2025年1月10日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
Kiteのイエスカルタ(R)、再発/難治性の非ホジキンリンパ腫患者さんにおいて、投与後5年以降も持続的奏効と長期生存を示す唯一のCAR T細胞療法として、ASH 2024で発表
-ZUMA-5試験の解析では、5年を超えるフォローアップ期間中央値以降も、無増悪生存期間中央値62.2カ月、および奏功持続期間中央値60.4カ月を示す- -半数を超える患者さんが解析時に生存、その後の治療も不要、病勢進行例もほぼなく、治癒の可能性を示唆-
ギリアド・カンパニーのKite(本社:米カリフォルニア州サンタモニカ、ナスダック:GILD)は、12月9日、再発/難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)および辺縁帯リンパ腫(MZL)を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)患者さんに対するイエスカルタ(アキシカブタゲン シロルユーセル)に関する第II相試験である、ZUMA-5試験の5年間のフォローアップ解析結果を発表しました。本解析では、イエスカルタの投与を受けた患者さんが、5年を超えるフォローアップ期間中央値以降も、持続的奏功と長期生存を継続していることが示されました。本データは、第66回米国血液学会(ASH)年次総会・展示会にて、口頭発表(抄録番号 #864)されました。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(T
...morehe University of Texas MD Anderson Cancer Center)の治験責任医師であるサットヴァ・S・ニーラプ医師(Dr. Sattva S. Neelapu)は、次のように述べています。「FLおよびMZLなどのR/R NHLについては、大半の患者さんが最終的に再発するため、一般的には治癒しないと考えられています。これらの素晴らしい結果は、axi-celの持続的な臨床的ベネフィットや管理可能な長期の安全性プロファイルを示しており、当該の治療が難しい血液がんに対して治癒効果をもたらすかもしれないという希望を私たちに与えてくれます」
ZUMA-5試験には、159名の患者さん(FL:127、MZL:31、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL): 1[のちに離脱])が登録されました。フォローアップ期間中央値である64.6カ月(範囲:32.3-81.4、FL:65.7、MZL:55.8)の時点で、全奏効率(ORR)は90%、完全奏効(CR)を達成した患者さんは75%でした。CRを達成した患者さんのうち、58%はデータカットオフの時点でCRを維持していました。奏功持続期間(DOR)中央値は60.4カ月(95%信頼区間(CI):39.7-推定不可[NE]、FL:60,4、MZL:未達[NR])で、60カ月時点の推定DORは53.4%(95%CI:43.9-62.0、FL:52.2%、MZL:60.0%)でした。
無増悪生存期間(PFS)中央値は、62.2カ月(95%CI:34.9-NE、FL:57.3、MZL:NR)
でした。FL患者さんの60カ月時点のPFS率は、高リスク特性に関わらず、一貫性を示しました。
次の治療までの期間の中央値は、全NHL患者さんがNR(95%CI:38.6-NE、疾病の種類ごとに一貫性あり)で、60カ月時点の推定率は53.3%(95%CI:45.0-60-9、FL:54.0%、MZL:50.9%)でした。データカットオフの時点で、55%の患者さん(n=87)が新たに抗がん治療を受けることなく、生存していました。OS中央値はNRで(95%CI:NE-NE、疾病の種類ごとに一貫性あり)、60カ月時点の推定OS率は69%(95%CI:60.8-75.8、FL;68.9、MZL:71.1)でした。
Kiteの副社長兼メディカル・アフェアーズ・グローバルヘッドのドミニク・トネッリ(Dominique Tonelli M.D.)は、次のように述べています。「FLやMZLを有する人々が、イエスカルタの単回投与後、長期生存できるというエビデンスが増加しています。ZUMA-5試験の5年間のフォローアップ期間において、リンパ腫に特化した事象は認められなかったことから、イエスカルタは、その後の治療を必要とせず、患者さんに生存期間延長の機会、そして治癒をもたらす可能性があります」
5年間の解析において、イエスカルタ関連の新たな安全性シグナルの発現は認められませんでした。4年時点の解析のデータカットオフ後、1名の患者さんが病勢進行しましたが、解析後に病勢進行により死亡した患者さんはいませんでした。投与を受けた患者さん(n=152、FL:124、MZL:28)のうち、4年時点の解析後、イエスカルタには関連のない3つの新たな事象が報告されました(グレード3の転移、グレード1の膀胱がん、グレード4の骨髄異形成症候群(重篤な有害事象))。1名の患者さんが肺炎で死亡しました(イエスカルタには関連なし)。試験期間中に合計46名の患者さんが、病勢進行(n=14)、二次性悪性腫瘍(n=6)、感染症(n=11)、または別の原因/原因不明(n=15)で死亡しました。
ZUMA-5試験について
ZUMA-5試験は、抗CD20モノクローナル抗体とアルキル化剤との併用療法を含む、少なくとも2つ以上の全身療法歴のある159名のR/R NHL(FLおよびMZL)成人患者さんを評価する、単群、非盲検、国際共同、多施設の第II相試験です。主要評価項目はORRで、副次評価項目は3つ以上の前治療歴を有する患者さんにおけるCR率、ORRおよびCR、ならびにDOR、OS、PFSおよび有害事象の発現でした。
NHLについて
FLおよびMZLはともに、悪性腫瘍の増殖は遅いが、時間の経過とともに進行が早くなる可能性のある低悪性度NHL(iNHL)の一種です。
FLは、最も一般的なiNHLであり、世界で二番目に一般的な型のリンパ腫です。世界でリンパ腫と診断される人の約22%を占めています。MZLは三番目に一般的な型のリンパ腫で、B細胞NHL全体の8~12%を占めています。
疾患マネジメントの進歩や、長期生存率の大幅な改善にも関わらず、FL患者さんの治療アウトカムはさまざまです。現在、二次治療以降のR/R FLおよびMZLに対する治療選択肢は限られています。
イエスカルタについて
効能・効果、警告、禁忌・禁止および医薬品情報を含む電子添文(完全版)をご参照ください。
イエスカルタは、CD19を標的とした遺伝子改変自家T細胞免疫療法で、米国においては次に挙げる患者さんの治療を適応としています。
・一次治療の化学免疫療法に対して難治性を示した、または一次治療の化学免疫療法後12カ月以内に再発したLBCL成人患者
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、FL形質転換のDLBCLを含む、2つ以上の全身療法後のR/R LBCL成人患者さん
使用上の制限事項:イエスカルタは、原発性中枢神経系リンパ腫患者さんの治療を適応としません。
・2つ以上の全身療法後のR/R FL成人患者。本適応症は、奏効率に基づき迅速承認されました。本適応症の承認を継続するには、検証的試験で臨床的ベネフィットを検証し、証明することが条件となります。
米国における重要な安全性情報
枠組み警告:サイトカイン放出症候群(CRS)、神経毒性および二次性血液悪性腫瘍
・重度または生命を脅かす反応を含むCRSが、イエスカルタ投与患者に発現しています。活動性感染症または炎症性疾患を有する患者にイエスカルタを投与しないでください。重度または生命を脅かすCRSは、トシリズマブまたはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用で、治療を行ってください。
・重度または生命を脅かす反応を含む神経毒性が、CRSを同時に発現した場合または回復後を含め、イエスカルタ投与患者に発現しています。イエスカルタ投与後、神経毒性についてモニタリングしてください。必要に応じて、支持療法および/またはコルチコステロイド投与を行ってください。
・イエスカルタを含む、BCMA-やCD19-を標的とする遺伝子改変T細胞を自家移植して行う免疫療法による血液悪性腫瘍の治療後に、T細胞悪性腫瘍の発現が報告されています。
・イエスカルタは、リスク評価...