「人的資本」に関する情報開示が義務化された昨今。「人的資本をどのように高め、また発信すれば、企業価値の向上につながるのかー」。経営者をはじめ、多くのビジネスパーソンが摸索しています。『広報会議』2023年7月号では、「人的資本」の向上に密接につながる「社内コミュニケ―ション」を取り上げています。本記事では、「人的資本経営に求められる社内コミュニケーション」について、HRガバナンス・リーダーズ 広報PRコンサルタントの永田正人氏に聞きました。
2023年5月30日
KPMGコンサルティング株式会社
KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:宮原 正弘、以下、KPMGコンサルティング)は、人や企業が集まる活気ある地方都市の理想像「響鳴都市:名護」の実現に向けて、産官学連携による未来視点での人財育成および新たな産業創発に取り組む場として、オープンイノベーションセンター「Nago Acceleration Garage」を沖縄県名護市に本日開設しました。KPMGコンサルティングとして、初めてのオープンイノベーションセンターとなります。
KPMGコンサルティングと名護市は、官民連携や先端技術の効果的な活用により、地域課題の解決やまちの魅力を高める「スマートシティ名護モデル」の実現に向け、2022年8月に包括連携協定を締結し、まちづくり、企業誘致、交通などの分野において、新たな取組みの検討を開始しています。また、KPMGコンサルティングでは、名護市主催のイベントへの協賛や参加、公立大学法人名桜大学(所在地:沖縄県名護市、学長:砂川 昌範)でのイノベーション講座の開講、名護市の学生に向けた吹奏楽クリニックの開催など、「響鳴都市:名護」の実現に向けたさまざまな活動を既に進めています。
こうした活動を更に加速させるべく、このたびKPMGコンサルティングでは、名護
...more市にオープンイノベーションセンター「Nago Acceleration Garage」を開設しました。当センターでは、まちの活性化を自らリード出来るような未来思考の人財を育成・輩出すべく、多様な企業・人と連携した「オープンイノベーションプログラム」や「社会課題解決のワークショップ」、「デジタル技術体験イベント」などの開催を予定しています。これまでの得ることが難しかった多くの”企業や人との出会い”を通じて、新しい”学びや気づき”を創造し、“さまざまなアイデア”が湧き出る拠点を目指しています。
まちづくりを一過性かつ、部分的、一部の関係者のみの取組みにすることなく、地域に根差した人財が未来創造に向けたマインド、知識、スキルを備え、まちづくりの中心に入って自ら産業創発に貢献し、人の成長と一緒にまちが発展していく、そうしたサステナブルな価値循環サイクルの構築こそ、KPMGコンサルティングが考えるまちづくりであり、当センター開設の根底にある想いです。
事業創造・アイデア創発拠点
なお、当センターは、KPMGコンサルティングをはじめとした計7社から構成される「一般社団法人名護スマートシティ推進協議会」(所在地:沖縄県名護市、代表理事:林 優子)および、同協議会が運営する「名護スマートシティコンソーシアム」の活動拠点としても活用される予定です。
【主な特長】未来人財の育成プログラム地域の学生および一般社団法人名護スマートシティ推進協議会や名護スマートシティコンソーシアムの参画企業向けのセミナーやワークショップの定期的な開催を通じて、イノベーション人財の育成を支援します。また、本拠点を活用する団体によるセミナーの開催等も行われる予定です。
産業創発プログラムビジネスアイデアの発表会を定期的に実施し、名護の地域課題解決等について議論する中で新たな産業創発を推進していきます。
コミュニティ空間の提供による交流促進同じ志を持つ人やこれから持ちたいと考える人を繋ぐ拠点として、コミュニティ形成の場を提供します。今後はオンラインも含めた多面的なコミュニティ形成にも取り組む予定です。
KPMGコンサルティングは、今後もさまざまな領域に精通したコンサルタントが豊富な知見を活かし、スマートシティを通じて社会課題解決に取り組む自治体と事業者、そしてそこに関わる人達を多角的に支援していきます。また、各地での取組みをローカライズ、カルチャライズしながら他エリアへ展開することで、地域に根付いた持続可能なスマートシティ構築を支援していきます。
【施設イメージ】
【Nago Acceleration Garage概要】所在地:沖縄県名護市大中1丁目19ー24 名護市産業支援センター1F営業日:平日(詳細はウェブサイトをご覧ください) ※土日・祝日はイベント開催時のみ開業床面積:約290㎡施設利用方法:施設の利用、各種プログラムの参加はNago Accelarion Garage会員登録が必要です。詳細はNago Acceleration Garage公式ホームページ(https://nagoag.com)をご覧ください。今後の予定:実施プログラムなどについては、順次Nago Acceleration Garage公式ホームページに掲載いたします。
KPMGコンサルティングについてKPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野から企業を支援するコンサルティングファームです。戦略策定、組織・人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
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今回は、中国WeBankのブロックチェーン活用について、一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / @fukuokasho12))に解説していただきました。
目次
WeBankとは
1-1. WeBankの概要
1-2. WeBankが提供しているサービス
WeBankとブロックチェーン
2-1. 2年連続「Forbes Blockchain 50」に選出
2-2. ブロックチェーンプラットフォーム「FISCO BCOS」
2-3. クレジットスコアの管理
ブロックチェーンを用いたESGインフラストラクチャの構築とは
3-1. プロジェクトの概要
3-2. WeBankのESGへの取り組み
プロジェクトの今後の展開
4-1. データ管理とプライバシー保護の確立
4-2. 信頼性の信頼性の高いガバナンスの構築
4-3. ESG関連ビジネスの実装促進
まとめ
「ESG」という視点が世界的に重要視される中、中国の「WeBank(微衆銀行)」がブロックチェーン技術を活用して新たなESGインフラストラクチャの構築に挑戦しています。同社の分散型ビジネス技術開発部副部長、ファン・ルイビン氏によると、このプロジェクトはESGの発展を支える堅牢な技術基盤を築くことを目指しており
...more、多くの関心を呼んでいます。
本記事では、WeBankが推進するこの革新的なブロックチェーンを用いたESGインフラストラクチャについて、その概要やプロジェクト内容を分かりやすくご紹介します。
1. WeBankとは
1-1. WeBankの概要
「WeBank(微衆銀行)」は、2014年12月に設立された中国初のデジタル銀行です。中国のインターネット企業「テンセント」が主要株主で、アリババ系列の「網商銀行(MYBank)」などと共に、深圳を拠点に設立されました。
WeBankは、インターネットで蓄積された膨大なデータとテクノロジーを活用し、従来は金融サービスの対象になりにくかった中小企業や個人消費者をクライアントとし、金融機関と顧客をシームレスにつなぐことを目指しています。デジタル銀行であるWeBankは、実店舗や支店の営業拠点は持っておらず、すべての銀行業務をオンラインで行っています。そのため、ユーザーはスマートフォンやパソコンからアカウントを作成し、いつでもどこでもオンラインで銀行業務を利用できます。
また、後述しますが、WeBankはシステムにブロックチェーン技術を導入し、データの安全性とプライバシーを守っています。WeBankは最新技術を活用し、信頼性と利便性の高いサービスを提供。設立から5年で1億7,000万人ものクライアントを獲得し、中国国内で急成長している企業です。
1-2. WeBankが提供しているサービス
WeBankが提供する主なサービスは以下の通りです。
マイクロローン
WeBankは、簡単な審査プロセスと低金利で個人向けマイクロローンを提供。緊急で資金が必要な人に便益をもたらし、最大50,000元まで借りられます。
オンライン預金
WeBankはデジタル銀行なので、口座開設から預金、引き出し、送金まで全てオンラインで完結。日常取引口座と高利回り口座の2つのオプションがあり、高利回り口座では一定期間預金することで高い金利が得られます。
クレジットカード
WeBankはVISAブランドのクレジットカードを発行。キャッシュバックやポイント還元などの特典があり、オンラインで申請できるため審査がスピーディです。
投資商品
WeBankは株式、債券、ファンドなどの投資商品を提供。取引プラットフォームには市場情報や分析、取引システムが揃っており、投資に興味のある人にとって利便性が高いです。
保険
WeBankは健康保険、自動車保険、旅行保険などの保険商品を提供。保険の申請もオンラインで完結し、保険金の請求もスムーズに行えます。
WeBankは、クライアントのニーズに合った多様な商品を展開し、利便性の高さからユーザー数を増やしています。
商品展開を行っており、その利便性の高さから日々ユーザー数を拡大しています。
2. WeBankとブロックチェーン
WeBankは、機械学習、クラウド、ブロックチェーンといった先端技術を活用し、非常に高いクライアント体験を提供しています。WeBankは2020年時点でブロックチェーン領域の特許取得数で世界第3位を誇り、積極的なプロジェクト開発を進めています。
以下では、WeBankがこれまで行ってきたブロックチェーン技術を用いたプロジェクトについて詳しく紹介していきます。
2-1. 2年連続「Forbes Blockchain 50」に選出
WeBankは2022年と2023年の2年連続で「Forbes Blockchain 50」に選出されています。
「Forbes Blockchain 50」は、アメリカの経済誌「Forbes」が発表する、ブロックチェーン技術を活用している企業50社のリストです。このリストでは分散型台帳技術を主導し、世界のブロックチェーン市場の影響力拡大を推進している企業が選出されます。リストには金融、製造、物流、テクノロジーなど多岐にわたる業界の企業が含まれており、それぞれ独自のブロックチェーン技術を開発し、ビジネスに導入して成長を遂げています。
WeBankは、権威あるリストに2年連続で掲載される実績を持ち、中国だけでなく世界でもブロックチェーン業界をリードする存在となっています。
2-2. ブロックチェーンプラットフォーム「FISCO BCOS」
WeBankでは、ブロックチェーンプラットフォーム「FISCO BCOS」の開発を行っています。
FISCO BCOSは、多くの分散ノードで構成されるプライベートブロックチェーンを提供し、高い拡張性と利便性を実現しています。また、スマートコントラクトを実行できる仕組みがあり、企業や組織は自分たちのビジネスに合ったアプリケーションを開発できます。FISCO BCOSは、WeBankだけでなく、JD Finance、Huawei、ZTE、テンセントなど、合計100以上の企業が開発に関与しています。金融業界を中心に、IoTやサプライチェーン管理などの分野でもFISCO BCOSが採用されています。例えば、商品の流通履歴をブロックチェーン上に記録し、偽物や不正な商品の流通を防止することができます。
このように、FISCO BCOSは分散型アプリケーションを構築する企業や組織にとって利便性が高く、今後さらなる発展が期待されています。
2-3. クレジットスコアの管理
WeBankは、ブロックチェーン技術を活用し、クライアントのクレジットスコア管理を支援しています。
このプロジェクトでは、WeBankがクライアントの信用情報を収集し、ブロックチェーン上に記録することで、大量のデータを安全に保管しています。さらに、保管された情報を信用情報機関や金融機関に提供することで、ローンなどの利用時に迅速な対応が可能となっています。
3. ブロックチェーンを用いたESGインフラストラクチャの構築とは
3-1. プロジェクトの概要
2022年4月、WeBankの副社長兼最高情報責任者であるヘンリー・マー氏は、ブロックチェーン技術がESG分野で活用できる可能性について言及しました。
ESGは、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、および「企業統治(Governance)」の頭文字をとった言葉で、企業の持続可能性を示す指標です。気候変動や社会課題が世界的に懸念される中、ESGは企業の長期的成長に重要な要素となっています。
WeBankは、ブロックチェーン技術を活用し、信頼性のあるガバナンスや分散型デジタルIDなどを導入したESGアプリケーションのフレームワークを開発しています。これにより、企業がESG関連の課題を迅速かつ効率的に解決できることを目指しています。ヘンリー・マー氏は、今後のブロックチェーンの使命として、公正で持続可能な発展を促すESGに特化した信頼できるインフラストラクチャの構築を挙げています。WeBankはこれまでの知見を活かし、この目標を実現していく予定です。
3-2. WeBankのESGへの取り組み
WeBankは元々ESG分野への取り組みが積極的で、社内に「ESG委員会」を設置し、銀行全体の戦略レベルでESGガバナンス機能を強化するなど、ESGの管理システム...