米経済の景気後退入りの可能性について、各方面の議論が白熱する中、米銀大手バンク・オブ・アメリカは株式市場の上昇局面到来を予測しています。その時間軸と上昇幅は「12カ月以内に」「25%以上」と、非常に大胆な数字で……。
JPモルガンのストラテジストであるマルコ・コラノビッチ氏は、景気後退の圧力は高まり続けていると考えています。同氏はよりディフェンシブな投資戦略へとシフト、現金とエネルギー株への投資を増やしているといいます。
米金融大手モルガン・スタンレーは、年初来の株価上昇分のほとんどが今後数カ月で雲散霧消し、S&P500種株価指数は年末を3900前後で迎えると「超弱気」の予測を崩そうとしません。
日経平均は4日ぶり反発。197.95円高の32665.71円(出来高概算7億2702万株)で前場の取引を終えている。 11日の米株式市場でダウ平均は87.13ドル高(+0.25%)と3日続伸、ナスダック総合指数は+1.13%と続伸。イエレン財務長官がインフレは着実に鈍化し、景気後退を回避する軌道にあると楽観的な見解を示したことが投資家心理を支えた。また、証券会社によるレーティング格上げが好感され
日本や世界中の物価が上昇しており、景気後退とインフレが同時進行する「スタグフレーション」への懸念が高まっています。この状況において、自分のリスク許容度に応じて投資することが重要です。
この記事では、インフレとは何か、ハイパーインフレやスタグフレーションとは何か、そしてインフレ対策の方法について解説します。
※本記事は2023年9月11日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
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目次
インフレとは
1970年代から80年代のインフレ
米国の物価上昇率を上回った日本
ハイパーインフレ・スタグフレーションとは
インフレ対策の方法
まとめ
1.インフレとは
インフレとは、日用品やサービスの値段が上がることを指します。そして、インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレ」があります。良いインフレでは、企業が儲かり、社員の給料が上がり、消費者は生活費の増加を給料アップで吸収し、商品が売れて景気が良くなります。
一方、悪いインフレでは、企業の業績が悪化し、賃金が上がらないのに身の回りの商品が値上がりして家計を圧迫する悪循環が生じるのです。インフレが起
...moreこると、収入が上がらない場合は生活が苦しくなります。緩やかなインフレは経済にとって良いとされていますが、収入が物価以上に上がることが前提です。また、インフレになると預貯金の価値も目減りするため、将来のインフレに備えるためには、投資をすることが重要です。
2.1970年代から80年代のインフレ
1980年代初頭、アメリカは2年連続で2桁の激しいインフレに見舞われました。このインフレはベトナム戦争と同じくらいの威力があり、米国人の生活や社会を激変させました。1978年には+9%上昇した消費者物価は、1976年の4.9%に比べるとかなり上昇したことが分かります。
アメリカのインフレのピークは1980年夏で、金利のピークは1981年秋でしたが、高金利が峠を越えるまでに丸2年かかりました。
参照:man@bow「1980年代の日本はなぜバブル景気になったのですか?そしてなぜバブルは崩壊したのですか?(その2)」
また、1979年から1980年には、世界のインフレも悪化し、1980年1~3月には主要国で消費者物価上昇率が高くなりました。OECD諸国の消費者物価は、1978年に7.7%まで鈍化していました。しかし、1979年には9.4%に上昇し、さらに1980年1〜3月には前年同期比で11.9%に高まったのです。
参照:経済企画庁「石油危機への対応と1980年代の課題」
3.米国の物価上昇率を上回った日本
コロナ禍からの景気回復で、2021年から米国では物価が上昇しました。ピーク時の2022年5月には、CPIが8.6%まで上昇しています。ただ、FRBによる積極的な利上げにより、2023年7月のCPIは3.2%にまで下落しました。
一方、総務省が7月21日発表した日本の6月の消費者物価指数によると、変動の大きい生鮮食品を除いた指数が前年同月比で3.3%上昇したことが明らかになりました。消費者物価の上昇率は、日銀の物価安定の目標である2%を15カ月連続で上回っています。さらに、この数値は、米国の3.0%を上回っています。
インフレ退治で利上げの効果が表れ始めた米国とは対照的に、日本は高止まりが続いている状況です。
4.ハイパーインフレ・スタグフレーションとは
インフレが進むと、ハイパーインフレの可能性が高まります。ハイパーインフレとは、物価が短期間で急激に上昇し、通貨の信用が失われ、お金の価値が大きく下がることです。ドイツやジンバブエなど、過去にはいくつかの国でハイパーインフレが発生しています。第一次世界大戦に敗れたドイツでは、戦争賠償金を払うために通貨量を増やしたことが原因で、1922-23年にはハイパーインフレに陥りました。
一方、ジンバブエでは、大統領選挙による混乱や過度の紙幣発行によって、2008年にはインフレ率が、年率2億%を超えました。ハイパーインフレが生じると、国や中央銀行でもコントロールが難しくなり、深刻な経済危機を引き起こすことがあることがわかります。
スタグフレーションとは、景気後退とインフレが同時に進行する現象です。不景気で給与が上がらずに、モノの値段が上がり続けると家計を圧迫するため、「悪いインフレ」と言われています。OECDによると、2023年のG20参加国のインフレ率は5.9%と予想されていますが、世界全体の実質GDP成長率は2.6%と見込まれており、金融市場ではスタグフレーションの懸念が高まっているのです。
参照:JETRO「OECDの経済見通しを上方改定、世界経済の脆弱性は続く」
5.インフレ対策の方法
インフレが起こった場合、お金を株式や投資信託、外貨、貴金属などに変えておけば、資産の目減りを軽減できます。株式は企業活動が活発になるため、インフレ時には株価が上昇し、資産を守れます。
外貨もインフレにより円安が進むことが多く、円を外貨(米ドルやユーロなど)に変えておくことで資産を守れる可能性があります。金や銀などの貴金属は希少性が高いため、インフレでも価値が下がりにくいとされています。
インフレは、いつ終わるかわかりません。しかし、資産を守るためには対策を講じることが必要です。
6.まとめ
世界中でインフレが加速しており、日本でも物価は上昇傾向にあります。また、景気後退とインフレが同時に進行するスタグフレーションへの懸念も高まっています。
自分のリスク許容度に応じて、株式や投資信託、外貨預金などの保有を検討してみてください。
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