがその代表ですね。あるいは自己免疫性甲状腺疾患である橋本病及びバセドウ病。これらの病気の増加が、各医学会にも報告されています。
私は最近自己免疫性胆管炎も経験しました。この方は40度の発熱が2か月ほど続いている人で様々な検査の結果、自己免疫性胆管炎と診断しました。幸い、ステロイド治療によって軽快してきました。
このように自己免疫性疾患が増加していますが、これらは「ワクチン後遺症」に含めていません。なぜなら、社会生活がなんとか維持できているから、仕事ができているので「ワクチン後症候群」と呼んでいるのです。
それから慢性心不全の増加も知られています。心筋炎という言葉が知られているように、スパイクタンパクが心筋細胞を障害した結果、心膜炎、心筋炎、そして慢性心不全を引き起こしているのでしょうか。心臓の筋肉細胞が融解するという説もあります。あるいは結核の増加も指摘されています。
「超過死亡が戦後最大の増加」が意味すること
そして、最後に「超過死亡」の問題です。超過死亡者数が、20カ月連続で増加しています。2011年の東日本大震災のときを超える増加です。たとえば2022年死亡者は、2021年に比べて、毎月毎月1万人増加しています。これは、戦後最大の増加です。コロナで死んだ人の3倍も死者が増えている。
もちろん、ワクチン接種との因果関係は認められておらず、誤嚥性肺炎や老衰や自殺などの様々な死亡を合計した、あくまで結果の数字です。やはり免疫機能の低下にともなう抵抗力が低下したために様々な感染症による死亡や、がん免疫も障害されるために、既存のがんが暴れだし、急速に増大して急速に死に至る人が増えているという医師もいます。
いま、数万人単位でワクチン接種後に何らかの体の異変が生じて困っているのではないでしょうか。そこに超過死亡も含めると、何十万人単位になるのではないかと案じています。
国民の8割近くの方がコロナワクチンを2回、7割近くの方が3回打っているわけです。厚労省が公表している約1,900人の死亡例はあくまで氷山の一角であり、ワクチン後遺症やワクチン後症候群、さらには超過死亡という形で、多くの人が程度の差はあれ何らかの悪影響を受けることになるのではないかと考えます。
まさかワクチンのせいだなんて、まだ気が付いていない方も多いでしょう。過去の薬害の歴史を振り返れば、どこで薬害だという線を引くのかは非常に難しい課題です。しかし今後、人類史上最大の薬害として国は大きな代償を払うことになるのでしょう。
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読者からの質問:ワクチン由来の「ターボ癌」、長尾先生の本音は?
勤務先でも「がんが突如進行」の事例に遭遇
Q. 長尾先生のファンです。看護師をしております。私は愛媛の人間なので、地元の有名人で元アイドルだった高見知佳さんの突然の死亡にショックを受けています。
まだ60歳で、この夏は選挙に出ていて元気に街を飛び回っていたのを見かけました。とても病人には見えませんでした。それが、先月11月に腹痛を訴えて病院に行って検査を受けたら卵巣がんが見つかって、すでに肺などの多臓器転移が発覚。それから1ヵ月あまりで亡くなるなんて……いくらなんでも、ちょっと急すぎると思います。次の選挙の準備をするほどお元気だったというのに……。
それと訃報が流れた当初、地元のテレビ局が、「ワクチン接種後に体調不良を訴えていました」と報道していたのに、そのツイートがすぐに削除されていたのも気になります。誰がそんな削除指示を出しているのでしょう??
高見さんだけでなく、私の勤務する市民病院でも、ここ1年くらいで、子宮がんや卵巣がんの人、あと、原発不明がんの患者さんが増えたり、お元気だった患者さんが、突如進行するケースに何度か合いました。
だけど、うちの病院のドクターは、「がんは、ワクチン接種前から患者さんにあったのだから、ワクチンとがんは無関係。コロナ禍でがん検診を怠っていた人たちが、早期発見できなくて、進行した状態になってから病院に来て命を落としているのだ」と暗にワクチンは無関係であると言いたいようです。
そう言われると、そうかも?とも思うのですが……でも、うちの病院でもがん患者さんにバンバンコロナワクチンを打っているわけですから、口が裂けても、ターボ癌だなんて言えないですよね?だって訴訟問題になるかもしれないじゃないですか?
というわけで、長尾先生にお聞きします。ターボ癌について、どこまで情報をお持ちですか?心筋炎や脳梗塞はあきらかに「ワクチン死」という人が周囲にいらっしゃいますが、ターボ癌に関しては私は半信半疑のままで…。長尾先生の本音を教えてください。
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長尾和宏先生からの回答
いきなりステージ4のケースも。「ターボ癌はある」と思う理由
A. 難しいご質問をいただきました。僕は、ターボ癌はある、と内心思っています。僕も、親しい人が、高見知佳さんと同様にたった2カ月間の急激な経過で亡くなったからです。肝臓がんでした。
その方は、「ワクチン後遺症ではないか」と突然の体調不良を訴えて僕の前に来ました。しかし珍しく僕が一人目の医師だったので(他の人は、...
バイデン米政権は30日、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するために出している非常事態宣言を5月11日で解除する予定だと発表した。ワクチンや治療薬の購入に大規模な連...