株式会社GOODREI(本社:東京都中央区、代表:末吉 謙佑、以下「GOODREI」)は、デジタル遺産相続におけるトラブルの実態把握を目的に、遺族による故人のスマートフォンロック解除に関する調査を実施しました。その結果、ロック解除を試みた遺族のうち実に76%が解除に成功しているという、注目すべき実態が明らかになりました。
■ 調査の背景:誰もが向き合う「デジタル遺品」という課題
スマートフォンやクラウドサービスが普及し、個人の大切な情報が「デジタル資産」として蓄積される時代。しかし、持ち主の死後、パスワード等が不明なために遺族が故人の重要な情報(思い出の写真、連絡先、財産関連情報など)にアクセスできず、困惑するケースが増加しています。GOODREIは、この見過ごせない社会課題の実態を明らかにし、遺族が直面する現実を社会に共有するため、本調査を実施しました。
■調査結果
1. 年々増加する「故人のスマホロック解除」への挑戦
過去5年以内に近親者を亡くした方を対象に、ロック解除を試みた年を調査したところ、2021年以降、解除を試みる遺族が増加傾向にあることがわかりました(図1参照)。特に2025年は、調査時点(3月)までの回答数から年間換算すると、2024年を大幅に上回り急増する可能性が示唆されます。これは故人のスマホ所有率の上昇や、スマホ内
...moreで管理されるデータの重要性が増していることの表れと考えられます。
図1 スマートフォンのロック解除年の分布
2. スマホロック解除、誰が言い出す?最多は「他の親族」
故人のスマホロック解除を誰が最初に提案したかを尋ねたところ、「他の親族」(30%)が最も多く、次いで「故人の配偶者」「故人の子供」と、やはり身近な家族・親族からの声がきっかけとなるケースが大半でした(図2参照)。
弁護士・税理士などの専門家や知人からの提案は少数にとどまりました。
図2 ロック解除の提言者
3. なぜ解除する?動機は「思い出へのアクセス」と「現実的な必要性」
ロック解除を試みた理由で最も多かったのは「連絡先を確認したかった」(22%)、僅差で「データ・写真を取り出したかった」(21%)でした。「LINEなどのメッセージ確認」(16%)と合わせ、遺族が故人との繋がりや大切な思い出を求めていること、また、葬儀の連絡や様々な手続きに必要な情報を探していることがうかがえます。(図3参照)。
一方で、「サブスク解約」「認証コード受取」「金融資産の取り出し」といった経済的・実務的な理由も一定数存在しました。スマホでの金融資産管理が今後さらに一般化すれば、こうしたニーズはますます高まると予測されます。
図3 ロック解除を試みた理由
4. 主流はいまだ「パスワード/PIN」、推測の余地を残すロック方法
故人のスマホに施されていたロック方法を調査したところ、「パスワード」(36%)が最多で、次いで「PINコード」が多い結果となりました(図4参照)。
調査対象となった故人の年齢を考慮すれば、顔認証・指紋認証といった生体認証システムの利用率は相対的に低く、従来型の認証方式が主流であることがわかります。
図4 ロック方法
5. 驚きの解除成功率「76%」!鍵は故人を“知っている”こと
故人のスマートフォンに施されていたこれらのロックに対し、遺族が解除を試みた結果について本調査で集計したところ、実に76%が解除に成功していたことが分かりました(図5参照)。これは予想以上に高い成功率と言えます。
図5 ロック解除の成功率
遺族が用いた手法別の成功率を見ると、「故人が普段使っていたパスワード、ロック解除方法を試す」が76%、「故人の生年月日などからパスワードを推測する」が54%と突出して高く(図6参照)、この結果は、故人との関係性が深い家族だからこそ知り得た情報や推測によって解除できたケースが多いことを強く示唆しています。逆に言えば、遺族にとってそれ以外の方法での解除は極めて困難であることも、今回の調査で明らかになりました。
図6 手法別ロック解除成功率
※ 本調査における「遺体の顔、指紋、写真で認証する」(成功率38%)及び「スマートフォン販売店・キャリア・メーカーに相談する」(成功率45%)という回答について専門的見地から補足します。
現代のスマートフォンは高度な生体認証技術を採用しており、写真や死後の指紋による認証解除は技術的に極めて困難です。顔認証も生体検知機能により成功しない場合が多いと考えられます。
また、スマートフォン販売店等が直接ロックを解除するケースは極めて稀です。これは技術的な困難さに加え、契約者のプライバシー保護とセキュリティ遵守の観点から、本人以外(たとえ遺族であっても)からのロック解除依頼には原則応じないためです。
これらの調査結果はあくまで遺族の方々の試行錯誤や認識に基づく回答であり、これらの方法で容易に解除できることを示すものではありません。
成功したとされるケースには、非常に古い機種や脆弱性のあるセキュリティ設定での試行、パスワード推測など他の解除方法との混同、Apple IDやGoogleアカウントの復旧手続きの案内を受けたケース、手続きの中で見つかった情報からパスワードが判明したケース、あるいは契約情報の確認や解約手続きができたことを「相談の成功」と捉えている可能性などが考えられます。
6. 解除を阻む壁:「推測不能」「手間」「回数制限」
一方で、解除に成功しなかった遺族に諦めた理由を尋ねると、「ロック解除が現実的に不可能だと分かった」「解除に労力がかかりすぎる」「パスワード誤りの上限回数に達した」が上位3位となり、合計で74%を占めました(図7参照)。パスワード等が不明な場合に自力で解除することの困難さが改めて示された形です。
図7 ロック解除を諦めた理由
7. 遺族の本音:やはり「ロック解除方法」は知りたい、でも要望は多様
最後に、ロック解除で苦労した経験を持つ遺族に「故人が亡くなる前にしておいてほしかったこと」を質問しました。「スマートフォンのロック解除方法を教えておいてほしかった」が最多でしたが、「重要な連絡先リスト」「各種サービスのID/パスワード」「財産に関する情報」なども僅差で続き、遺族が必要とする情報は多岐にわたることが明らかになりました(図8参照)。
図8 故人が亡くなる前にしておいてほしかったこと
■ まとめ:デジタル時代の終活、「生前の備え」がいかに重要か
今回の調査結果は、故人のスマホロック解除が、遺族にとって感情的にも実務的にも極めて重要なプロセスであることを示しています。76%という高い成功率は、故人との関係性や生前の情報共有がアクセス可否を分けるという現実を物語っています。解除できなければ、大切な思い出が失われるだけでなく、不要な契約の継続や資産把握漏れといった実質的な不利益に繋がるリスクもあります。
GOODREIは、本調査結果を踏まえ、生前の元気なうちから本人と家族がスマートフォンの取り扱いについて話し合い、ロック解除方法や重要情報の共有など、「デジタル終活」を進めることの重要性を改めて強く訴えます。来るべき時に備えた準備が、遺された家族の負担を大きく軽減する鍵となるでしょう。
■弁護士 坪内清久氏コメント
ITセキュリティの現場に相対する弁護士として、スマートフォンのロック解除を試みた遺族の内、76%が成功しているという調査結果は意外でした。
スマートフォンのロック解除はパスワードを知らない状態では一般の方には極めて困難です。これだけの成功率になるということはパスワードの設定があまいスマートフォンが多かったのではないかと考えられます。実際に、調査結果の中でも「ロックはかかっていなかった」という回答が11%ありました。
本調査の対象となる過去5年間で亡くなった方の年齢を考えると、それほど複雑なスマートフォンのロックを行って...
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