記事のポイント
ターゲットは売上不振に苦しむなか、広告事業のラウンデルが収益を牽引している。
ラウンデルはRMNのなかでも特に成果を上げ、外部要因に強い成長モデルを実証している。
現状、RMNへの広告主の期待は高いが、今後は効果測定や成果責任が重視される見通し。
米小売大手のターゲット(Target)は低迷する売上と外部の経済的圧力に直面しつづけているが、広告事業の「ラウンデル(Roundel)」は暗澹(あんたん)たる財務状況に差したほとんど唯一の光明であるようだ。
5月21日に行われた2025年第1四半期の決算発表で、ターゲットは当期の売上高が238億ドル(約3兆4500億円)で、前年同期の245億ドル(約3兆5500億円)を下回ったと報告した。不振の原因はひとつではない。消費者の購買意欲の減退、いわゆるトランプ関税、DEI(多様性・公平性・包摂性)施策の縮小に対する世論の反発など、逆風が続いた結果だ。同時に、昨年末のホリデー商戦の売上高を見ても分かる通り、ターゲットは業界最大手のウォルマート(Walmart)やAmazonとの競争で苦戦を強いられている。
とはいえ、ターゲットにとって暗い話ばかりではない。同社が運営するリテールメディアネットワーク(RMN)のラウンデルは右肩上がりの成長を続けている。2025年第1四半期の広告収入は1億6300万ドル(約236億円...more)で、前年同期の1億3000万ドル(約188億円)を上回った。2024年通年の広告収入は6億4900万ドル(約941億円)で、こちらも前年の5億2200万ドル(約757億円)から25%の大幅増を遂げている。
ラウンデルの成長軌道を見ると、リテールメディアがいま業界で一番新しい「金の卵」であることがよく分かる。イーマーケター(eMarketer)の予測によると、今年、このチャネルに投じられる広告費は623億5000万ドル(約9兆円)に達する。同時に、ターゲットはオンライン事業の成長も報告しており、「これがラウンデルのような利益率の高いサービスの成長を後押ししている」と、ブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)は直近の決算説明会で述べている。
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記事のポイント
ディックス・スポーティング・グッズはフットロッカー買収を通じ、新たな顧客層とカルチャー領域への進出を狙っている。
自社の安定した売上成長や新規事業の成功を背景に、買収後も早期の増益効果を見込んでいる。
一方で、大型買収の経験不足や文化・業務統合の難しさがリスクとして指摘されている。
スポーツウェア小売業者ディックス・スポーティング・グッズ(Dick’s Sporting Goods)はここ数年快進撃を続けており、過去5四半期で既存店売上高がいずれも4%超の伸びを記録している。いま、同社は競合他社を買収することで、その業績をさらに証明しようとしている。
成長続くディックス、21億ドルでフットロッカー買収へ
ディックスは、5月29日水曜日朝の第1四半期決算説明会で、既存店売上高は前年同期比4.5%増だったと再び成長を報告した。しかし、多くのアナリストは、同社が5月中旬に発表したフットロッカー(Foot Locker)買収計画(21億ドル=約3287億円)についてさらなる質問を投げかけた。
決算説明会で、ディックスのエグゼクティブ・チェアマンであるエド・スタック氏は、市場が今回の買収について何か見落としている点があるかとの質問を受けた。ディックスがフットロッカー買収の意向を発表した直後、同社株は時間外取引で7%下落した。「我々は、現状維持を望む人々が一定数存...more在することを理解している」とスタック氏は語った。しかし、彼は続けて「それが長期的にビジネスにとって正しいとは考えていない」と述べた。その後、彼を含む経営陣は、なぜフットロッカー買収が正しい判断なのか、その説得材料を提示する時間を割いた
最終的にスタック氏は「我々はフットロッカー買収が正しい決断であることを証明できると確信している」と述べた。
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