電車や喫茶店でふいに隣の会話が聞こえ、耳を傾けているうちに、ついクスッとしてしまったり、共感してしまったことはないだろうか。岩松了さんの舞台を観ていると、そんな見知らぬ誰かの会話を盗み聞きしているような感覚になる。説明的なセリフはないし、何か大きな事件が起きたりもしない。けれど、淡々とした会話劇に目を凝らすと、登場人物たちの関係性や各々の思惑がじわじわ透けてきて、水面下でのドラマに釘付けにされていく。6年前、舞台『少女ミウ』でその岩松作品を経験した黒島結菜さんは、当時を「すごく楽しかった」と振り返る。「岩松さんの稽古は厳しいと聞いていたので最初はすごく緊張していました。確かに、同じシーンを何度も何度も繰り返して稽古するので厳しいと言えばそうですけど、私にはそれが合っていたんですよね。岩松さんって、役について説明されたりはしないけれど、演出の中で『このセリフはこう言ってほしい』と結構おっしゃるんです。その通りにセリフを何度も何度も口に出しているうちに気持ちが追いつくのか、役の人物像が見えてくる気がして、すごく面白かったんです」そこから、独特の世界観のとりこになったのか、以降の岩松さんの舞台はほとんど観ているのだとも。「なかには解釈するのが難しい作品もあったけれど、そもそもそこで正解を出すことを求められていない気がするんです。観ながらこの登場人物が好きだったとか、このシーンに共感できた
...moreとか、何か面白さを見つけられたらいいんじゃないかって」今回6年ぶりに出演する舞台『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』は、黒島さん演じるイズミと井之脇海さん演じるアキオの兄妹が、かつての父の愛人(松雪泰子)と対峙することで動き出す物語。「イズミは話す相手によって全然態度が変わる人なんです。岩松さんからは『芝居っぽく芝居して』と言われて、芝居がかった大袈裟な演技をしているので、全部が嘘っぽくも感じて、私自身まだイズミの本性がわからないまま。でも、相対する人によって見せる顔が違うって誰にでもあるし、普段も自分を演じている、人間らしいといえばすごく人間らしい役なのかもしれないです。ただ前回の稽古場は、どこか緊張感が漂っていてストイックな雰囲気があったんですけれど、今回は全員が楽しんで演じている感じがします。それを見ている岩松さんもずっとニコニコしていて、私はそんな岩松さんの顔ばっかり見ちゃっています(笑)」この6年、連続テレビ小説『ちむどんどん』をはじめ映像作品で活躍の場を広げてきたが、「舞台も定期的にやっていきたい」と話す。「毎日同じ場面、同じセリフでも、相手の芝居で感じ方が少し違って、それが後々まで影響する。毎回新鮮な気持ちが失われないんです」M&Oplaysプロデュース『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』 肩を寄せ合って生きてきた兄妹・イズミ(黒島)とアキオ(井之脇)。ふたりは、かつて家庭を崩壊させた父親の愛人(松雪)と出会い、徐々に打ち解けてゆくが…。6月3日(土)~25日(日) 下北沢・本多劇場 作・演出/岩松了 出演/黒島結菜、井之脇海、青木柚、櫻井健人、岩松了、松雪泰子 全席指定8000円ほか M&Oplays TEL:03・6427・9486 富山、大阪、新潟公演あり。くろしま・ゆいな 1997年3月15日生まれ、沖縄県出身。初舞台は2015年の『虹とマーブル』で、本作が3作目の舞台出演となる。最近のおもな出演作に、ドラマ『クロサギ』、映画『鋼の錬金術師 完結編』がある。ワンピース¥38,500(フィル ザ ビル/フィル ザ ビル マーカンタイル 青山 TEL:03・6450・3331) リング(左手中指)¥22,000 3連リング(左人差し指)¥28,600 リング(右手中指)¥23,100(以上エンド/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515) その他はスタイリスト私物※『anan』2023年6月7日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・伊藤省吾(sitor) ヘア&メイク・加藤 恵 インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)https://ananweb.jp/news/487229/
生活サイクルが突然変わると慣れるのがなかなか難しいものでしょう。特に家事や育児のバランスが変わるときには、やや揉めることもあるかもしれませんね。今回の投稿者さんも生活サイクルの変化を目の前にして、モヤモヤを募らせているようです。
『夫の在宅勤務が廃止になり、毎日出勤になりました。今までは在宅勤務の日に保育園の送り迎えや寝かしつけをしてくれてました。夫が毎日出勤になった場合、イヤイヤ期の2歳児のお世話がすべて私に降りかかってきます……。朝晩すべての2歳児のお世話をするのは覚悟がいります』
投稿者さん夫婦は共働きのご家庭。今まで旦那さんには週に1~2回在宅勤務の日があり、その時は保育園への送迎や寝かしつけなどを担当してくれていたようです。しかし今後旦那さんが毎日出勤となると、それらをすべて投稿者さんがこなすことに。2歳のお子さんはちょうどイヤイヤ期の真っ只中。朝晩のお世話をすべて自分1人でするのはあまりにも大変……と投稿者さんは考えているようですね。
子どものお世話をするのは普通のことでしょ?
生活サイクルの変化に慌てふためく投稿者さん。しかしそれとは対照的に、ママたちの反応はどこか冷ややかです。
『朝晩すべての2歳児のお世話って……大変なのはわかるけど、親ならみんな普通にしてることじゃない? ちょっと大袈裟すぎるよ』
『たしかに夫婦2人の子だから、夫婦で協力し合あうのが理想ではある
...moreけど……世の中にはほとんど1人でこなしてるママも少なくないと思う。子ども、1人っ子でしょ?』
今までやっていなかったことを新たに始めるというのは、大変なことでしょう。しかし”朝と夜に子どものお世話をする”というのは親としては基本的なこと、とママたちは考えたようです。「何がそんなに大変なの?」と疑問を抱くママもいたようですね。きょうだいが多いならまだしも、1人っ子ならそこまで問題はなさそう……との声も聞こえてきました。
子どものお世話を1人でしないと、母親失格なの?
しかし投稿者さんはママたちに反論します。
『私も仕事しているのに、1人で家事と育児をしないと母親として失格なんですか? 会社の男性上司は、時差出勤などを活用して保育園の送りや朝の世話をしていますけど。子どもが1人っ子だと夫婦で育てちゃダメなんですか?』
「朝晩のお世話をするくらい普通でしょ」と話したママたち。それに対して投稿者さんは「全部1人でこなさないと母親失格ってことですか?」と、やや感情的に反論しました。また「きょうだいが多いなら大変だと思うけど……」という考えに対しても、「1人っ子は夫婦で育てちゃダメなんですね」と敵意が見え隠れする主張をしたようです……。投稿者さんのコメントはさらに続きます。
『子どもを産んだのも、働くことを選択したのも自分だから責任はあります。でもだからといって、私がすべて背負わなきゃいけないのは違うと思います。うちはお互いに給料が少ないため、2馬力で稼がないと生活に支障が出ます。だからこそ平日の家事育児も2人で戦うことを前提に仕事復帰したんです。夫の戦力ありきで動いています。それが朝晩0になると思うと、覚悟がいります』
投稿者さんの主張としては、「子どもを持つことは夫婦で決めたことなのだから、育てるのも夫婦でするべき」ということなのでしょう。2人で稼いで2人で育てることを夫婦間で決めたのだから、自分1人が頑張るのは話が違うと考えているのかもしれません。
“できることはやってもらう”で手を打とう
投稿内で熱弁を振るった投稿者さん。しかしママたちからは共感ではなく、宥めるようなコメントが寄せられました。
『2人で作った子かもしれないけど、一時的に片方に負担がかかっちゃうのは仕方ないと思うんだけど。きっちり半々になんてならないよ』
『旦那さんが仕事でいない時間は諦めて、いる時間には半々にと主張すればいいじゃない。仕事に行っててもお風呂や寝かせつけはできるでしょ』
『具体的に何がどうなれば満足なの? 旦那さんは在宅勤務には戻れないんだし、どうにもならないでしょ。たった1人しかいない2歳児のことでそんなキャパオーバーになるの、ちょっとおかしいよ。落ち着いて』
「2人で育てる」というのが前提とはいえ、負担をきっちりと半分にするのは無理がありますよね。それならば「できることは旦那さんにやってもらう」という方針にすることで、お互いが納得できるかもしれません。
旦那さんの在宅勤務がなくなることで、生活が一変してしまいそうな投稿者さん。「イヤイヤ期の子どものお世話を1人でするのは覚悟がいる……」と言っていることから、かなり大きな変化として捉えていることがよくわかります。まずはママたちの言う通り、一度落ち着いて育児や家事の分担を整理してみるといいのではないでしょうか。夫婦2人で整理をしてみれば、「意外と大丈夫かも」と思えるかもしれませんね。
後編へ続く。
文・motte 編集・みやび イラスト・マメ美...
岸田首相が記者団の取材に対して、「大きな成果を上げることができた」と自画自賛したG7広島サミット。ゼレンスキー大統領の出席で世界から注目され、閉幕後には政権支持率もアップするなど、首相サイドにとっては得るものが多いイベントとはなりましたが、世界はどのように評価しているのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、米有力紙に掲載されたホワイトハウス担当記者による記事を紹介。さらに「広島ビジョン」の内容を検証するとともに、招待者としての岸田首相に生じた「重い責任」について解説しています。
G7サミットは不人気首脳らの「孤独な心のクラブ」だったのか?
広島に集まったG7首脳たちの会議について、ニューヨークタイムズのホワイトハウス担当、ピーター・ベイカー記者は5月20日(米東部時間)の記事のなかで、「孤独な心のクラブ」と形容した。
彼らの自由社会はいま、深い政治的分断に直面している。ソーシャルメディアが普及したのはいいが、情報へのアクセスが容易になった分、人々が自分好みの情報を選択的に受け取ることによる偏向が進み、対立が広がった。
今のG7のリーダーはいずれも支持率があまり高くない点で共通している。ベイカー記者は「愛されていない指導者たちが互いの国内問題について同情し、いかにして天の恩寵を取り戻すかについてアイデアを交換できる」場所が
...moreサミットだというのである。
シニカルな見方ではあるが、一面の真実は突いている。自分たちの支持率を上げることに腐心している分断の時代の首脳たちが、互いの国内事情を忖度し、助け合おうとしている姿。サミットはそれぞれに人気を取り戻すチャンスとなる。ベイカー記者はこう書く。
世界の舞台で仲間たちと交流するために家を数日離れることは、打ちのめされた指導者にとって歓迎すべき安らぎとなり、歴史を形づくる政治家の役割を堂々と演じるチャンスになり得る。
たしかに、彼らは、独裁者プーチンと戦うウクライナのゼレンスキー大統領を招くことによって、歴史的なドラマをつくることに成功した。
ゼレンスキー大統領はサミット初日の19日にオンラインで参加することになっていた。日本政府は18日になって、当初予定の19日ではなく、21日のオンライン参加に変更されたと発表したが、実はこの時、すでに来日は決まっていた。
なぜなら、ゼレンスキー氏は旅の途上、もしくはその直前にあったと思われるからである。仏・フィガロ紙がその間の事情を伝えている。
5月18日にウクライナ大統領府から要請があり、「私たちはイエスと言った」とエリゼ宮(フランス共和国大統領官邸)は説明する。空軍のエアバスA330はポーランド国境へヴォロディミル・ゼレンスキー氏を迎えに行った。
フランスの政府専用機に乗り込んだゼレンスキー大統領は、サウジアラビアを訪れ、アラブ連盟の首脳会議に出席した後、日本へ向かった。
電撃的に見えるサミット出席も、急に湧いて出た話ではない。今年3月に岸田首相がウクライナを電撃訪問し、サミットへの参加を要請したさい、ゼレンスキー氏は対面参加したいという思いを漏らしていたという。
安全上の理由からいったんオンライン参加に決まったが、4月末になって、ウクライナ側から対面参加できないかとの打診があった。岸田首相は乗り気になり、実現のため外務省にハッパをかけた。外務省は米国などG7各国はもちろん、全ての招待国に根回しし、承諾を得た。
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共同声明で謳われた条件付きの「核兵器のない世界」
以上は日本政府高官の話だが、フランスの日刊紙「ル・フィガロ」の記事では、ゼレンスキー来日の仕掛人はマクロン仏大統領、というイメージでとらえられている。
マクロン氏はG7の首脳の中で、ゼレンスキー氏を最も古くから知っている指導者だ。
ゼレンスキー氏が先週パリを訪問した際、彼がG7サミットに対面出席する考えはすでに「話の中にあった」とマクロン氏の顧問は指摘する。
ゼレンスキー大統領は今月13日から15日にかけて、イタリア、ドイツ、フランス、イギリスを訪問し、各国首脳に直接、対ロ支援を要請した。そのおり、マクロン大統領との会話の中で、対面出席の話が出たという書き方である。
マクロン氏は賛成した。ロシアからの石油輸入が激増し対ロ制裁の抜け穴といわれるインドのモディ首相ら招待国の首脳に直接、協力を要請できるまたとない機会となるからだ。
広島の空港に降り立ったゼレンスキー大統領は、沿道で待ち構える市民やウクライナからの避難民たちに英雄のごとく迎えられた。
ロシアから核の威嚇を受け続けるウクライナの大統領が、被爆地ヒロシマで、岸田首相とともに平和を祈るシーンを日本政府は作、演出した。これを見た自民党の有力政治家は「満点の出来だ」と叫んだというが、事実、20、21の両日に毎日新聞と読売新聞が実施した世論調査で、岸田首相の支持率はいずれも9ポイント上昇した。
ゼレンスキー大統領にとっても、広島訪問で得た成果は大きい。悪の帝国に立ち向かうゼレンスキー人気にあやかろうと、各国の首脳たちから新たな軍事的支援の申し出を受けたからだ。
とりわけ、ゼレンスキー氏がまだ旅の途上にあるころに米政府が決定したF16戦闘機容認のニュースはウクライナの戦況を大きく変える可能性があるだけに、欧米メディアを大いに賑わした。
米国は、ウクライナがロシアへの反転攻勢のため必要だと求めているF16戦闘機について、ヨーロッパの同盟国がウクライナへの供与を決めた場合、容認するというのである。バイデン大統領は、紛争のエスカレートを懸念して逡巡していたが、サミット出席を前に決断を下した。
こうして開かれたG7広島サミットは、首脳たちによる原爆慰霊碑への参拝、資料館の見学という厳粛性を帯び、さらには戦時下にあるウクライナ大統領の参加も加わって、これまでのサミットにはない話題満載のイベントとなった。
日本のテレビ番組は概ね高く評価しコメンテーターからも興奮気味のコメントが目立った。SNS上では「岸田首相はノーベル賞もの」との賛辞まで飛び出した。
しかし、冷静な目で見ると、首脳たちの共同声明に目新しい内容は乏しい。核軍縮に関する「広島ビジョン」を出したことについて岸田首相は「核兵器のない世界の実現に向けたG7首脳の決意を力強く示す歴史的意義を有するもの」と胸を張るが、ほんとうにそうだろうか。冒頭の、以下の一文は何を意味するのか。
我々は、核軍縮に特に焦点を当てたこの初のG7首脳文書において、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けた我々のコミットメントを再確認する。
ここで謳われている「核兵器のない世界」には「全ての者にとっての安全が損なわれない形での」という条件がついているのだ。
我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。
核兵器が「防衛目的のために役割を果たす」とは、核抑止力のことをさすのであろう。核兵器の保有を前提とした考えだ。
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広島をウクライナへの武器供与の場にした岸田首相
以下の部分も、核不拡散を謳いながら、つまるところは、1967年の時点ですでに核兵器を保有していたアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国、いわゆる「核クラブ」の既得権を主張するこれまで通りの論理である。
核兵器不拡散条約(NPT)は、国際的な核不拡散体制の礎石であり、核軍縮及び原子力の平和的利用を追求するための基礎として堅持されなければならない。
もとより筆者はプーチン氏や習近平氏といった独裁者は大嫌いである。かといって、ゼレンスキー氏への支援ならすべて正義だというつもりもない。核兵器使用をちらつかせて威嚇するロシアを非難するのは当然だが、一方では、平和希求のシンボルでもあるヒロシマをウクライナへの武器供与の場にし、核廃絶を祈る被爆者の心を置き去りにしてしまった。その意味で、招待者としての岸田首相の責任は重い。
岸田首相は昨年6月、スペインでのNATO首脳会合に出席した。NATOもまたロシアや中国への対応を念頭に、連絡事務所を東京に開設する予定だ。そして岸田首相は今回、NATO加盟の国々とともにロシアに敵対する態度を鮮明にした。防衛費を大幅に増やし、敵基地攻撃能力のあるミサイルを導入することも決めている。
「平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」という米タイム誌の...
大型連休明けの5月8日、季節性インフルエンザ等と同じ「5類感染症」となった新型コロナ。しかしこれまでコロナの恐怖を煽り続けてきた国内メディアは、相変わらずその支離滅裂さを発揮し続けているようです。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では、漫画家・小林よしのりさん主宰の「ゴー宣道場」参加者としても知られる作家の泉美木蘭さんが、「むちゃくちゃさに仰天した」という朝日新聞のトップ記事を取り上げ、分析の誤りを指摘。さらに同紙がワクチン接種率や死者数・死因を並べたグラフを作成しておきながら、それに関して適切な検証を行わない姿勢を強く批判しています。
朝日新聞が自分で締めた首。検証できないワクチン接種率と死亡者増の自作グラフ
5月8日(月曜)、コロナが正式に5類感染症になった。
厚労省によれば、今後は、
国の承認を受けた検査キットを各自で購入しておき
熱や鼻水が出たら自己検査をして
陽性でも症状が大したことないなら自宅静養すべし
医者の薬が必要なら病院へ行くべし
という手順になるらしい。
なるほど。これが日本の「コロナしぐさ」か。
ていうか、欧米が2年前からやっていたことやないかいっ!
とにかく、いちいちコロナで大袈裟に騒いで病院へ駆け込んだり、隔離されて仕事サボろうとしたがるな、ということである。
さらに、マスクに関しては、引き続き個人の判断にゆだねるが、発症した場合は、10日間はマスク
...moreの着用を呼びかけるらしい。
なるほど。マスクの人=「コロナかかって10日以内のやつ」という目印になるということだ。欧米かっ!
そんな5月8日、西日本新聞の朝刊にはこんな見出しがあった。
● コロナ、いつ「普通の風邪」に 「5類」移行 ウイルス変異、なお要警戒 5月8日(月曜)西日本新聞
「いつ『普通の風邪』に」というから、私の感覚では、「コロナっていつから『普通の風邪』になってたの?予告通り今日から『普通の症状』しか発症させないウイルスに変異したの?てか、ずいぶん前から鼻水・咳・発熱という症状が一般的で、それって普通の風邪症状だったんですけど。一体全体どーゆーこと!?」という皮肉満載のツッコミなのかと思った。
ところが記事の内容は
「法律上の扱いは5類に移行したが、ウイルスがなくなったわけではない」 「普通の風邪とみなせるようになるには長期間が必要」 「普通の風邪コロナであるOC43は、19世紀末に出現してパンデミックを起こし『ロシアかぜ』として世界に広まった」 「コロナが社会に与える影響をほとんど気にしなくなるまでには長い年月がかかる」
等々、「まだまだ『普通の風邪』だなんて言わせない」という気概に満ちあふれているのだった。
だが驚いたことに、この記事ではコロナが「普通の風邪」になる条件として次のような見解が記載されている。
各個人が生涯で何度も感染をくり返すことで、社会全体が安定的に免疫を獲得する。その段階でようやく普通のコロナ並みになると考えられる。
……はぁ?結局、結論はそこ?
それなら、最初の注意喚起のあとは、体の弱い人に対して特に気を付けてくださいと伝えればよく、子どもや健康な若者も含めて全体が過剰に感染対策をする必要などなかった、スウェーデンの手法が正しかったと言わないと!その上、社会全体でのワクチン接種キャンペーンはまるで意味がなかったと批判しないと!
新聞は、どこまでもむちゃくちゃだ。
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「ワクチンの効果があった」と書けない朝日新聞
むちゃくちゃさに仰天したのは、5月6日の朝日新聞1面トップ記事だ。
● コロナ下、国内死者13.5万人増 感染拡大後、地方で増加めだつ 流行前水準比 5月6日(土曜)朝日新聞
WHOがコロナ終了を宣言したことを受けて、朝日新聞が独自に死亡データを調査しているのだが、見出しは「コロナ下 国内死者13.5万人増」。
さも、コロナで13.5万人も人が死んだかのような印象を与えている。
ところが、グラフを見ると、コロナ騒ぎがはじまった2020年は、超過死亡どころか、例年より3.5万人も死者が減少。翌21年、22年になって倍々に積み重なっているのがわかる。
朝日新聞いわく、20年に死者が減ったのは「マスクの着用や外出自粛が進み、インフルエンザの流行が抑えられるなどした」という理由らしい。
ばかっ!ぜんぜん、ちがう!
国立感染症研究所に残されているデータによれば、インフルエンザの流行グラフがぽっきり折れて抑え込まれたのは、2020年ではなく、2019年の第52週(2020.12.23~12.30)である。
朝日新聞には、ぜひ、2020.12.22発行のライジングを精読いただきたい。ウイルス干渉によってインフルエンザが抑えられた科学的解説が書かれている。
インフルエンザが消えた時期、日本人はまだマスクをしていない。
一斉休校が行われたのは2020.3.2(第10週)から。緊急事態宣言による外出自粛がはじまったのは、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡などが2020.4.7(第15週)、全国では4.16(第16週)からであり、まったく関連性がない。
さらに、当時は限られた発症者にしかPCR検査が行われておらず、コロナの陽性者観測としてはかなりのデータ不足だった。この点を考慮して、インフルエンザの折れた時期から、本当の陽性者推移を予測すると次のようになる。
では、13.5万人増の死者、その死因はなんなのか?
朝日新聞の調べによると、顕著な死因は、「心筋梗塞や脳卒中などの循環器の病気」「肺炎など呼吸器の病気」「老衰」だという。
コロナじゃないのかよ!
びっくりだ。肺炎ですら、コロナ起因でないものが大多数であることは既にデータとして判明している。
武漢株の時期は、血栓症で擦りガラス状に白くなった肺のCT画像が多数報告されていたが、21年、22年以降になって、コロナ起因の血栓症でそれほど多くの人が死んだ報告はない。死後も全例PCR検査が行われ、コロナが原因でなくても「コロナ死」にされていたことが問題になったほどで、日本には、とりこぼされたコロナ死者がそんなにいるとは到底考えられない。
すぐに思い浮かぶのは、大動脈解離や脳出血などを引き起こすmRNAワクチンの被害だが、朝日新聞1面のこの記事では、ワクチンについては効果も被害も一切触れられていない。ワクチンを打ち始めてからのほうが、格段に死者が増えているというグラフを作ってしまったのだから、当然「ワクチンの効果があった」なんて書けるわけがない。
衝撃的なのは、関連記事として2面に掲載されていたグラフである。
国内の累計死者数と死因、そしてワクチン接種率を並べたグラフなのだが、これを掲載した朝日新聞は、なにも気づかないのだろうか?
わかりやすく色をつけてみると、恐ろしい相関関係が浮かび上がってくる。
ワクチンを接種しはじめてから、中央の累計死者数が、階段状に増えていくのがわかる。
特に顕著なのは、3回目接種率、4回目接種率、5回目接種率がそれぞれ急上昇する時期だ。循環器(心筋梗塞や脳卒中など)の病気で死亡する人が、接種率に呼応するように明らかに急上昇しているのである。3回目接種の時期など、不自然なほどの突出ぶりに身の毛もよだつ。
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黙りこくり方が凄まじい副反応検討部会のオンライン会議
だが、朝日新聞の記事には、この不自然なグラフに、ワクチンとの相関関係を見いだす様子は一切ない。死者が予測を上回った理由については、
複数の要因が絡んでいるので、全容の解明は難しいが、地域の事情も含め、コロナの間接的な影響があったのだろう。
などとする研究者の意味のない意見で記事を締めている。
複数の要因はもちろん絡んでいるが、全容の解明が難しいのは、前代未聞のワクチンの被害について、厚労省と副反応検討部会が黙りこくっているからである。
4月28日に、基礎疾患を持つ1歳男児が接種後に死亡した事例について、副反応検討部会でオンライン会議が行われた。その動画を見たが、黙りこくり方が、もはや凄まじい。
● 2023年4月28日開催 第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
厚労省の役人から、「死亡時、画像診断や剖検は実施されなかった」「ワクチン接種と死亡との時間的前後関係はあるが、因果関係を推定できる医学的証拠はなく、両者の間の因果関係を評価することはできない」という早口の説明がなされる。
その後、出席者に対して意見を求めるのだが、10人も出席しているのに、全員が黙りこくってなにも発言しようとしないのだ。体を椅...