「報酬系」とは?

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音楽の快感は「アルコールと同じ脳領域」で発生している - 07月12日(土)17:00  ナゾロジー

音楽の快感は、アルコールや薬物と同じ脳領域で生じている可能性があるようです。 カナダ・マギル大学の神経科学研究チームは、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)とTMS(経頭蓋磁気刺激)を用いて、脳内におけるポップミュージックの影響を調査。 脳の報酬経路を刺激することで、音楽による快感やモチベーションが高まる可能性が示されました。 これは聴覚と報酬領域の間のコミュニケーションが、音楽に喜びを感じる理由であることを脳科学的に実証した初の研究となります。 研究は、2021年4月28日付けで『Journal of Neuroscience』に掲載されています。 目次 音楽とアルコールは同じ快感? 音楽とアルコールは同じ快感? これまでの知見によると、音楽の報酬には、ドーパミン経路(報酬系路)の関与が必須とされています。 この経路は、中脳の「腹側被蓋野(VTA)」から始まり、重要な報酬領域の1つである「側坐核(NAc)」に至ります。 アルコールや薬物の他に、食事や性的行為によっても刺激される経路です。 ドーパミン経路 / Credit: OIST(沖縄科学技術大学院大学)より 一方で、この経路に音楽が関わっていることは、まだ相関的にしか示されていませんでした。 研究主任のアーネスト・マス-へレロ氏は「音楽の快感と報酬系路の間のリンクは示唆されていますが、一方が他方を引き起こすことは因果...more
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薬物に手を出す子ども実は最初から「脳」が違っていたと判明 - 07月08日(火)21:00  ナゾロジー

アメリカのインディアナ大学医学部(IUSM)で行われた研究によって、薬物に手を伸ばす子どもの脳は、薬物を使い始める前からある種の特殊性を備えていることが示されました。 研究では脳の詳細な比較が行われており、衝動を抑える役割を持つ前頭前野の一部が薄くなっている一方、好奇心や刺激を求める傾向に関わる脳領域の体積が大きいという「ブレーキが弱く、アクセルが強い」という特徴が明らかになりました。 本研究は「薬物摂取➔脳が変わる」という従来の常識とは逆の「脳が変っている➔薬物摂取をしやすい」という逆因果を示す初めての大規模研究になります。 研究内容の詳細は『JAMA Network Open』にて発表されました。 目次 なぜ薬物に手を出すのか? 従来の常識を覆す新視点とは薬物に手を伸ばす子ども、脳に共通する「意外な特徴」薬物リスクは才能の裏返しになり得る なぜ薬物に手を出すのか? 従来の常識を覆す新視点とは なぜ薬物に手を出すのか? 従来の常識を覆す新視点とは / Credit:Canva 子どもや思春期の若者が薬物に手を出すと聞くと、私たちはつい「何がその子を薬物に走らせたのか?」と考えてしまいます。 多くの人がまず思い浮かべるのは、家庭環境や交友関係、本人の意志の弱さなどでしょう。 また、「薬物を使ったせいで脳がダメージを受ける」というイメージもよく持たれています。 実際、これまでの...more
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【若者の充実離れ】若者の退屈感がこの10年間で急増している - 06月28日(土)20:00  ナゾロジー

ほんの十数年前に比べて、現代は簡単にアクセスできるコンテンツが溢れかえっています。 ゲームも漫画も映画も、ネットで見放題、遊び放題が当たり前です。面白い動画も毎日配信されています。 私たちが退屈を感じる間など、もはやないと言っていいでしょう。 であるにも関わらず、人々はまったく真逆の感覚を抱いているようです。 カナダのトロント大学(University of Toronto)心理学部に所属するケイティ・YY・タム氏ら研究チームは、アメリカと中国の学生を調査し、過去10年間で若者たちの間で退屈感が急増していることを報告しました。 コンテンツに溢れた時代を生きているというのに、現代の若者はいつも退屈しているというのです。 それは大人たちも同様かもしれません。 なぜ、デジタルメディアが溢れているのに、現代の人々は昔より退屈しているのでしょうか。この問題に対する研究チームの考えを解説します。 研究の詳細は、2024年11月3日付の学術誌『Communications Psychology』に掲載されました。 目次 デジタルメディアが溢れる時代で退屈を感じる若者たち刺激に慣れる集中力の欠如繋がりのない体験 デジタルメディアが溢れる時代で退屈を感じる若者たち 何世紀も前、人々は退屈すると、ただ窓の外を眺めたり、誰かとおしゃべりしたり、本を読んだりしました。 テレビが登場すると、人々は熱中...more
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寝ている間に脳が「お気に入りの記憶」を優先で再生していることが判明 - 07月09日(水)21:00  ナゾロジー

記憶にも推しがあるようです。 スイスのジュネーブ大学(UNIGE)で行われた研究によって、ポジティブな気持ちと結びついた記憶は睡眠中の脳内で優先的に繰り返し再生され、その結果として記憶がより強化されることが明らかになりました。 研究ではゲームで勝利したときに得られた報酬に関する脳の活動パターンが、深い眠り(ノンレム睡眠)の間により頻繁に再現されることを脳の画像解析から発見しました。 人は「嬉しい記憶」を眠っている間に無意識に何度も反芻(はんすう)し、その記憶を定着させている可能性があるということです。 寝る前のポジティブな感情が眠っている間の脳にまで影響を与えるとすれば、私たちは眠りの前にどんな感情を持つべきなのでしょうか? 研究内容の詳細は『Nature Communications』にて発表されました。 目次 脳はどの記憶を「お気に入り」にするのか?勝ったゲームの記憶だけが脳でリピートされる「気持ちよく眠る」が学習効率アップの秘訣に 脳はどの記憶を「お気に入り」にするのか? 脳はどの記憶を「お気に入り」にするのか? / 記憶内容に対する前向きな気持ちが睡眠による記憶の定着に影響を与えていた / Credit:Canva . ナゾロジー編集部 テスト勉強や楽器の練習をした後、一晩ぐっすり眠ると、不思議と次の日にはうまくできるようになった経験はありませんか? これは気のせいで...more
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「若い頃は楽しかったのに…」ゲームが面白く感じなくなる理由 - 07月06日(日)11:30  ナゾロジー

かつて何時間でも熱中できたテレビゲームが、年を重ねるとともに「なんだか退屈だ」と感じるようになる――そんな経験はないでしょうか? これは単なる飽きではなく、脳の報酬系の変化による可能性が指摘されています。 最近の神経科学の研究では、「無快楽症(アネドニア)」と呼ばれる、快楽を感じにくくなる症状が報酬系の変化と関連していることが示唆されています。 この現象を理解することで、年齢を重ねても新鮮な喜びを感じる方法を探ることができるかもしれません。 目次 無快楽症とは? 快楽を感じにくくなる脳のメカニズムどうすれば「新鮮な感動」を取り戻せるのか? 無快楽症とは? 快楽を感じにくくなる脳のメカニズム 無快楽症とは、楽しいと感じるはずの活動に対して興味を持てなくなる状態を指します。 これはうつ病や統合失調症などの精神疾患と関連が深いとされていますが、必ずしも精神疾患のみに限らず、加齢や環境要因によっても発生する可能性があると言われています。 最新の研究では、視床の室傍核(PVT)と側坐核(NAc)の間の機能的結合性が強化されることが、無快楽症の症状と関連していることが明らかになっています。 視床の室傍核(PVT)と側坐核(NAc)の位置/Credit:Wikimedia Commons PVTは覚醒・ストレス応答・報酬処理・学習と記憶という複数の機能を統合する重要な場所です。そして側坐核...more
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