2023年9月27日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
sacituzumab govitecan-hziy、キイトルーダ(R)(pembrolizumab)との併用を評価するギリアドの第II相EVOKE-02試験において、転移性非小細胞肺がんの一次治療における有望な臨床活性を示す
―sacituzumab govitecan-hziyは、キイトルーダとの併用による転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療として、全てのPD-L1サブグループおよび組織型に対して有望な活性を示す― ―転移性NSCLCの一次治療におけるsacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダとの併用について、さらなる研究を支持する結果―
ギリアド・サイエンシズ(本社:米国 カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は9月10日、sacituzumab govitecan-hziyについて、(遺伝子の)アクショナブル変異を伴わない進行あるいは転移性の未治療NSCLC患者さんを対象に、プラチナ製剤併用または非併用下でMerck社の抗PD-1抗体薬キイトルーダ(R)(pembrolizumab)との併用を評価する、国際共同、非盲検、第II相EVOKE-02試験から得られた有望な初期データを発表しました。本結果は、世界肺癌学会(IASLC)主催
...moreの世界肺癌学会議(#WCLC23)で同日発表されます。
今回のEVOKE-02試験の中間解析には、2つのコホートに関する結果が含まれています。進行あるいは転移性の扁平上皮/非扁平上皮NSCLCの一次治療におけるsacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダとの併用について、PD-L1の発現率(TPS)が50%以上をコホートA、50%未満をコホートBとしました。コホートA(n=29)では、 確定および未確定を含む客観的奏効率(ORR)は69%、病勢コントロール率(DCR)は86%でした。コホートB(n=32)では、確定および未確定を含むORRは44%、DCRは78%でした。両コホート全体では、ORRは56%、DCRは82%でした。奏効持続期間(DoR)の中央値は今回のデータカットオフ時には達成されていませんでしたが、6カ月時点でのDoRは両コホートとも88%でした。
延世大学校医科大学延世がんセンター内科的腫瘍学部門(Division of Medical Oncology, Yonsei Cancer Center, Yonsei University College of Medicine)のByoung Chul Cho教授(Byoung Chul Cho, MD, PhD, Professor)は次のように述べています。「転移性NSCLC患者さんは、継続的に新たな治療選択肢を必要としています。EVOKE-02試験で得られたデータは、転移性NSCLC患者さんの一次治療におけるsacituzumab govitecanとpembrolizumabとの併用による臨床上の意義に対して自信を与えてくれるものです。両剤併用治療を受けた患者さんが良好なORRやDoRを示したことは、同条件下での抗PD-1抗体薬による単剤療法に対する過去の結果と比較すると有望です。これらのデータは、転移性NSCLCの一次治療におけるIO併用療法の将来的な選択肢として、sacituzumab govitecanのさらなる研究を支持するものです」
ギリアドのオンコロジー部門の治療領域責任者で、上級副社長のビル・グロスマン(Bill Grossman, MD, PhD)は次のように述べています。「EVOKE-02試験の結果は、sacituzumab govitecan-hziyの肺がん治療における可能性の追求を目的としたギリアドの複数試験のうち、最初の発表となるデータです。これらのデータは非常に有望で、高PD-L1転移性NSCLCの一次治療を受ける患者さんを対象に、sacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダとの併用療法と、キイトルーダの単剤療法を比較する、現在進行中の第III相EVOKE-03試験に対する当社のアプローチを支持するものです。私たちは、未治療の転移性NSCLC患者さんに新しい治療選択肢を届けることを心待ちにしています」
EVOKE-02試験におけるsacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダ併用時の安全性プロファイルは、両剤それぞれの既知の安全性と一貫性を示しています。最も多くみられた治療中に発生した有害事象(TEAE、グレードは問わない)は、下痢(54%)、貧血(48%)、無力症(38%)でした。キイトルーダの追加によるsacituzumab govitecan-hziyの既知の主な安全性事象の増加は見られませんでした。免疫関連の有害事象は、キイトルーダの既知の安全性プロファイルと一貫性を示しました。有害事象による中止率は18%でした。敗血症による治療関連死が1例認められました。
ギリアドは、2022年1月、Merck社(米国やカナダ以外ではMSDとして知られる)と2件の臨床試験の提携および供給契約を締結し、第II相EVOKE-02シグナル探索試験、および現在進行中の第III相EVOKE-03試験において、NSCLCの一次治療におけるsacituzumab govitecan-hziyとMerck社のキイトルーダとの併用に関する評価を行っています。
sacituzumab govitecan-hziyのNSCLC治療薬としての使用、およびsacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダ併用でのいかなる使用についても研究段階であり、これらの使用に対する安全性および有効性は確立されておらず、世界のいかなる規制当局にも承認されていません。sacituzumab govitecan-hziyには、重度または生命を脅かす好中球減少症および重度の下痢に関する枠組み警告があります。その他の重要な安全性情報については、後述をご参照ください。
転移性NSCLCについて
2020年、世界では200万人以上が肺がんに罹患しています。NSCLCは肺がんの中で最も多いタイプで、全症例の最大85%を占めています。また、高Trop-2発現率(89-100%)のがんで、NSCLCの症例の約半数(57%)が、治療が特に難しい転移期にあると診断されています。早期発見の患者さんでも、半数は最終的に5年以内に転移期に移行しています。新たに診断された患者さんには、プラチナ製剤ベースの治療、チェックポイント阻害剤、および標的療法など複数の治療選択肢があります。
EVOKE-02試験について
EVOKE-02試験は、進行性または転移性の(遺伝子の)アクショナブル変異を伴わないNSCLC患者さんを対象に、化学療法との併用あるいは非併用で、PD-L1の発現レベルに関わらず、sacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダの併用を評価する、非盲検、国際共同、多施設、マルチコホート、第II相試験です。患者さんは、病状またはPD-L1発現レベルに応じて、コホートに割り付けられました。また、TPSのレベルに従って、コホートA、Bに割り付けられました。
・コホートA:TPSが50%以上の扁平上皮/非扁平上皮NSCLC患者さん
・コホートB:TPSが50%未満の扁平上皮/非扁平上皮NSCLC患者さん
コホートA、Bに登録された患者さんは、sacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダの併用療法を受けました。
安全性導入コホート登録後、カルボプラチン併用に対する疾患状態に応じて、患者さんはコホートC、Dに割り付けられました。
・コホートC:非扁平上皮NSCLC患者さん(PD-L1発現レベルは問わない)
・コホートD:扁平上皮NSCLC患者さん(PD-L1発現レベルは問わない)
コホートC、Dに登録された患者さんは、sacituzumab govitecan-hziyおよびキイトルーダに加え、プラチナ製剤の投与も受けました。
主要評価項目は、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST 1.1)に基づく独立したレビューにより評価したORR、および安...