インスリンの投与日が不規則に設定された不思議な処方箋。そこには、現代社会が抱えるある問題が関係していました。今後、高齢者がインスリンを継続するために考えられる対策や、糖尿病治療の変化を紹介します。
こちらも読みたい>>「私たちの体は夫のものではない」中絶めぐる状況の改善、団体がイベントで訴え緊急避妊薬(アフターピル)の薬局販売について、広く意見を求めるパブリックコメント(パブコメ)を、国が1月31日まで募集している。2017年にも同様のパブコメを行ったものの市販薬化は見送られており、推進派はパブコメの提出を呼びかけている。約90カ国では薬局で購入可能、ハードルの高い日本2022年9月に行われた検討会緊急避妊薬は、コンドームの破損や性暴力など、妊娠する可能性のある性行為から72時間以内に服用することで、妊娠する確率を著しく下げる薬だ。早く飲むほど効果が高いという特徴もある。厚労省の調査によると、世界の約90の国では医師の処方箋がなくても薬局などで購入可能。一方日本では、産婦人科などへの受診や処方箋が必須で値段も平均約1万5000円と高額のため、アクセスのハードルの高さが問題になっている。緊急避妊薬の薬局販売(スイッチOTC化)については、2017年にも検討された。当時行われたパブコメに寄せられた348 件のうち、9割を超える320件がOTC化に賛成だったものの、検討会では「性教育が遅れている」「使用者自身のリテラシーが不十分」などの意見が出て市販薬化は見送りに。その後2021年に検討会議が再開され、医師や薬剤師などでつくる団体の理事や大学教授、ドラッグストア関係者などが議論を交
...moreわしてきた。2021年からの検討会で挙げられた主な課題点は以下の通り。・年齢制限は必要か・専門知識を身につけた薬剤師による販売ができるか・スイッチOTCとして承認された医薬品は原則3年経つとインターネット販売も可能になり、対面販売が維持できない・安易な販売、悪用や濫用の懸念・性教育が遅れているため、避妊に対する使用者自身の理解が不十分・販売後含む医師との連携・性暴力被害の場合、どのように支援につなげるかパブコメで寄せられた意見をもとに再び検討会議で議論し、最終的な検討結果をまとめる予定だ。パブコメの受付はこちらから行っている。「当事者の声を届ける最後のチャンスになるかもしれない」市民団体「緊急避妊薬の薬局での入手を実現するプロジェクト(緊急避妊薬を薬局でプロジェクト)」は、今回のパブコメが「当事者の声を届ける最後のチャンスになるかもしれない」とし、イベントなどで提出を呼びかけ。1月23日にも衆議院第一議員会館で勉強会を開き、アクセス改善の必要性を訴えた。プロジェクトの共同代表で、NPO法人ピルコン理事長の染矢明日香さんは、検討会議で出された「緊急避妊薬の安易な使用、悪用・濫用の懸念」「性教育が遅れており、使用者の避妊や緊急避妊薬についての知識が不十分」などの課題を踏まえ、「緊急避妊薬 知っておきたい8つのこと」を説明。緊急避妊薬 知っておきたい8つのこと(WHOファクトシートに引用される医学文献をもとに作成)これらはWHOなどの資料を元にプロジェクトでまとめたもの。ファクトチェックは公開されており、パブコメを提出する際にも参考にできる。「安易な使用、ジャッジできない」勉強会では、「高額すぎて買えない」「土日や祝日で病院がやっていない」「地方のため病院が遠い」など、当事者からの切実な声も紹介された。染矢さんは「課題があるからアクセスを制限せざるを得ないというような視点ではなく、性教育や避妊法の充実化も含めて、足りないのであれば両輪で推進していくという視点で考えていってほしい」と訴えた。共同代表を務める産婦人科医の遠見才希子さんは、「安易な使用」が懸念されていることを念頭に「私たち医療者は目の前の人の人生のごく一部しか知り得ないのだから、表面的な理由や態度で(安易な使用かどうかについて)人をジャッジすることはできません」とコメント。「(緊急避妊薬は)意図しない妊娠への不安を抱える全ての女性・女の子のための薬です。年齢や住んでいるところ、セックスの相手や家族との関係性、これまで受けてきた教育や正しい知識の有無などによらず、意図しない妊娠への不安を抱える全ての女性・女の子に緊急避妊薬にアクセスする権利があります」と強調した。プロジェクトでは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利・SRHR)の課題などに取り組む若者のネットワーク「SRHRユースアライアンス」と共同で「#みんなでパブコメ キャンペーン」も展開。緊急避妊薬を入手しやすくすることを求めるオンライン署名には16万を超える署名が集まっている。パブコメの提出方法は?パブコメは名前や住所の入力をしなくても提出可能。以下の項目の入力が必須とされている。・意見(賛成、反対など)・意見の理由、根拠等応募はこちらから。中段の「意見募集要項」を一度開いた上で、下段の「意見募集要領(提出先を含む)を確認しました」の部分にチェックを入れ、右下にある「意見入力へ」のボタンを押すと、入力画面が現れる。 Related...緊急避妊薬が薬局で買えないのはG7で日本だけっておかしくない? #緊急避妊薬を薬局でSHELLY「性教育は人権教育。女性も悪い?と思っていた私は姉の言葉で目が覚めた」アフターピル、まずはどんなものか見てみよう。使う「罪悪感」はいらない。「ポケット避妊教室」が誕生...クリックして全文を読む...
医療業界も「アマゾンエフェクト」によって変わってしまう可能性が出てきました。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では、MBAホルダーの理央 周さんが、米アマゾンが「薬局ビジネス」への参入を検討していることについて詳しく解説しています。
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「なぜ、アマゾンは、薬局ビジネスに参入するのか?」~医療産業のIT・DXへのマーケティング、メリットと考えるべき点
米アマゾン・ドット・コムが、中小の薬局と組んで、日本で処方薬のネット販売への参入を、検討していることが分かった、と昨年報道されました。
今月下旬から、電子処方箋が運用されることもあり、医療にもデジタル化の波が、押し寄せてきています。
日本経済新聞によると、アマゾンが検討している新しいサービスでは、オンラインで、医療機関での診察をしたお医者さんが、受診した患者さんに、これもオンラインで処方箋を発行する、というイメージなのでしょう。
その処方箋を、アマゾンのプラットフォーム上で、A、B、Cどの薬局がいいのかを相談して、どれにするかを決め、決めた薬局から自宅に配送してもらう、という仕組みです。
以前は、処方薬は医者で出してもらうものでしたが、今は、医薬分離が進んで、医者に書いてもらう処方箋をもって、調剤薬局に行かなければなりません。
大半の場
...more合は、病院の前や近くにはありますが、それでも一度外に出て、多い時はいくつかある調剤薬局から選んで、そこで受け取る、という感じです。
このコロナ禍の中で、医療もオンラインで行うという特例措置がでましたが、これが本格的にできるようになると、もし、外出が難しく、オンラインで医療を受けることができたとしても、出してもらった処方箋をもって、調剤薬局まで出向かなければなりません。
今も一部大手の薬局はオンラインで服薬指導をして、場合によっては薬の配送もしているそうですが、多くの薬局では即日配送だと、300円ほどかかるそうです。
アマゾン薬局ができれば、この手間を省くことができるようになるので、その意味では、顧客の使い勝手があがり、また配送料も安く設定してきそうです。
今はオンラインでの医療に関しては、医者側は積極的ではなさそうですし、患者側も慣れていませんが、便利さがあり慣れてくると、浸透することも十分考えられます。
そうなると、医薬業界の市場も大きく変わりそうです。このように、アマゾンの進出によって、市場が変わってしまうことを、“アマゾンエフェクト”と呼びますが、また発生する可能性はありますよね。
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アマゾンはともかく、診療のオンライン化は避けて通れません。ITの浸透による、消費者行動の変化は、医療にも及んできています。
そしてIT化の動きは「不可逆」で、元に戻ることはないでしょう。
IT導入の設備投資に、積極的なお医者さんや薬局にとって、早く取り入れる方が有利になると思われます。
また、アマゾンとしては処方薬の販売に加えて、顧客データが収集できることが重要だ、と考えているはずです。
これまでは、本や雑貨、ビデオや音楽といった商品やサービスにおいて、ユーザーの好みを分析して、サイトを改善したり、レコメンデーションを出していました。
私が在籍していたころから、それがAmazonの最大の差異化ポイントです。
今回はそれに加えて、ユーザーの健康に関する個人情報が、入手できる可能性もあります。
消費者の健康に関する関心や興味は、ますます高くなっています。
ユーザーが処方箋で調剤薬を入手する、ということは、そのユーザーが、どんな健康への関心事項を持っているかが、推測できることになります。
これは私の推測ですが、こうなると、「この人には、健康に特化したスマートウオッチを、レコメンドしよう」などと、AIを使った仮説構築による、レコメンデーションが、できるようになるでしょう。
一方で、オンライン薬局を利用する患者側は、自分の病気や怪我の中身も、データとして提出することになります。
機微を含む個人情報になるので、アマゾンに限らず、患者側は、個人情報が守られるのか、考えなければならない時代になりそうです。
IT化、DXの浸透は避けられない動きです。企業側は、ITを取り入れることで、顧客の利便性をあげたり、業務を効率化したいところです。
しかし、個人情報の取り扱いなど、顧客も気がつかない、プライバシーへの配慮を、より注意しなければならない時代になりました。
また、顧客側も便利になるなら、デジタルで買おう、という傾向は増すでしょう。
しかし、ネットでの購入は、自分がさらけ出したくない情報を、開示しなければならないことなど、注意すべきことが増えるのも事実です。
便利になるのは嬉しいですが、それに伴って考えなければならないことは、当たり前ですが増えていきます。
インターネット、ITの利便性の向上は、“ただ”ではない、ということを考えさせられる、事例でした。
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佼成出版社は、1月27日に、『これでは、不幸まっしぐら 今すぐ変えたい30の思考・行動』(大愚元勝・著)(1,980円)を発刊する。