世界Eバイク市場は、2023年に497億米ドルの評価額まで急上昇し、2032年には784億米ドルに達すると予測され、さらなる拡大が見込まれている。この成長軌道は、2024年から2032年までの年平均成長率(CAGR)が5.2%と安定していることを示している。ペダルを漕ぐ力と電動の推進力を融合させたE-BIKEは、最小限のアシストモデルから完全なモーター駆動設計まで幅広く、都市部の通勤やレジャーライドに多様なソリューションを提供している。【 無料サンプル 】当レポートの無料サンプルは、こちらからお申し込みいただけますhttps://www.reportocean.co.jp/request-sample/e-bike-market市場ダイナミクスの概要原動力:マイクロモビリティ・サービスの急増がe-bike市場を大きく牽引している。MaaS(Mobility-as-a-Service)のようなサービスは、e-bikeの柔軟でコミットメントフリーのトライアルを提供し、消費者の目に触れる機会を増やし、普及の可能性を高めている。バード(Bird)、ライム(Lime)、ドッ ト(Dott)のような企業は、e-bikeを普及させるだけでなく、e-bikeをフリート に組み込んで、特に密集した都市環境でのユーザー体験を広げている。2024年には、Tier MobilityがオランダのNederl
...moreandse Spoorwegenと協力し、持続可能なモビリティの統合に向けた大きな一歩を踏み出した。小売のハードル逆に、この市場は、さまざまな世界的規制とインフラ需要による課題に直面している。国や地域の法律は大きく異なり、e-bikeの分類や使用法に影響を与えている。例えば、中国では原付バイクと区別するため、特定のe-bike仕様が施行され、市場力学に影響を与えている。同様に、欧州と米国の一部では、安全性と交通への懸念から高出力のe-bikeに規制があり、これらの地域での市場成長が制限されている。チャンスを解き放つ世界Eバイク市場の有望なフロンティアは、コネクティビティ機能の統合である。BoschのSmartphoneHubやUrban Arrowのセキュリティー機能のような先進技術を搭載したコネクテッドe-bikeは、ユーティリティーとセキュリティーを強化し、テクノロジーに精通したサイクリストに対応する。デジタル化された都市生態系を目指す動きは、世界的な都市化のトレンドと一致し、コネクテッドEバイク需要の堅調な伸びを予測する。セグメント別洞察リチウムイオンの優位性:バッテリー技術では、リチウムイオン電池がその高いエネルギー密度と長寿命により優位を占めており、より軽量で効率的なe-bikeを支えている。コストが低下していることも市場の魅力を高め、このセグメントの成長を後押ししている。【レポートの詳細内容・無料サンプルお申込みはこちら】https://www.reportocean.co.jp/request-sample/e-bike-marketミッドドライブ・モーターがリード:ミッドドライブ・モーターは、中央に配置され、効率的な電力利用ができるため、市場をリードすると予想される。これらのモーターは、特に山岳地帯や高負荷の場面で優れた性能を発揮し、欧州や北米のトレッキング用e-bike市場の拡大に伴って人気が高まっている。セグメンテーションの概要クラス別● クラス-I● クラス-II● クラス-III速度別● 時速25km/h以下● 25-45 km/hモータータイプ別● ミッド● ハブモード別● ペダルアシスト● スロットルコンポーネント別● バッテリー● 電動モーター● フォーク付きフレーム● クランクギア● ホイール● モーターコントローラー● ブレーキシステム用途別● 山登り/トレッキング● シティ/アーバン● カーゴ● その他バッテリータイプ別● リチウムイオン● リチウムイオンポリマー● 鉛酸電池● その他バッテリー容量別● 250W未満● 250W超~450W未満● 450W超~650W未満● 650W超所有者別● 共有● 個人モーター重量別● 2kg未満● 2kg超~2.4kg未満● 2.4kg超モーター出力別● 40Nm未満● 40Nm超~70Nm未満● 70Nm超地域別展望北米は、個人輸送と商業配達の両方で採用が増加しており、世界Eバイク市場の成長をリードすると予想される。同地域は、特にラストワンマイルの配送ソリューションにおいて、Eバイクの費用対効果と環境面での利点から利益を得ている。2023年には販売台数が落ち込んだものの、回復後の市場は上昇傾向にあり、将来の堅調な成長を示唆している。まとめると、世界Eバイク市場、技術的進歩、規制環境、消費者行動の変化によって形作られた状況の中を進んでおり、課題がある中で大きなビジネスチャンスが期待されている。世界Eバイク市場に関する主な質問:● 世界Eバイク市場な普及を促進している主な要因は何か。また、都市部と農村部の両方において、消費者の嗜好はどのように電動モビリティへとシフトしているのか。● バッテリー技術とエネルギー効率の進歩は、e-bikeの性能、航続距離、手頃な価格にどのような影響を与えているのか、また、こうした技術開発は今後10年間の市場成長にどのような影響を与える可能性があるのか。● e-bikeの利用を促進する上で、政府の政策、補助金、インフラ投資はどのような役割を果たしているのか。また、世界のe-bike市場の発展を支える上で、地域によって規制はどのように異なるのか。● 持続可能性が消費者と政府にとって重要な焦点となる中、e-bikeは二酸化炭素排出削減にどのように貢献しているのか、また世界Eバイク市場は都市の交通渋滞や公害と闘う上でどのような可能性を秘めているのか。● 高額な初期費用、航続距離の制限、安全性への懸念など、現在e-bikeの普及を妨げている課題や障壁にはどのようなものがあり、これらの障害を克服するためにどのようなソリューションが開発されているのか?● 既存メーカーや新興企業を含む業界の主要プレーヤーは、市場シェアを獲得するためにデザイン、テクノロジー、サービスのイノベーションをどのように活用しているのか、また世界市場で競争力を維持するためにどのような戦略を採用しているのか。● 世界Eバイク市場が成長する中、スマート機能の統合、自律走行機能、共有モビリティサービスなど、どのような新たなトレンドが業界の将来を形成すると予想され、企業はこれらの展開にどのように備えるべきか?ポートの詳細内容・お申込みはこちhttps://www.reportocean.co.jp/industry-reports/e-bike-marketReport Ocean株式会社についてReport Ocean株式会社は、市場調査およびコンサルティングの分野で、正確で信頼性の高い最新の調査データおよび技術コンサルティングを求める個人および企業に対して、7年以上にわたり高度な分析的研究ソリューション、カスタムコンaサルティング、深いデータ分析を提供するリーディングカンパニーです。我々は戦略および成長分析の洞察を提供し、企業の目標達成に必要なデータを提供し、将来の機会の活用を支援します。私たちのリサーチスタディは、クライアントが優れたデータ駆動型の決定を下し、市場予測を理解し、将来の機会を活用し、私たちがパートナーとして正確で価値のある情報を提供することによって効率を最適化するのを助けます。私たちがカバーする産業は、テクノロジー、化学、製造、エネルギー、食品および飲料、自動車、ロボティクス、パッケージング、建設、鉱業、ガスなど、広範囲にわたります。Report Oceanは、私たちのスキルをクライアントのニーズと統合し、適切な専門知識が強力な洞察を提供できると信じています。私たちの専門チームは、多国籍企業、製品メーカー、中小企業、またはスタートアップ企業を含むクライアントのビジネスニーズに最も効果的なソリューションを作成するために疲れ知らずに働いています。メディア連絡先:名前: 西カント役職: マーケティングヘッドTEL: +81-5050505761E-mail: sales@reportocean.co.jpURL: https://reportocean.co.jp/Blog Site = https://japaninsights.jp/Social Media:LinkedIn = https://www.linked...
生成人工知能(AI)「チャットGPT」を運営する米新興企業オープンAIは2日、AI開発のため新たに66億ドル(約9600億円)の資金を調達すると発表した。資金調達後の企業価値は、1570億ドル(約23兆円)になるという。米金融大手ゴールドマン・サックスや米配車大手ウーバー・テクノロジーズに匹敵する
日本の拡張現実(AR)市場は、急速な技術進歩や多様な産業におけるアプリケーションの増加に牽引され、著しい成長を遂げている。世界のAR市場は、2023年に429億米ドルと評価され、2024年から2032年までの年平均成長率(CAGR)は33.2%と顕著で、2032年には驚異的な5667億米ドルに達すると予測されている。この成長は、物理的世界を仮想的要素とシームレスに融合させ、ユーザー体験を向上させ、産業に革命をもたらす没入型技術に対する需要の高まりを反映しています。拡張現実: 革命的技術AR(拡張現実)は、現実世界にデジタル・コンテンツを重ね合わせ、ユーザーと環境との相互作用を豊かにする技術である。リアルタイムのデータをバーチャルな要素と統合することで、ARは様々なアプリケーションの機能性とエンゲージメントを向上させます。近年、AR技術は急速に発展しており、特に日本では、医療、教育、小売などの業界が、没入感のある顧客体験を提供するためにARを採用している。ARチップセットの需要は急増しており、NXPやクアルコムなどの大手企業は、拡大するAR市場のニーズに合わせた革新的なソリューションを発表しています。【 無料サンプル 】当レポートの無料サンプルは、こちらからお申し込みいただけますhttps://www.reportocean.co.jp/request-sample/augmente
...mored-reality-market市場促進要因: AR採用をリードするヘルスケア産業AR市場成長の主な推進要因の1つは、ヘルスケア分野での採用が増加していることである。AR技術は、リアルタイムのデータと没入型環境を提供することで医療専門家を支援し、手術の精度と患者のケアを大幅に向上させるために活用されている。患者の解剖学的構造を3Dで視覚化する能力は、手術に革命をもたらし、リスクを低減し、結果を改善している。例えば、2022年のImmersiveTouchとメイヨークリニックのようなコラボレーションは、AR技術を統合することで手術能力を向上させ、複雑な手術中のより良い視覚化を可能にしている。日本では、ARは創傷治癒の評価にも使用されており、患者と医師が視覚的なフィードバックを通じて治癒の進捗状況を監視できるようになっている。この技術は、ロボット支援手術、理学療法、医療教育などにも応用され、現代医療を変革するツールとなっている。市場の課題 メンタルヘルスへの懸念への対応AR技術には多くの利点がある一方で、その過度な使用は長期的なメンタルヘルスへの潜在的影響に関する懸念を引き起こしている。スタンフォード大学の研究によると、没入型環境に長時間さらされると、仮想現実と物理的現実の境界線が曖昧になり、うつ病や孤独感、さらには心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの心理的問題につながる可能性があるという。企業や開発者は、ARの長期使用が消費者に与える心理的影響に対処しなければならないため、こうした懸念がARの普及を遅らせる可能性がある。市場機会 顧客体験の向上競争の激しいビジネス環境では、記憶に残る顧客体験を創造することがブランド・ロイヤルティにとって不可欠となっている。AR技術は、パーソナライズされたインタラクティブな体験を提供することで、顧客とのインタラクションを変革する上で極めて重要な役割を果たしている。日本でも多くの企業がARを活用し、バーチャルなショッピング体験や没入型の製品デモンストレーションを通じて顧客エンゲージメントを高めている。例えば、2021年のMatterportとPTCのコラボレーションにより、顧客は広いスペースに拡張現実(AR)環境を構築できるようになり、企業の顧客サービスに対する取り組み方に革命をもたらしている。カスタマーサポートシステムにおけるARの統合は、顧客満足度とブランドロイヤルティを向上させるシームレスで没入感のある体験を提供し、今後も成長を続けると予想される。市場細分化の洞察コンポーネント別AR技術の受け入れが進んでいること、既存のデバイスとの互換性が高いことなどから、ハードウェア分野がAR市場を支配している。しかし、各社がスマートフォン、タブレット、コンピュータのAR機能強化に注力していることから、ソフトウェア分野は予測期間中に大きな成長が見込まれている。メタバースアプリケーション用のARメガネを開発するためのクアルコムとマイクロソフト社との提携などの戦略的パートナーシップは、今後もこの分野の技術革新を促進するでしょう。【レポートの詳細内容・無料サンプルお申込みはこちら】https://www.reportocean.co.jp/request-sample/augmented-reality-marketデバイスタイプ別ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、特に産業用および商業用アプリケーションにおいて、日本でますます採用されるようになっている。特に産業用および商業用アプリケーションで採用が進んでいる。OLED技術の進歩により、軽量で高解像度のディスプレイが開発され、ゲーム、製造、ヘルスケアなど幅広い用途でHMDがより身近で実用的なものとなっている。セグメンテーションの概要コンポーネント別● ハードウェア● ソフトウェアデバイスタイプ別● ヘッドマウントディスプレイ● ハンドヘルドデバイス● その他エンドユーザー別● メディア・エンターテインメント● 製造業・建設業● ヘルスケア● 教育● 小売● その他 最終用途別ヘルスケアは、日本でAR技術を採用している最大の分野の一つである。手術中にリアルタイムの視覚データを提供するARの能力は、医療教育や患者ケアへの応用と同様に、業界を変革している。MRIやCTスキャン中にデータを重ね合わせるなど、症状の診断や治療にARを使用することで、ヘルスケアにおけるイノベーションの新たな機会が生まれている。地域分析: アジア太平洋AR市場における日本の役割2023年、北米はグーグルやマイクロソフトのような大手ハイテク企業の本拠地であることから、世界のAR市場をリードした。しかし、日本を含むアジア太平洋地域が予測期間中に市場を支配することになる。技術革新で知られる日本は、特に医療、製造、娯楽などの分野でAR導入の最前線にいる。日本全体で5Gネットワークが展開され、高度なARアプリケーションに必要なインフラを提供することで、ARの導入がさらに加速している。日本に加え、中国は低コストでのハードウェア生産により、AR市場で重要な役割を果たすと予想される。日本では、ゲームや自動車などの産業でARの採用が拡大しており、没入型技術への政府投資も市場の拡大を後押しすると予想される。世界の拡張現実(AR)市場に関する主な質問● 世界の拡張現実(AR)市場の急成長を促す主な要因は何か、またこれらの要因は地域や産業によってどのように異なるのか?● ハードウェアやソフトウェアの機能向上といった技術の進歩は、様々な分野における拡張現実アプリケーションの開発や採用にどのような影響を与えているのか?● 拡張現実(AR)市場の形成において、特に小売、娯楽、教育などの分野において、消費者行動はどのような役割を果たし、企業はこの洞察を戦略的計画にどのように活用できるのか。● テクノロジー企業、コンテンツ制作者、業界関係者間のパートナーシップや協力関係は、どのような形で市場における拡張現実ソリューションの革新と拡大に寄与しているのか?● 拡張現実空間、特に新興企業にとって、企業はどのような課題や参入障壁に直面し、これらの障害を克服するためにどのような戦略を実行できるのか?● 拡張現実は既存のビジネスモデルにどのように統合されているのか、また、これらの統合は顧客エンゲージメント、販売、市場競争力全体にどのような測定可能な影響を及ぼしているのか。● 拡張現実(AR)市場が進化し続ける中で、関係者が特に規制上の考慮事項や倫理的な意味合いについて知っておくべき、予想される動向や将来の展開にはどのようなものがあるでしょうか?ポートの詳細内容・お申込みはこちhttps://www.reportocean.co.jp/industry-reports/augmented-reality-marketReport Ocean株式会社についてReport Ocean株式会社は、市場調査およびコンサルティングの分野で、正確で信頼性の高い最新の調査データおよび技術コンサルティングを求める個人および企業に対して、7年以上にわたり高度な分析的研究ソリューション、カスタムコンaサルティング...
日本では即配サービス、いわゆる「クイックコマース」の撤退が相次ぎ、クイックコマースの未来には疑問符がつけられることが多い。
しかし、インドではすでにクイックコマースが生活に深く浸透し、急速に成長している。
今回はインドのクイックコマースの概観と今後の見通しについて、インド在住の筆者が実際に利用した体験談も交えながら伝えていく。
10分で配送!?盛り上がるインドのクイックコマース市場
クイックコマースとは、注文から配達までの時間を極限まで短縮した配送サービスのことだ。想像してみてほしい。必要な商品が、わずか10分で手元に届くという世界。インドではすでにこれが日常の一部になりつつある。
クイックコマースの背後には、人口密集地域に「ダークストア」と呼ばれる倉庫が設置され、効率的な物流ネットワークが構築されている。そのため、たとえば水一本や急ぎで必要な日用品、生鮮食品も、注文後わずかな時間で届けられる。これによって消費者は時間を有効に使えるようになり、便利な生活が実現しているのだ。
注文してから届くまでの時間は地域や時間帯によってもまちまちだが、大都市の中心部であれば10分以内で届く場合も多い。以下は筆者がよく使うクイックコマース「Blinkit(ブリンキット)」の、ある日の夜7時頃のスクリーンショットだが、最上部にお届け時間が「8 minutes(8分)」と表示されている。
「Blink
...moreit(ブリンキット)」アプリのトップ画面のスクリーンショット(筆者撮影)現在、インドのクイックコマース市場は4つの主要企業がシェアを占めている。その中でも圧倒的な存在感を放っているのが、フードデリバリー大手Zomato(ゾマト)が運営する「Blinkit(ブリンキット)」だ。市場シェアの約46%を占めている、業界リーダーである。
Blinkitに続いて、Swiggy(スウィギー)が運営する「Instamart(インスタマート)」、新興企業の「Zepto(ゼプト)」、そして財閥のタタ・グループ傘下のBigBasketが運営する「BBnow」とシェアを占める。
品揃えは運営元、また地域によってある程度異なると思われるが、スーパーマーケットで買いたいと思うようなものはほぼ買えるような印象だ。筆者が住むバンガロール中心部で「Blinkit(ブリンキット)」が提供している商品を例に挙げると、野菜や果物、肉などの生鮮食品や、水やジュース、お菓子などの各種食品、シャンプーやトイレットペーパー、洗剤などの日用品、電化製品など多岐にわたる。
「Blinkit(ブリンキット)」アプリのカテゴリ一覧のスクリーンショット(筆者撮影)
一度使ったらやめられない!筆者のクイックコマース体験
クイックコマースの魅力は、そのスピードと利便性にある。筆者も週に3回程度はクイックコマースを使い、水や日用品を購入している。
今では日常的に利用するクイックコマースだが、最初に利用した時の感動は特に大きかったのでそのエピソードを紹介したい。
初めて利用したのはある日の夕食時だった。家で夕食を食べている最中に、必要な調味料が切れていることに気がついたのだ。通常ならば諦めるか、他の調味料で代用するしかないが、その時クイックコマースを試してみることにした。
レストランからのフードデリバリでよく利用しているSwiggy(スウィギー)のアプリを開き、その中にあるクイックコマースコーナー「Instamart(インスタマート)」から調味料を注文してみたところ、わずか10分足らずで調味料が届けられたのだ。
この「食事中に注文したら食事中に届いた」という体験に、筆者は感動を覚えた。
また、最近も「クイックコマースに本当に助けられた」と感じたエピソードがある。出先でMacbookの充電器を忘れ、バッテリーが危険な状態になってしまった。気づいた時にはもうパソコンの充電はゼロに近い。しかし急ぎで取り組みたい仕事があり、家に戻ったり電器店に買いに行ったりする余裕はない状態だった。
ネットで調べたところ、出力ワット数が高いアダプターがあればMacbookを充電できそうなことがわかった。クイックコマースの「Blinkit(ブリンキット)」で出力ワット数が高いアダプターを急いで探してみたところ、必要十分なものを発見。注文したところ、驚くべきことに9分で手元に届いたのだ。
届いたアダプターの写真(左)、「Blinkit(ブリンキット)」アプリの注文履歴のスクリーンショット(右)(筆者撮影)
正直、最初は「本当にこんなに早く届けてもらう必要があるのだろうか?」と半信半疑だったが、一度その利便性を体験すると、もうやめられない。クイックコマースは、消費者の日常生活を変えるポテンシャルを持つサービスなのだ。
急成長とともに課題も浮き彫りに
もちろん、クイックコマースには課題もある。
その最大の問題の一つが、配送員への過剰なプレッシャーだ。短時間の配送を求められるため、多くの配送員がスピードを重視した危険な運転を行い、結果として交通事故が増加するリスクが高まっている。
確かに、筆者の近所でもクイックコマースの配送員が交通ルールを無視して急ぐ姿がしばしば目撃される。これにより、配送員の安全性はもちろん、街の安全性の低下にもつながる可能性がある。深刻な問題だと言えよう。
筆者に配送をしてくれたBlinkitの配送員と受け取った荷物(筆者撮影)
また、クイックコマースの急成長は、インドの伝統的な小規模小売店である「キラナストア」にも影響を及ぼしているという議論もある。これまで地元の顧客を支えてきたキラナストアが、クイックコマースの台頭により売り上げを奪われ、地域経済や雇用に負の影響を与えているとの指摘だ。
このように、クイックコマースの利便性の裏には、配送員の安全や地域経済への影響といった新たな課題が浮上している。今後の成長においては、これらの問題への対応が求められるだろう。
新規参入で競争激化、さらなる進化に期待高まる
課題もある一方で、インドのクイックコマース市場はさらなる拡大が期待されている。最近、業界第3位のZeptoが6億6,500万ドルの資金を調達し、2025年3月までにダークストアの数を2倍以上に増やす予定だというニュースも報じられた。
さらに、世界的な企業であるAmazon Indiaと、そのライバルであるFlipkart(フリップカート)も最近インドのクイックコマース市場への参入を果たした。両者ともに既存の強力な物流ネットワークと幅広い顧客基盤を武器に、この市場でのシェア獲得を狙っている。
こうした動きが示すように、インドのクイックコマース市場は、新たなプレイヤーの参入で競争が激化する中で、さらなる進化を遂げる可能性が高い。消費者のニーズを瞬時に満たすクイックコマースの未来には、まだまだ多くの可能性が広がっている。今後も、インドのクイックコマース市場の成長からは目が離せない。
【著者プロフィール】
滝沢頼子/株式会社hoppin
東京大学卒業後、UXコンサルタントとして株式会社ビービットに入社。上海オフィスの立ち上げ期メンバー。
その後、上海のデジタルマーケティング会社、東京のEdtech系スタートアップを経て、2019年に株式会社hoppinを起業。UXコンサルティング、インドと中国の市場リサーチや視察ツアーなどを実施。インドのバンガロール在住。...
米新興企業のオープンAIが非営利組織から営利目的の企業形態への転換を検討していると26日、複数の米メディアが報じた。生成人工知能(AI)「チャットGPT」の開発を支えてきた幹部の退社も相次いでおり、経営戦略が曲がり角を迎えている。