歌手和田アキ子(75)が11日、TBS系「アッコにおまかせ!」(日曜午前11時45分)に生出演。動物園のパンダについて「まだ、見たことがない」と発言した。 日本の動物園にいるパンダについて、和歌山アドベンチャーワールドは今年6月末ごろ、…
歌手加藤登紀子(81)が4日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に生出演。和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」からパンダ4頭が6月末までに中国に返還され、国内に残る東京の上野動物園の2頭も2026年2月が返還期限となる…
和歌山・南紀白浜「アドベンチャーワールド」のジャイアントパンダ4頭が、中国へ帰ることになった。これはただの「契約期限切れ」ではない。「自民親中派のドン」と呼ばれ、和歌山を「パンダの聖地」にした地元の大物政治家、二階俊博氏の政界引退と密接に関連している。チャイナ・コネクションをフル活用し権勢をふるった二階氏の功罪、中国「パンダ外交」の真の狙いについて元全国紙社会部記者の新 恭氏が解説する。(メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』より)※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:白浜からパンダが消える──二階俊博と「パンダ外交」の終焉
二階俊博氏と共に去りゆく中国のパンダたち
ゴールデンウィークの人出でにぎわう南紀白浜。白砂のビーチと温泉に癒されるこの町には、もう一つ、「パンダの聖地」としての魅力がある。しかし残念なことに、今ここで暮らしている4頭すべてのジャイアントパンダが中国へ帰ることになった。
地元では「パンダロス」の声が早くも広がっているが、どうも単なる契約期限切れというだけではないようだ。
この“異例のパンダ外交”を陰で支えてきた人物が、昨年の衆議院選にも出ず、静かに政界を去ろうとしている。地元選出の大物政治家、二階俊博氏だ。
中国との太いパイプを持ち、王毅・外相とも個人的な信頼関係を築いてきた二階氏。かつては習近平主席と何度も面会を重ね、「日本政
...more界随一のチャイナ・コネクション」とまで称された。
白浜町のアドベンチャーワールドにパンダがやってきたのは1994年。以来、レンタル契約に基づき、17頭のパンダがここで誕生した。パンダの繁殖は難しく、世界的に見ても異例の成功であり、日中間の“非公式外交”の象徴だった。
【関連】消費税を死守して玉砕する立憲民主党。野田佳彦・枝野幸男・菅直人「財務省に愛された男たち」15年の系譜
二階氏と習近平主席の「個人的な」信頼関係
昨年秋に二階氏が訪中した際も、「アドベンチャーワールドにいるパンダはすべてメス。オスのパンダを派遣してほしい」と要請したとされ、王毅外相はこれに前向きな姿勢を見せたという。それだけに、今回の「全頭返還」には、すんなり納得できない。
園側は「ジャイアントパンダ保護共同プロジェクトの契約期間が満了するため」と説明する。しかし、あまりにもタイミングが良すぎるのだ。二階俊博という“架け橋”が政界を去る。その影響力の喪失を、中国が冷静に見極めた結果と考えるべきではないか。
二階俊博と習近平の間には隣国の首脳同士という間柄を超えた信頼関係が構築されている。林幹雄は思う。 〈今や「二階─習近平ルート」と呼ぶ人もいるくらいだ。外務省や経産省には真似できない独自の外交チャンネル。これを党人派の二階さんが一つ一つ積み上げてきた意義はとてつもなく大きい〉 (大下英治著「二階俊博伝」より)
中国は往々にして、個々の政治家との信頼関係を重視する。日中間のパンダ外交は国家間ではなく、「人」と「人」の間に築かれたものだった。そのキーパーソンが引退するとなれば、特別待遇を見直すのは当然の流れかもしれない。(次ページに続く)
南紀白浜「アドベンチャーワールド」を援助した二階氏の功罪
パンダが「外交手段」として初めて使われたのは1972年。アメリカのニクソン大統領が電撃訪中を果たした際、中国はアメリカに2頭のジャイアントパンダを贈った。パンダの「希少性」と「愛らしさ」が、国家イメージをやわらかく伝える武器になった。
以来、中国は国家間の関係改善や友好ムードを高めたいとき、パンダの貸与や寄贈を行ってきた。
日本でも1972年、日中国交正常化を機にカンカンとランランが上野動物園にやってきて、その人気は社会現象となった。阪神淡路大震災後には神戸・王子動物園にも二頭のパンダが来園した。
では、なぜもう一つのパンダ派遣先が和歌山だったのかということだが、もともとアドベンチャーワールドは、1980年代に独自ルートで中国と交渉を始めていた。しかし、国家レベルの支援を受けるには限界があった。そこへ手を差し伸べたのが、当時、運輸族・観光族として頭角を現しつつあった二階氏だった。
二階氏は官僚機構、地元企業と中国政府を結びつけるパイプ役となり、アドベンチャーワールドへのパンダ貸与に道を開いた。この特別待遇は、単なる一時的なものではなく、以後30年にわたって続いてきた。その結果、和歌山は自力でパンダ繁殖を成功させた国内唯一の場所となった。
二階俊博氏といえば、「観光立国推進のドン」としても知られる。2010年代後半、日本政府が外国人観光客4000万人計画を掲げた裏には、二階氏の強い働きかけがあった。ビザ緩和、免税店拡大、インバウンド優遇政策……。これらの多くは、二階氏が観光業界や地方自治体と組んで政府に押し込んできたものであり、中国人観光客の爆買い需要への過度な依存を招いたとも言われている。
二階氏の地元・和歌山も観光客の人気スポットとなり、ホテル建設ラッシュが起きた。二階氏と関係の深い建設業界や地元企業への“恩恵”も指摘されてきた。「中国との絆」が利権ルートとして機能していた側面があった。(次ページに続く)
中国側が二階氏に見出した「利用価値」と親中派ネットワーク
中国にとっても二階氏は“使える存在”だった。二階氏は自民党内で少数派といえる親中議員を代表してきた。党幹事長という要職まで務めた。外交安保で強硬な意見が飛び交う中、一貫して「対話優先」「関係維持」を訴え続けた。日本政界に親中派の「錨」を打ち込んだようなものだ。必要なときには「ガス抜き役」として日本の世論をコントロールできるという算段があったかもしれない。
二階氏自身、訪中するたびに超厚遇を受けた。習近平主席の心をつかんだのは2017年の訪中だった。
日米が主導する自由貿易の枠組みである「TPP」に対抗して生まれた現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際協力首脳会議。日本政府は出席に後ろ向きだったが、自民党幹事長の二階氏は今井尚哉総理秘書官を強引に同行させて北京に向かった。多忙なスケジュールを割いて会談した習近平主席は二階氏に「古い友人」と呼びかけたという。
これほどの“特別扱い”を受けた日本の政治家は、近年ほとんど存在しない。だが、ここにこそ最大の問題が潜んでいた。二階俊博という個人と中国との蜜月が、国家間外交に取って代わるようになったのだ。
裏を返せば、日本の国家戦略に関係なく、特定の個人ルートで中国が日本政治に影響を及ぼす可能性を生み出したということである。
中国政府は日本で政財界の親中派ネットワークづくりを粘り強く進めてきたとされるが、二階氏はその“窓口”として、極めて都合が良かったに違いない。
“親中派”という言葉は、日本ではもっぱら国政レベルで語られることが多い。だが、実は本当に中国が力を入れていたのは「地方」だった。政治的な抵抗が少なく、浸透の余地が大きいからだ。
「文化交流」や「地方協力」を掲げ、二階氏の地元とも深いつながりを持つ中国の民間団体も、その主要任務は「中国の対外政策に理解ある人物」を各国で育成・支援することにあるとされる。(次ページに続く)
日本から消えるパンダ。日中関係の今後の課題は
二階氏が引退した衆院和歌山2区では、自民党を離党し無所属で立候補した世耕弘成氏が圧勝し、党公認候補にもかかわらず二階氏の三男・伸康氏は比例復活すらかなわなかった。朝日新聞は「父が築いてきた『王国』崩壊の序章」と評した。
和歌山のパンダは6月末ごろに中国に返される。国内のパンダは東京・上野動物園の2頭のみとなるが、その2頭も返還の期限が来年2月20日に迫っている。
本来、国家間の交渉や友好の基盤は、制度と信頼に基づくべきものだ。だが、パンダをめぐる交渉が“二階ルート”に過度に依存していた結果、彼が引退した途端、音を立てて崩れ始めたようにも思える。
「民間交流」「草の根友好」と言えば聞こえはいい。だが、国益を見失ったまま中国に依存する構図が続けば、いずれ日本は足元をすくわれる。パンダがいなくなる寂しさに惑わされず、日中関係を冷静に見直す機会と受け止めたい。
【関連】安倍夫妻が直接関与している期間が全ヌケ。森友学園事件の記録文書“公開されなかった75ページ”に何が書かれているのか
新 恭さんの最近の記事
消費税を死守して玉砕する立憲民主党。野田佳彦・枝野幸男・菅直人「財務省に愛された男たち」15年の系譜
自民究極奥義「選挙前現金給付」敗れたり!もう「消費税減税」しかない中、森山幹事長が庶民の声を聞き入れぬ理由とは?
相互関税を言い訳に 消...
アドベンチャーワールドは4月24日、ジャイアントパンダ4頭が6月末頃に中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地に帰国することが決まったと発表した。
アドベンチャーワールドのパンダ全4頭の帰国が決定。「めっちゃさみしい」「言葉が出ない」と悲しみの声が相次ぐ中、お見送りイベントも検討されているようです。帰国の予定は6月。パンダ好きさん、急いで~(涙)View Entire Post ›