Ado「残夢」のアナログ盤が完全生産限定で12月11日にリリースされる。
流れてくれば知っている、思わず口ずさみたくなる。ドラマティックで、憧れて、でも同時にとても共感する。竹内まりやさんの生み出してきた名曲の数々は気づけば日常にあって、いつでも寄り添ってくれます。昨今改めて、歌詞をはじめとした言葉の重要性を実感しているというまりやさん。どのようなことを考え、そして曲はどう生まれるのかお伺いしました。曲というのは、メロディ、歌詞、アレンジ、そしてボーカルという要素でできています。でもファンのみなさんからのファンレターを読むと、“このフレーズに励まされた”とか、“この言葉が胸に刺さった”など、歌詞に関する感想が本当に多く、またその傾向は、年々強くなっている。なので私自身、聴いてくださる方々に言葉をしっかり届けなければ、という思いが増しているのも事実です。私の曲は、強い音楽性や主義主張があるわけではないし、極端に流行の音を入れるわけでもない。特にアレンジに関しては、20年経っても同じように聴ける音像が、私と(山下)達郎の目指すところ。歌詞も同じようなところがあって、時代が変わっても、世代が違っても、人の心に普遍的にある心境、そういうものを歌詞にしたいと思っています。だからこそ、難しくない、誰でも知っている簡単な言葉を使うんだと思います。曲を作るときは、まずリズムを考え、次にコード展開を決め、そこにメロディをつけながら曲の構造を決め、全体が見えたら、最後に歌詞
...moreを書く。フォークっぽい曲にしたいなと思ったら、人生を描くような歌詞にしようとか、ロッカバラードだったら恋心を歌おうかとか、曲調に合わせて歌詞の世界を考えるのがすごく楽しい。ちょっと言葉遊びっぽいところがありますね。8割程度歌詞が埋まったら、足りないところにどんな言葉を入れるかを選ぶんですが、そこからはまさに言葉のジグソーパズル。言葉をはめて歌って、取り換えて歌って…の面白さと、最後のピースがピッタリはまった瞬間に感じる“できた!”という達成感。それが欲しくて曲を書いているようなところもありますね。言葉との距離感1私はとにかく、平易な言葉で書きたい。誰が聴いても同じ感覚で受け止められる言葉で。難しい言葉や、リスナーに説明が必要な言葉で歌うのは、私の役割ではないと思っています。19歳の人が聴いても85歳の人が聴いても、同じように捉えてもらえるシンプルな言葉の中に、深みを探したいし、そういう日本語が、私には似合うのでは、と思います。言葉との距離感2素敵な言葉はどこに行けば見つかる、というよりも、ふとやってくるもので、不意に出合うもの。映画を観ているときにハッとするフレーズを聞いたり、誰かとのおしゃべりで相手の言葉に深さを感じたり。素敵な言葉はありふれた日常の中にあって、本当にふとした瞬間に出合うんです。言葉に対する興味のアンテナを立てていることが、出合う秘訣かも。言葉との距離感3SNSの反響は目安にはなるけれど、でもそれがすべてではない。個人的にはSNSはやっていないので、SNSの反応についてはスタッフから聞くことが多いです。確かに、そこに書かれていることは一つの現実だとは思いますが、書かない人の声もある。なので私はSNSに書かれる中傷などからは、常に距離を置いています。言葉との距離感4洪水のように言葉が溢れるそんな時代だからこそ、“自分にとっての大事な言葉”を見つけることが大切なのかも。昔に比べて現代は飛び交う言葉の量がとにかく多い。その中から大事な言葉を選び取るのはとても難しいこと。ちなみに私は、職人さんがぼそっと言った言葉に感銘を受けたりしますが、若い人はいい言葉を見つける選択能力が、私たちの世代より高い気がします。言葉との距離感5100個のデジタルの賛辞より、1通のお手紙。だからときどき返事も書きます。文字から滲み出る愛を感じられるので、私はファンレターをいただくのがとても好き。ファンレターに書かれた曲の感想を読むのはとても嬉しいし、創作のエネルギーにもなる。お返事を書いたらまたお手紙をいただくことも。とても幸せな言葉のやりとりです。『Precious Days』 全18曲に加え、配信のみだったプレミアライブなどを収録したライブDVD/Blu‐rayがセットのデラックス盤も。このほか完全生産限定の2枚組アナログ盤、カセットテープの全5形態。10月23日発売。【通常盤(CD)】¥3,410 【デラックス盤(CD+DVD/BD)】¥8,800(ワーナーミュージック・ジャパン)たけうち・まりや 1955年生まれ、島根県出身。シンガーソングライター、作詞家、作曲家。’78年にデビュー。1日1回「まりやちゃんおみくじ」も楽しめる45周年記念のサイトもオープン中。※『anan』2024年10月2日号より。写真・伊藤彰紀(aosora) スタイリスト・斎藤伸子 ヘア・松浦美穂(TWIGGY.) メイク・COCO(関川事務所)(by anan編集部)https://ananweb.jp/news/571666/...
【音楽通信】第164回目に登場するのは、個性豊かなメンバーが集結し、ジャンルレスな音楽性で人気急上昇中の令和世代の女性アイドルグループ、ミームトーキョー!でんぱ組.incの妹分として新時代のグループが誕生SAE。3月14日生まれ。趣味は映画館、神社・パワースポット、純喫茶巡り。特技はギター、中国語。【音楽通信】vol.164MEWさん、RITOさん、SOLIさん、SAEさん、MITSUKIさん、NENEさんの6人組ユニット「ミームトーキョー」。2019年に結成、2021年7月に現体制となり、8月にメジャーデビューを果たした、でんぱ組.incの妹分となる令和世代の女性アイドルグループです。個性豊かなメンバーが集結し、唯一無二の新しいスタイルを披露し続けて人気急上昇中!そんなミームトーキョーが、2024年6月26日にニューEP『MEMETIC WORLD』をリリースされたということで、グループを代表してSAEさんとNENEさんにお話をうかがいました。――まず自己紹介からお願いします。SAE 赤色担当の最年長のSAEです。クリエイティブで熱いメンバーが多いなか、冷静に一歩引いてグループを俯瞰的に見る役割だといえますね。165cmと身長が高いので、スタイルや立ち姿がきれいだと言っていただくこともあって、そこがチャームポイントだと思っています。NENE オレンジ色担当NENEです。グループの
...moreなかでも物怖じせず、やりたいことをどんどん発言する役割かなと。やりたいことがないなら作ればいいじゃん! と、曲を作ることも。チャームポイントは、顔の真んなかにあるホクロです。――小さい頃に憧れていたアイドルと、2021年からミームトーキョーに加入されたおふたりの加入のきっかけも教えてください。 NENE。7月6日生まれ。ソロ名義「ロマンチック中毒」としても活動。趣味はヨガ、レコード集め。特技は英語など。SAE 人生で最初に好きになったアイドルはAKB48です。なかでも松井玲奈さんが初めての推しで、そこからずっとアイドルが好きで、自分自身でもアイドルを目指すようになりました。その頃、当時から好きだった(アイドルグループの)「バンドじゃないもん!」や、結成したばかりのミームトーキョーが所属する事務所DSPMのオーディションを受けたところ、奇跡的にミームトーキョーのメンバーに選んでいただき、加入することになりました。NENE 小さい頃に憧れていたのは、(ディズニー・チャンネルの海外ドラマ)『ハンナ・モンタナ』の主役ハンナ・モンタナです。普通の女の子がウィッグをつけると全米のスーパースターになるお話なのですが、そのキラキラなスタイルに憧れて、彼女の唯一無二なところに惹かれました。ミームトーキョーに加入する前は、ソロでシンガーソングライター、フィメールラッパーというスタイルで活動していたんです。そのときにミームトーキョーのプロデューサーのもふくさんからインスタのDMにメッセージをいただいて。メジャーデビューのお話があったので、これは親孝行のチャンスだと思って、ミームトーキョーに加入しました。――2021年8月にシングル「THE STRUGGLE IS REAL」でメジャーデビューされました。現在、デビューから4年目となりますが、当時と現在で心境の違いや変化はありますか?SAE デビュー当時は私も加入したばかりで、アイドルとして右も左もわからず、正直なところメジャーデビューの実感もありませんでした。でも、これまで3年間活動をして何作もリリースさせていただき、自分でも作詞やスタイリングに挑戦するなかで、だんだんとミームトーキョーの作品や歴史の一部になれてきている感覚が持てるようになりましたね。NENE 私は「やるなら徹底的にやる!」がモットーなので、デビューのときから精一杯できることをしてきました。ただ、振り返ると、当時は少し勘違いしていたところがあったなと。自分さえ良ければいい、自分ががんばればどうにかなる、と思っていたんです。でも、グループ活動はひとりで行うものではないので、そんなわけはないんですよね。いまはみんなに「丸くなったね」と言われるくらい、自分の役割を合理的に考えて、ちゃんとコミュニケーションを取ることで、「みんなで一緒に上がっていこう!」という思いに変わりました。EPは“ミームトーキョーの世界”を提示――2024年6月26日に、ニューEP『MEMETIC WORLD』をリリースされました。まずタイトルの意味や今作で抱いた手応えからお聞かせください。SAE このEPは、いまのミームトーキョーのライブで代表曲になっている曲たちやメンバーが作詞作曲した自己紹介ソング「MEME THE WORLD」も収録されていて、その名の通り“ミームトーキョーの世界”はこれだ! と示せるような作品になっています。NENE そうだね、タイトルは“ミームトーキョーの世界へようこそ”という意味もあるかな。今年の3月に、初めて東京のZepp Shinjukuで「世界」というタイトルのワンマンライブを行ったんですが、そのステージで披露したようにメンバーそれぞれのバラバラな世界観があってこそ、私たちのオリジナリティが発揮できているのかなと。そんなミームトーキョーだからこそのサウンドとリリックで、今回のEPもクリエイターのかたがたが制作してくださって、みなさんからの想いを胸に私たちが世界へ示す“ミームポップ”を存分に詰めた作品になりました。良い作品ができたので、聴いてくださるみなさんと一緒に世界に広がっていけるという手応えがあります。――EPは、TRFの名曲をハードでダンサブルにカバーした「Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~」から始まりますね。どんな点を意識して歌いましたか。SAE ミームトーキョーの普段の楽曲は、ラップだったり、激しめで強かったりするものが多いなか、この曲はアレンジはいつもの楽曲に近いのですが、ボーカルはあえて原曲のハッピーなポップスらしい雰囲気を残した歌いかたを意識しました。普段と一味違う歌声が楽しめます。NENE 私はもともとファンクがすごく好きなので、TRFさんの名曲と私たちらしさが組み合わさるということで「よっしゃー!」と思いました。ミームトーキョーのメンバーは声が可愛い割合が高く、ファンク×可愛い=新しい! 最高!」となるので(笑)、完成を楽しみにしていたんですよね。私の声は可愛いほうではないからこそ、みんなとのギャップを生むようにかっこよくファンキーに歌い、原曲が発売された1995年当時のソウルを歌うように心がけました。――2曲目は、ミームトーキョーの人気曲も制作したボカロPのSTEAKAさんが手がけた、アッパーな新曲「CUTE TURN」です。SAE STEAKAさんの曲はいつもそうなのですが、聴いた瞬間からドストライクで、その日中、頭から離れませんでした。中毒性のあるサビと、この曲で初めて挑戦した間奏のヴォーグダンスがあるので注目してほしいです。NENE ダンスミュージックという枠に収まりきれないアガる曲で、めちゃくちゃカッコいい曲です! こんな海外でも戦えるような曲があるなんて。サウンド感がたまらないですし、ちゃんとのれるのに音の遊び具合も気持ちいいんですよね。歌詞の言葉遊びも楽しくて、語感もポイント。ただ、歌うのはとても大変でした(苦笑)。――chelmicoさんが作詞の「AGAIN AND AGAIN」の聴きどころは?SAE ダークで攻撃的なラップから、サビで突然明るくポップに転調するのが印象的な曲で、初めて聴いたときに私もびっくりしました(笑)。でも、聴いたら幸せな気分になれるところがおすすめです。NENE ryo takahashiさんのトラックもものすごくカッコよくて。とくにベースからサビにいくところは、chelmicoさんへの解像度が高いなと。リリックで好きなポイントは、「脳 もう分かってるんでしょ? 脳 無意識に侵入しちゃうから」とあって、最初にデモを聴いたときは「NO~」と歌っていると思ったら「脳」だと知ったときの興奮度は高かったですね。あと、自分が歌っている「苦しくなるほど楽しくなってきちゃうんだ」というラップパートは、ライブで息が続かなくて苦しいんですけど、最高に楽しいです(笑)!――サクライケンタさんが手がけた「story, story」のポイントは?SAE なんといってもサビの「What は 話 わ 輪 わ 和 わ wa は? わ わ わ わ」という部分が中毒になるので、頭を空っぽにして一緒に歌って踊ってもらいたいですね。さらに、...